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2021年07月30日16:07

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★マイクル・コニイ『ブロントメク!』>再、縮

9-3
加藤直之画
『ブロントメク!』
マイクル・コニイ作
画像
https://odd-hatch.hatenablog.jp/entry/20150213/1423778234
 言葉ではとても言い尽くせない巨大な異様な機械が物の見事にリアルに描かれている。挿画加藤直之の得意技だ。巨大機械の名がブトントメク。あの巨大恐竜ブロントサウルスの接頭辞ブロントとメカニズムの合成語であろう。ブロントはもともと雷という意味で雷龍という言葉もあるくらいだ。巨大なというイメージを纏わせてもいいだろう。そこでブロントメクという記号表現に、巨大機械という意味を荷わせてもいいだろう。しかしながら、ブロントメクには一切ブロントサウルスとの相似はない。いずれにせよ我々には巨大な重機嗜好があるようで。
 ブロントメクの機能は自動運転の耕作機械兼戦車だ。いざというときのためか、操縦席が2座あるようだが、パイロットは乗らずに作動している。そういえば巨大ミサイルの運搬車両に2座の運転席があった映像を見たことがある。

 ブロトメクでは1眼の赤いカメラが前を見張っている。このような巨大重機を惑星アルカディアにもちこんだのは銀河をまたにかける営利団体・ヘザリントン機関だ。ヘザリントンなる人物が創立した機関だろう。

 惑星アルカデイィアのアルカディアとは「ユートピア・理想郷・牧歌的な楽園・理想的田園」という記号内容を指示する。ユートピアが人為的・幾何的な色合いが強いが、アルカディアは所与的な自然・代数的な変異可能な風合いが濃い。7つではなく6つの月をもつ惑星アルカディアの生態系たるや、入植した人間にとって既に与えられた過酷な所与として対座する設定だ。これから地球人類が何万年後かに移住する銀河系(天の川銀河)以外の銀河に移民するとすれば、ありない想定ではないだろう。銀河系内ではありえないのかと疑問が生まれるが、それは封印する。
とにかくトンデモナイ生態系が設定されている

 なにしろ52年に一度大増殖するプランクトン集合体<マインド>が、人間のテレパシー能力を増幅させるリレー効果をもっている。人々は催眠術にかかったように次々と血の海に飲み込まれ、マインドと共生する特殊な巨頭鯨の餌になっていく。巨頭鯨がマインドの子供を守ってくれるお返しに、マインドが餌を提供するのだ。

 ちなみに現代の地球では巨頭鯨すなわちゴンドウクジラはハクジラに属し、その名の通り歯をもち、魚などを食する。それに対して、ヒゲクジラはヒゲでプランクトンを濾して食す。しかしハクジラとヒゲクジラの分類は分岐進化上問題があり、今後見直される可能性が高い。
 マインドと特殊な巨頭鯨との共生を嫌がり、惑星アルカディアを出ていくものが多い。この問題を解決してやると称して、ヘザリントン機関がブロントメクと、あと近くの人間の無意識を反映して姿を変える無定形生物アモーフを伴いやってきたというのだ。
 どうもバロック時代のフランスの画家ニコラ・プッサンの代表作『アルカディアの牧人たち』が、墓石にラテン語で"Et In Arcadia Ego"(我はアルカディアにもある)と書かれているのを牧人たちが覗き込んで想いにふける様を描いている。尚、"Et In Arcadia Ego"(我はアルカディアにもある)は、並び替えると"I Tego Arcana Dei"(立ち去れ! 私は神の秘密を隠した!)となることから、聖杯への鍵とされている。」
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2#%E7%90%86%E6%83%B3%E9%83%B7)
という神話は、超遠未来から『ブロントメク!』が反響されて現出したとさえ夢想したくなる。

 “Brontmek!”が英国で出版されたのは1976年である。労働党政権による国有化政策などで、イギリス経済が衰退していたが、「衰退を決定的にしたのは第一次石油ショック後の1975年から1979年の労働党政権でした。」「こうしたことが原因になって、1979年5月の総選挙で労働党は敗れ、保守党のサッチャーが首相に就任しました。」
http://www.iuk.ac.jp/~itoh/britith.htm
 こうした社会状況を“Brontmek!”は色濃く反映し、超遠未来の時空に投射したのではあるまいか。
 なお主人公は惑星アルカディアの造船業者。
ヘザリントン機関が雇った地球出身の美女スザンナと仲よくなっていく。このスザンナを通じて、<15-2>でとりあげる『カリスマ』と関連が浮上する。

