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2019年08月23日20:16

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ヴィーナス&女神ツアー48 翼を持った神

井戸尻考古館に展示された縄文土器の中には側面にトーテムポールのように矢印(陰茎)、半人半蛙像(はんじんはんあぞう)、
双環突起を組み合わせた蛇頭像(写真左)を組み合わせた装飾のされた
「蛇文深鉢」と呼ばれる曽利32号址から出土した縄文土器があった。
(下記写真左)

フォト

双環突起は左右とも蛇の胴に繋がったトグロになっている。
その下部に位置する半人半蛙像は胴が円形、頭が環形で表現され、
手の指は四本、足は紐状に表現されている。
この蛇文深鉢に関する案内文と思われる
『蛇と月』というタイトルのパネルが壁に掛かっていた。

「口縁に戴枯れた環状の造形を巻くように、もしくはそれを飲み込んだようにして鎌首をもたげる蛇。別な図像によってその環状文は蛙の胴、つまりは暗い月を表すと見られるから、この場合、蛇はよみがえった新月の光りに例えられる。
 新月を暗示する蛇は、常陸国風土記のヌカビコ・ヌカビメの話に見える。ヌカビメの生んだ小さな蛇は一夜毎にたちまち成長してしまうのであった。この蛇が月と同一のものであることを指摘したのは、ドイツの日本学者ネリー・ナウマン。
 それに類することが中世、諏訪神社の御室の神事で行われていた。記録によれば、御室と呼ばれる土室に旧暦12月23日の夜に作りものの小蛇3体を入れ、25日には萱の大蛇3体を入れ、これが三月卯月まで3ヶ月近く巣喰うという。
 細長くて鱗が光り、脱皮を繰り返して成長する蛇の生態が、三日月と同一視されたものだろう。」

縄文人が器の口縁を蛇の飲み込んだ様に見立てていた可能性は
充分あり得ると思う。
しかし、「その環状文は蛙の胴、つまりは暗い月を表すと見られるから、
この場合、蛇はよみがえった新月の光りに例えられる。」という部分は、
説明不足で、意味不明だ。
この傾向は他のパネルの案内文と共通していて、
どうも長い文章からその一部を単純に抜き出してパネルにしているために
生じているようだ。
文中の御室の神事が行われていた御室は今回、唯一参拝した諏訪大社の
上社前宮の表参道の途中に存在していたものだ。

一方、小渕沢(こぶちさわ)中原から出土した
「神像筒形土器」(上記写真右)と呼ばれる縄文土器には
胴体の細い半人半蛙像と似た不思議な神像が装飾されている。
この神像は剣道の面では面布団と呼ばれる、
ヒレの付いた仮面を被っているように見え、

フォト

だからこそ神像なのかもしれない。
面布団はスッポリ被るタイプの面(マスク/ヘルメット)を
どんな体型の人間に合わせて固定させるにも便利な工夫だ。
この神像、肩から肘(ハトメのようなリング状)に掛けて
翼のようなヒレを持っている。
モモンガトカゲのように翼を持った爬虫類や
コウモリのような哺乳類は現存するが、翼を持った人型像は珍しく、
この土器を製作した縄文人は何からヒントを得たのだろうか。
この神像には半人半蛙像には無い格好良さがある。
この神像の指は三本で、ヤモリ(五本指)の指を連想させる造形だ。
(写真中)
ヤモリの指は吸着性があり、垂直な壁を上ったりすることができるが、
そのことと、翼を持つことには必然性がある。
同じ吸着機能を持つものに吸盤があるが、
吸盤を持つ肢が浮き彫りされた縄文土器片の展示もあった(写真右)。
神像の下部にはキノコ型の陰茎が装飾されている。
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