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2020年01月29日10:52

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感染症のアウトブレイクの際の論文化のスピードは年々早くなっていますが、ついにここまで来たかと思うほどのスピードとクオリティで>

最新論文から明らかになってきた新型コロナウイルス感染症の特徴


忽那賢志 | 感染症専門医


1/25(土) 11:36


(写真:ロイター/アフロ)



この数日で一気に学術誌に新型コロナウイルス感染症に関する論文が掲載され始めました。

感染症のアウトブレイクの際の論文化のスピードは年々早くなっていますが、ついにここまで来たかと思うほどのスピードとクオリティです。

その中で臨床症状について詳細が記載されたものがありました。

これまでに明らかになっていなかった情報もいくつかありますのでご紹介します。

やや専門的な内容も含まれますが、できるだけ分かりやすく記載しました。

患者の特徴


2020年1月2日までに新型コロナウイルス感染症と診断された41人に関して、

・73%が男性

・32%が何らかの持病がある(糖尿病20%、高血圧15%、心血管疾患15%など)

・年齢の中央値は49.0歳(四分位範囲 41-58歳)

・66%に華南海鮮市場への何らかの接触があった

・41人全員に肺炎あり

・合併症として急性呼吸促迫症候群29%、ウイルス血症15%、急性心障害12%、二次感染10%などがみられた。

・32%が集中治療室に入室し、15%が死亡した

(TheLancet. A familial cluster of pneumonia associated with the 2019 novel coronavirus indicating person-to-person transmission: a study of a family clusterより引用)

15%が死亡、と聞くと今の報道よりも多いと思われるかもしれませんが、当初武漢で報告されていた41人の患者に関する報告であり、全員入院患者ですので重症患者が多いという特徴があります。

現在は軽症例も診断されている状況にあり、これよりも致命率はずっと低くなっています。

男性が多いのは、海鮮市場の関係者が多いことに起因しているものと思われます。

症状の頻度

新型コロナウイルス感染症の入院患者41人の臨床症状
新型コロナウイルス感染症の入院患者41人の臨床症状

報道にもありましたが、発熱の頻度は高いものの、熱が出ない症例も稀にあるようです。

頻度が高い症状は咳、筋肉痛・だるさ、痰、頭痛などです。

これは一般的な肺炎の臨床症状と大きく変わりありませんが、ウイルス性に起因するためか痰のある症例が少ない印象です。

半分以上の症例で呼吸苦が出現していますが、全て肺炎がある入院患者ですので、軽症例まで含めるともっと少ない可能性があります。

発症からの典型的な経過

発症からの典型的な経過
発症からの典型的な経過

発症してから入院し、重症化するまでの典型的な経過についても分かってきました。

発症からしばらくは症状は軽く、発症から1週間くらいで症状が強くなり入院、8日目くらいに呼吸苦が出現、重症例では9日目くらいから急性呼吸促迫症候群という合併症を起こし、10日目以降に集中治療室に入室するという経過のようです。

これも重症例が中心である点を差し引いて解釈する必要があります。

海鮮市場との接触について

海鮮市場との接触と発症日について
海鮮市場との接触と発症日について

海鮮市場との関連が当初から指摘されていましたが、海鮮市場との接触があるのかどうかと発症日についても記載されていました。

最も早く、12月1日以前に発症していた患者は海鮮市場との接触はなかった、とのことですが、12月10日以降の症例では海鮮市場との接触のある症例が増えており、12月23日に発症者数がピークを迎えています。

海鮮市場との接触のない人も発症していることからは、すでにこの時期から人から人への感染が起こっていた可能性が示唆されます(別の論文では感染から発症までの潜伏期は7日未満と推定されています)。

臨床症状についてまだ明らかになっていない点

重症例の報告が中心であり、どれくらいの頻度で軽症例がいるのか

今診断されている患者は氷山の一角かもしれない
今診断されている患者は氷山の一角かもしれない

こうした新興感染症の特徴として、重症例から先に診断され、後に軽症例が見つかってくる特徴があります。

これは原因精査は重症例が多数出たときに開始されるものであり、自然治癒する軽症例は原因が不明であっても検査は行われないためです。

今回発表された内容は重症例が中心ですが、軽症例の頻度、あるいは感染しても症状が出ない症例がどれくらいの割合でいるのかが明らかになるまではもうしばらくかかるものと思われます。

その頃には軽症例が増え、今の致命率(2-3%)よりも低くなっているのではないかと予想します。



忽那賢志
感染症専門医


感染症専門医。2004年に山口大学医学部を卒業し、2012年より国立国際医療研究センター 国際感染症センターに勤務。感染症全般を専門とするが、特に新興再興感染症、輸入感染症の診療に従事し、水際対策の最前線で診療にあたっている ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません

・kutsunasatoshi




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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200125-00160270/



■やはり起きたヒト・ヒト感染 すでに拡大?感染力低い?
(朝日新聞デジタル - 01月28日 23:51)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5952723
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