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2016年01月09日23:43

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病原たんぱく、血液で全身へ>というのだが、

平成28年1月7日

京都大学
科学技術振興機構(JST)

ピロリ菌由来病原タンパク質CagAを全身に運ぶ小胞を発見

〜ピロリ菌感染による非消化器疾患の発症メカニズムの解明へ〜


ポイント
ピロリ菌感染胃がん患者の血液中に存在する小胞(エクソソーム)にピロリ菌が持つ病原タンパク質CagAが含まれることを初めて明らかにした。
CagAはエクソソームとして血液を通して全身に運ばれ、心疾患や血液疾患、神経疾患など胃以外でも疾患を発症させる可能性があることを見いだした。
胃でのピロリ菌感染が胃がん以外の全身疾患を引き起こすメカニズムの解明の糸口となることが期待される。


JST 戦略的創造研究推進事業において、京都大学 大学院工学研究科の秋吉 一成 教授らの研究グループは、ピロリ菌注1)の病原タンパク質CagA注2)が細胞外小胞エクソソーム注3)に含まれることを初めて明らかにし、血流に乗って全身に運ばれることを見いだしました。

ピロリ菌に感染するとCagAが胃上皮細胞内の分子と結合し、がん化を促進することが知られています。最近の研究では、ピロリ菌感染は心疾患や血液疾患、神経疾患などの胃粘膜病変以外のさまざまな全身疾患の発症に関わることが示唆されていますが、そのメカニズムは明らかになっていません。

研究グループはピロリ菌感染胃がん患者の血液中に存在する150ナノメートル程度の大きさのエクソソームにCagAが含まれることを発見し、CagAを発現する胃上皮細胞からCagAを含むエクソソームが分泌されていることが分かりました。さらに、このエクソソームは他の細胞内に入って生物活性を発揮することを明らかにしました。

近年、細菌やウイルス、寄生虫による感染症で、微生物由来の病原因子がエクソソームによって運ばれるという報告があり、感染症とエクソソームの関係が注目されています。本成果は、エクソソームがCagAを輸送する生体由来の運び屋として機能することを明らかにし、胃でのピロリ菌感染が全身で疾患を引き起こすメカニズムの解明の糸口となることが期待されます。

本研究は、東京大学 大学院医学系研究科の畠山 昌則 教授、神戸大学 大学院医学系研究科の東 健 教授、公益財団法人がん研究会の植田 幸嗣 グループリーダーとの共同で行ったもので、英国のオンライン科学雑誌「Scientific Reports」で1月7日(英国時間)に公開されます。


本成果は、以下の事業・研究領域・研究課題によって得られました。

JST 戦略的創造研究推進事業


研究プロジェクト
「秋吉バイオナノトランスポータープロジェクト」

研究総括
秋吉 一成(京都大学 大学院工学研究科 教授)

研究期間
平成23年10月〜平成29年3月

日本学術振興会 科学研究費助成事業


研究課題名
「新学術領域研究(研究領域提案型)」感染・炎症が加速する発がんスパイラルとその遮断に向けた制がんベクトル変換(領域略称名「発がんスパイラル」)

研究代表者
畠山 昌則(東京大学 大学院医学系研究科 教授)

研究期間
平成22〜26年度

<研究の背景と経緯>

世界の総人口の約半数はピロリ菌に感染しているといわれ、日本人でも年齢が上がるにつれて感染率が高まることが知られています。中でも、病原タンパク質CagA(以下、CagA)を持つピロリ菌(CagA陽性ピロリ菌)に感染すると、胃がんを始めとする胃粘膜病変を発症することが分かっています。IV型分泌装置注4)と呼ばれるピロリ菌表面のとげによって、CagAが胃の細胞へ注入されると、細胞内のシグナルが撹乱され、がん化が促進されるためです。日本人が感染しているピロリ菌のほぼ100%はCagA陽性ピロリ菌であると認められています。

最近の疫学研究では、ピロリ菌、とりわけCagA陽性ピロリ菌と、心疾患や血液疾患、神経疾患などの全身疾患との関連を指摘する報告がなされています。2010年には血液疾患である特発性血小板減少性紫斑病(ITP)注5)のピロリ菌除菌による治療が保険適用になり、除菌による疾患治療への有効性に注目が集まっています。一方で、胃粘膜に感染するピロリ菌が胃以外で疾患を引き起こすメカニズムについては分かっていません。

   【略】

<用語解説>
注1) ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)ヒトの胃にすみつく、らせん状の細菌。感染すると慢性胃炎を起こし、その後胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんへと進行します。

注2) CagAピロリ菌が作り出す病原タンパク質【?】の1つです。

注3) エクソソームほぼ全ての細胞が分泌している30〜200ナノメートル程度の小胞を指します。血液、尿、唾液、母乳などに含まれ、エクソソームを分泌した細胞由来の情報を受け手側の細胞に伝える役割を果たします。がんの転移や進行に関わっているとされ、治療、予後診断、バイオマーカーなどさまざまな応用研究が盛んに行われています。

注4) IV型分泌装置細菌が毒素を分泌するのに用いる装置の1つです。ピロリ菌の表面にある、とげのような形をしたこの分泌装置によりCagAは細胞内へと取り込まれます。

注5) 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)免疫反応の異常により、血小板の数が減少し出血しやすくなる病気です。ピロリ菌陽性ITP患者の5〜6割でピロリ菌除菌療法による血小板増加が確認されています。

注6) マイクロRNA細胞内にある小さなRNAのことで、遺伝子の発現を調節する役割を持ちます。細胞の増殖やがんの転移などの現象に深く関わっていることが知られています。

注7) 液体クロマトグラフィー質量分析装置(LC-MS/MS)血清や尿などのいろいろな種類のタンパク質が多く含まれた生体試料中から目的のタンパク質を高感度に検出する際に使用します。タンパク質をトリプシンという酵素で細かく断片化し、これを分離して質量分析にかけ、データベース検索により目的のタンパク質を同定します。一度の分析で多種類のタンパク質を同定できます。

注8) リン酸化プロテインキナーゼという酵素がタンパク質にリン酸基を付加することをいいます。リン酸化することでタンパク質の機能がオンとなり、細胞内シグナル伝達に関与して細胞の増殖、分化、運動能などを調節します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160107/#YOUGO2




ピロリ菌の病原 血液で全身へ
2016年1月9日(土) 21時44分掲載 .


病原たんぱく、血液で全身へ=ピロリ菌、胃がん患者で発見―京大など

 胃の粘膜に感染し、胃潰瘍や胃がんを起こすヘリコバクター・ピロリ菌の病原たんぱく質が、血液により全身に運ばれることが分かった。京都大と東京大、神戸大などの研究チームがピロリ菌に感染した胃がん患者の血液を調べて発見し、9日までに英科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。(時事通信)
[記事全文] .

胃以外でも疾患を発症させる可能性
ピロリ菌由来病原タンパク質CagAを全身に運ぶ小胞を発見京都大学 科学技術振興機構(JST)(2016年1月7日)
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー以上転載ーー
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6186992
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