9-3
加藤直之画
『ブロントメク!』
マイクル・コニイ作
画像
https://odd-hatch.hatenablog.jp/entry/20150213/1423778234
 言葉ではとても言い尽くせない巨大な異様な機械が物の見事にリアルに描かれている。挿画加藤直之の得意技だ。巨大機械の名がブトントメク。あの巨大恐竜ブロントサウルスの接頭辞ブロントとメカニズムの合成語であろう。ブロントはもともと雷という意味で雷龍という言葉もあるくらいだ。巨大なというイメージを纏わせてもいいだろう。そこでブロントメクという記号表現に、巨大機械という意味を荷わせてもいいだろう。しかしながら、ブロントメクには一切ブロントサウルスとの相似はない。いずれにせよ我々には巨大な重機嗜好があるようで。

 ブロントメクの機能は自動運転の耕作機械兼戦車だ。いざというときのためか、操縦席が2座あるようだが、パイロットは乗らずに作動している。そういえば巨大ミサイルの運搬車両に2座の運転席があった映像を見たことがある。
 ブロトメクでは1眼の赤いカメラが前を見張っている。このような巨大重機を惑星アルカディアにもちこんだのは銀河をまたにかける営利団体・ヘザリントン機関だ。ヘザリントンなる人物が創立した機関だろう。

 惑星アルカデイィアのアルカディアとは「ユートピア・理想郷・牧歌的な楽園・理想的田園」という記号内容を指示する。ユートピアが人為的・幾何的な色合いが強いが、アルカディアは所与的な自然・代数的な変異可能な風合いが濃い。7つではなく6つの月をもつ惑星アルカディアの生態系たるや、入植した人間にとって既に与えられた過酷な所与として対座する設定だ。これから地球人類が何万年後かに移住する銀河系(天の川銀河)以外の銀河に移民するとすれば、ありない想定ではないだろう。銀河系内ではありえないのかと疑問が生まれるが、それは封印する。
とにかくトンデモナイ生態系が設定されている

 なにしろ52年に一度大増殖するプランクトン集合体<マインド>が、人間のテレパシー能力を増幅させるリレー効果をもっている。人々は催眠術にかかったように次々と血の海に飲み込まれ、マインドと共生する特殊な巨頭鯨の餌になっていく。巨頭鯨がマインドの子供を守ってくれるお返しに、マインドが餌を提供するのだ。
 ちなみに現代の地球では巨頭鯨すなわちゴンドウクジラはハクジラに属し、その名の通り歯をもち、魚などを食する。それに対して、ヒゲクジラはヒゲでプランクトンを濾して食す。しかしハクジラとヒゲクジラの分類は分岐進化上問題があり、今後見直される可能性が高い。
 マインドと特殊な巨頭鯨との共生を嫌がり、惑星アルカディアを出ていくものが多い。この問題を解決してやると称して、ヘザリントン機関がブロントメクと、あと近くの人間の無意識を反映して姿を変える無定形生物アモーフを伴いやってきたというのだ。

 どうもバロック時代のフランスの画家ニコラ・プッサンの代表作『アルカディアの牧人たち』が、墓石にラテン語で"Et In Arcadia Ego"(我はアルカディアにもある)と書かれているのを牧人たちが覗き込んで想いにふける様を描いている。尚、"Et In Arcadia Ego"(我はアルカディアにもある)は、並び替えると"I Tego Arcana Dei"(立ち去れ! 私は神の秘密を隠した!)となることから、聖杯への鍵とされている。」
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2#%E7%90%86%E6%83%B3%E9%83%B7)
という神話は、超遠未来から『ブロントメク!』が反響されて現出したとさえ夢想したくなる。

 “Brontmek!”が英国で出版されたのは1976年である。労働党政権による国有化政策などで、イギリス経済が衰退していたが、「衰退を決定的にしたのは第一次石油ショック後の1975年から1979年の労働党政権でした。不況とインフレが同時に進行するスタグフレーションを克服するために、労働党政府は労働組合の連合体であるTUC(労働組合会議)と社会契約(Social Contract)を結びました。これは政府が国有企業の労働者の雇用を守るかわりに、労働組合は賃上げの抑制に協力するというような内容でした。しかし、これには法的強制力がありませんから、労働組合は頻繁に山猫ストを行って石炭その他の生産をストップさせました。民心が労働組合と労働党政権から決定的に離反したのは1978年末から1979年始めにかけてのトラック運転手組合の長期ストでした。暖房用の灯油が配達されないので、国民は寒い夜を震えて過ごさなければなりませんでした。/こうしたことが原因になって、1979年5月の総選挙で労働党は敗れ、保守党のサッチャーが首相に就任しました。」
http://www.iuk.ac.jp/~itoh/britith.htm
 こうした社会状況を“Brontmek!”は色濃く反映し、超遠未来の時空に投射したのではあるまいか。
 なお主人公は惑星アルカディアの造船業者。ヘザリントン機関が雇った地球出身の美女スザンナと仲よくなっていく。このスザンナを通じて、<15-2>でとりあげる『カリスマ』
と関連が浮上する。

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