ReN/時をかける少女

ひとりで抱え込みすぎだろ？
目線の高さを同じぐらいにして声をかけてきた
けど、その言葉が相手に跳ね返っていった

泣きたくても泣けない状況で
相手も俺も同じだと言うから
お互い、動きを止めた

数秒間の会話が１時間のように感じた
周囲を見渡して合図を送り
また距離を置いた

「無理するなって言っただろ？」
自己制御ができなくなった時
お互いがいてもたってもいられなくなった

お互い、衝動的だった
周囲はその一瞬の出来事を
どのように受け止めたのだろうか

デジャブのような、その一瞬を
周囲はどれぐらい過敏に反応したのだろう
どれぐらいの情報量で、相手を過小評価したのだろう

正義論より必要だったこと
それは社会的進化論だったのに…

知る権利を与えてと頼んだわけではない
タイミングが重要なんだ
お互い、居場所が異なる空間で
同じ場所にいた

お互いが和解のために会話をするタイミングを見計らっても
周囲はそれを許してはくれない状況だった
思いやりとか倫理学とか
どこか遠い世界へ引き離していくたびに

蹴りたい背中がもっと刺さったあの後
私は孤独を忘れて　いつものように笑った

人権のない国民とそうではない国民がセパレートした