ラビリンスワールドの政治学 連載開始にあたって−−ガイダンス−−
萩 原 能 久
【略】
政治学の世界の中で、どう見ても傍流中の傍流、いや外道・邪道にすぎないくせに、時たま無意識の内にしてもこのような幻想の誘惑に引きずられている自分に気づき、唖然となる経験は一度二度ではない。自覚が難しいだけに難物であるこの「プラトン的な夢」を打ち砕き、あくまで万人がお互いに対等な「市民」の立場で政治学という学問を形成していくこと、これもこの学問の重要な課題であろ
う。
【略】
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、「政治学」を「家政学」と同じカテゴリーの学問であるとしていたので、早とちりな人は当時は政治学も花嫁修行科目の一つであったと思うかもしれない。事実は逆で、当時の「家政学」こそ、今日のそれと似ても似つかない(などと言うと家政学者からお叱りを受けそうだが)重要な実践学だった。ポリス(都市国家)における社会生活のの基本単位である家(オイコス)を管理・運営できてはじめて公的なものに献身する市民たりえるからである。
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