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2020年07月22日11:54

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ナチス党員で、ナチの優生学や人種衛生学を確立したノーベル賞受賞者の動物学者コンラート・ローレンツが大きく関わっている事は重要>

「腐敗の同様のプロセスは文明化された人間の中でも起きる」のではないかと疑い、恐れ始めた。1940年にケーニヒスベルク大学の心理学の教授となった。1941年にドイツ国防軍に徴兵された。ローレンツはバイクの整備士を望んだが、軍医として配属された。軍務についてすぐにソ連軍の捕虜となり、1942年から1948年まで捕虜収容所で拘束された。そのあいだも医者として働き、「ほとんどは医者だったが、何人かのロシア人ととても親しくなった」。解放された時、書きためていた本の原稿とペットとしていたムクドリを持ち帰ることを許された。ローレンツは「無傷の鳥と原稿を持って」アルテンベルクに戻った。原稿は『鏡の背面』に使われた。

   【略】

業績​[編集]

ティンバーゲン(左)とローレンツ(右)。1978年。
ティンバーゲンとともにローレンツは固定的動作パターン(本能行動)を説明するために生得的解発機構の概念を発展させた。二人は大きな卵や偽のくちばしが固定的動作パターンをより強く引き出すことができること(超正常刺激)を発見した。ウィリアム・マクドゥーガルのアイディアに影響され、ローレンツは行動の動機の「心理流体学的」なモデルを考案したが、それは1960年代に影響力があった「種の維持」論の傾向があった。エソロジーへのもう一つの貢献は「刷り込み」に関する研究である。

ローレンツの最も大きな功績は、動物行動の観察という当時は軽視されていた古典的な手法を厳密に用い、科学の名に値するものに仕立てたことである。生理学・解剖学などからはわからない、動物の行動を直接研究する分野が生まれることになった。その中で特に有名なのはニシコクマルガラスやハイイロガンの観察研究である。自ら様々な動物を飼育し、解剖したり傷つけたりするような実験は好まなかった。刷り込み現象の発見は、自らのハイイロガンの雛に母親と間違われた体験に端を発したものである。また、そのガンに関する写真集なども出している。だがその説に対しては、後にあまりにも擬人化しすぎているとの批判が向けられた。

ローレンツは、動物の行動は種を維持するためにあると考えていたが、その後、社会生物学の発展などにより動物の行動は種のためではなく自分自身のため(さらには遺伝子が生き残るため)であると解釈されるようになっていった。動物行動学は彼が第一線から退く頃には大きく変貌していたが、ローレンツは個体のためという新しい視点の受け入れには消極的だった。変革の立役者の一人であるE.O.ウィルソンは著書の中でローレンツらを論理が粗雑だと批判しながらも、動物の行動が生物の他の形質と同じように進化や自然選択の文脈で扱えることを我々に納得させたと評価している[1]。

政治的見解​[編集]

ローレンツは1938年にナチ党に入党しナチ体制下で大学の職を手に入れた。党への入党申請書には「私の研究の全てが国家社会主義思想のために捧げられると、私は言うことができます」と書いた。当時の出版物は、ナチへの共感によって研究が汚されているという非難を後に引き起こすことになる。その頃の出版物の中には疑似科学的な比喩によって表現されていたナチの「人種衛生学」への支持も含まれている。人生の終わり頃には立ち上がったばかりのオーストリア緑の党を支持し、1984年にはハインブルク・アン・デア・ドナウ(ドイツ語版)近くに建てられることになった発電所に反対する草の根運動を支持し、住民投票の象徴となった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%84#%E6%94%BF%E6%B2%BB%E7%9A%84%E8%A6%8B%E8%A7%A3


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『ナチスと動物』ボリア・サックス著 [2017年06月28日(Wed)]



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『ナチスと動物』ボリア・サックス著、関口篤訳、2002年、青土社


やはりホロコーストを扱った文書を、特に1冊本を読むのは精神的に辛い。
どうまとめたらいいのか? 写すのも気が重い。。

長崎大学の保坂稔教授の『緑の党政権の誕生―保守的な地域における環境運動の展開』に、この本の事が取り上げられていたこと、即ち議論の学術性が期待できる。そして自分の現場経験、特にシーシェパードやPEW、グリーンピース等々の環境NGOとの付き合いを通して、彼等が科学的というよりある種の「信仰」「思い込み」のようなカルト的怖さをもった集団、個人(一部学者を含む)である事を感じていたので、これを理論的に理解する事ができれば、と思い『ナチスと動物』を読む事にした。

ナチスが殺した人間の数は、スターリン、毛沢東のそれより少なく、黒人奴隷やアメリカ原住民の犠牲者よりも少ないが、特殊な怖さがある。(p. 257-258)

それは、ファシズムという政治的理由ではなく、「ある種の倒錯した生物学的/人種的思考を特にドイツの知識階級が広く受け入れた結果」(p. 11)であった。


この「倒錯した生物学的/人種的思考」について、読むのが辛くなるほど、ナチスと動物の個々の出来事を観察し、分析していくのである。
ナチス党員で、ナチの優生学や人種衛生学を確立したノーベル賞受賞者の動物学者コンラート・ローレンツが大きく関わっている事は重要だ。
コンラート・ローレンツは緑の党を立ち上げ支持し、戦後のUNESCO、IUCN、WWFの設立に重要に役割を果たしたジュリアン・ハクスリーと親しかった。
さらにこの本にはないが、イリオモテヤマネコの件で英国のフィリップ公を動かして日本の皇太子宛に手紙を書かせたポール・ライハウゼンと共著を出している、重要な情報のような気がしている。

