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2021年10月18日22:31

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ラッコが捕食活動を通して海底をおだやかに乱すことで、アマモの開花や種子の形成が促されるからだ。さらに、ラッコが海底を掘ることで、種子が発芽し成長するために必要な場所や日光も確保される>

ラッコがいると海草が強くなる、アマモの遺伝子が多様になると判明

10/18(月) 18:01配信

ナショナル ジオグラフィック日本版

「ラッコがいる場所はどこも植物がとても元気に見えます」と研究者





米アラスカ州のプリンス・ウィリアム湾で、海藻に覆われた岩の上にいるラッコ。ラッコは絶滅危惧種に指定されている哺乳類で、生息環境を健全に保つ役割を担っている。(PHOTOGRAPH BY DONALD M. JONES, MINDEN PICTURES)
 ラッコは動物界で最も厚い毛皮に覆われた生きものだ。主食は貝や甲殻類などの海底の生物で、一生を通して海で生活することもある。カナダのブリティッシュ・コロンビア州に生息するラッコは、二枚貝をよく食べる。こういった貝は、水生植物であるアマモ(Zostera marina)が茂る場所に潜んでいることが多い。

【動画】岩にぶつけて貝を割るラッコ

 ラッコが暮らすアマモ場には、ところどころに草が生えていない空き地がある。ラッコがエサを探して海底を掘った跡だ。しかし、ラッコがいないアマモ場は通常、一面に草が茂っている。10月14日付けで学術誌「Science」に掲載された論文によると、両者を比べてみたところ、ラッコがいるアマモ場の方が安定しており、遺伝子の多様性も高いことが明らかになった。

 ラッコが捕食活動を通して海底をおだやかに乱すことで、アマモの開花や種子の形成が促されるからだ。さらに、ラッコが海底を掘ることで、種子が発芽し成長するために必要な場所や日光も確保される。

 今回の発見は、ラッコなどの捕食動物が、捕食関係以外でも生態系に影響を与えていることを示す好例だ。こういった関係は注目されないことが多く、あまり知られていないと、今回の研究を率いたエリン・フォスター氏は話す。

 つまり、国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種(endangered)に指定されているラッコは、環境にとって重要な生物であり、アマモ場の存続と健全性の維持に貢献している。

 気候変動による海水温の上昇もあって、アマモ以外の海草も世界中で危険にさらされているとカナダ、バンクーバーアイランド大学の海洋生態学名誉教授で、論文の共著者でもあるジェーン・ワトソン氏は説明する。

 海草の生息地は、多くの魚や甲殻類が暮らす重要な環境でもある。コククジラやウミガメなどに食べものを提供するだけでなく、温室効果ガスを吸収したり、有害な汚染物質や細菌を濾過したりする。

「通常、遺伝的な多様性があれば、変化に柔軟に対応できます。現在私たちが直面している難題を考えれば、アマモ場にとって遺伝的な多様性は重要です」。カナダ、ビクトリア大学の博士課程に在籍しながら今回の研究を進め、学位を取得したフォスター氏はそう述べる。氏は現在、ブリティッシュ・コロンビア州を本拠地として沿岸地域の研究や保護活動を行っているハカイ研究所の研究員だ。


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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ー
https://news.yahoo.co.jp/articles/7a19e8ee6c83131de399214b49c473c4d42094cd
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