Konrad, Paul Leyhausen Lorenz. "Motivation of Human and Animal Behavior an Ethnological View" 1973


以下、付箋を付けた頁の簡単なメモ。

p. 19 ホロコースト学やホロコースト専門と図書館までもある、という。しかしあの病理学を分析できる段階まで達していない。
p. 21 それはナチス研究が、アカデミックの極限に追いつめられ、神学と形而上学と図面のない領域しかない、極限状態。

p. 22-23 ナチスを理解するために動物が重要であることを気づいたのは作家のギュンター・グラス。
鼠や犬を介してナチスを語る。

P. 29 ナチス党員だったコンラート・ローレンツ 「我々にとって種族と民族性がすべて。ここの人間はいかなる意味もない。」

p. 42-45 ニーチェの自然観について語られている。人間の家畜化が文化。人間の深層は野生。ニーチェは病弱で、自然との出会いは恐怖と忘我恍惚の念。

p. 48 コンラート・ローレンツ 「肉食獣は、その破壊力を縄張りの内部にとどめる本能的な倫理性を備えている。これとは対照的に、鳩やウサギなどの草食動物にあっては、争いごとははるかに悪意に充ちている。」これはナチスの根源的神話「捕食獣は他の動物よりも自然に近く、さらに大きな生命力を備えている。」という捕食獣への偏愛という点で共通。


p. 52 なぜ、ナチスがドイツで生まれたか。現代の文学者エリアス・カネッティの次の文を引用
「ドイツから軍隊を奪ったヴェルサイユ条約をドイツ人は単なる屈辱以上のものとして感じている。それはドイツに対する第一義的なアイデンティティの否定でもあった。」

p. 54 ローマ人も畏怖したゲルマンの森の事が書かれている。千年以上にわたり、異教徒自然崇拝とユダヤ・キリスト教の精神性のあいだの相克がドイツの歴史の背骨を形成した。

p. 55-56 ルネサンスがイタリア、啓蒙主義がフランス、ロマン主義はドイツ。ロマン主義:絶対への憧れ、天才崇拝、自然に対する尊敬、遠い過去へのノスタルジア、情熱の高揚、科学への懐疑、芸術を通しての救い。これが米国やフランスとの違い。
ここに1992年のリオを主導したドイツが重なるように見えるが、どうでしょうか?

「温暖化交渉と海洋問題」
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1927

p. 61 ナチスはゲルマン族を中心とした小宇宙を構築。そこには一部の動物が含まれても、多くの市民が除外された。即ち犬の方が人間より価値が高い事がある。これが動物保護法の背景にあるのか?

p. 62 ハンナ・アーレントが引用されているので書いておきたい。
「全体主義の恐怖は、自然または歴史の力に、その運動を加速する比類のない手段を付加するらしい。(中略)自然が『生きる事に適応しない』種族または個人に宣告した死刑を、恐怖政治はその場で即刻執行する。」

p. 110−112 「ジャングルブック」と英国の植民地主義、ナチスの自然支配、集団虐殺等々との関連。主人公の少年はナチスに重なる。コンラート・ローレンツの子供のころの愛読書。

p. 120 米国の環境運動先駆者、アルド・レオポルドは1935年に林業を学ぶため渡独。ドイツは林業の先進国だった。レオポルドはドイツの自然保護運動に共感し、米国に自然保護協会を設立。ユダヤ主義と資本主義への反感、コミュニティへのあこがれ、ドイツの民族主義者との響きがあった。アメリカは原住民をほぼ根絶やしにし土地の豊かさを破壊していった、往時のイスラエルの民のように。

p. 136-140 ナチス体制は10年で崩壊したが、ナチスの狼礼賛の要素、レトリックはコンラート・ローレンツなどによって戦後も生き残っている。そしてローレンツの学者としての議論にも疑問を投げかける。しかも彼の誤謬がナチスの官僚組織と犬類の行動様式をつなげたのである。
火に油を注いだ狂った学者?ということであろうか。

p. 201 コンラート・ローレンツがどれほどナチスに関与したかは 1990年のウーテ・ダイヒマンの『ヒトラーの下の生物学者』が出るまであまり知られていなかった。ローレンツはナチスの人種政策局のメンバーでもあった。そして「重要な事」は1944年6月ローレンツがそソ連に捕まえられるまで、1942年からポーランド人との異種結婚によって生まれた児童の強制収容所送りに荷担していたこと。

p. 239-243 ホロコーストの語源。動物の供え物。「丸焼き」。この後も興味深い分析が書かれているが、写す気が起こらない。。。


感想:この本を読んでよかったと思っているが、途中個々の事例は読むに堪えず、飛ばさざるを得なかった。一番印象に残ったのが動物学者コンラート・ローレンツの存在だ。そして彼が、緑の党を支持し、WWFやIUCN等現在の環境保護活動を創設したジュリアン・ハクスリーと親しかったこと事だ。点と点がつながった、そんな感想である。
最初に書いたように、白人が主導する環境保護活動にはナチスの傾向ー「倒錯した生物学的/人種的思考」ーを感じる。感じるレベルで、まだこれを理論的に説明できない。しかし「鯨が、鮫がかわいそう。これを殺して食べる日本人には3つ目の原爆を落してやりたい」というPEWのような環境NGOの活動に、益々、ナチスが、ゲルマン民族が重なってくるのだ。









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Posted by 早川理恵子博士 at 23:01 | 海洋安全保障研究会 | この記事のURL | コメント(0)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://blog.canpan.info/yashinomi/archive/2074
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