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mixiユーザー(id:34660510)

2011年02月02日02:49

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コード・チェンジ

 転調の多い楽曲が好きだ。目の前の風景が鮮やかに切り替わっていくようで。20代の時期はコード展開の妙にばかり耳が傾いたものだ。スティーリー・ダン、トッド・ラングレン、プリファブ・スプラウトなんかがお手本だったな。もちろん、彼らがアイディアの源泉としたであろうバート・バカラックなんかも参考になった。バカラックはダリウス・ミヨーの弟子だったから、そこからフランスの六人組にも入っていけた。そうそう小沼純一『バカラック、ルグラン、ジョビン 愛すべき音楽家たちの贈り物』(平凡社, 2002)って本があったけれども、思えばバカラックもミシェル・ルグランもアントニオ・カルロス・ジョピンも、転調の達人だった。
 ついでに白状するけど、コード一発のおもしろさを理解し始めたのは、つい最近のことなんだよ。

 巧いなあ、ほれぼれするなあと、転調ばかりに気を取られていたけど、ほんとうに凄いのは、さりげなく、ちょっと聴いただけでは気づかれないような、微妙な効果をもたらす変化だ。
 それでも音楽の構造上では、確実に調が変わっているといったような。
 ホラやっぱり、音楽を文章で説明するのってやっぱり難しい。実際に聴いてもらうのが一番手っ取り早い。


 というわけで、【今日の一曲】は、
                    ポール・マッカートニーの“C-Moon”です。
 まあ、Aメロは通常の循環コードに枝葉がついただけなんだけど、Bメロに耳をそばだててください。
 キーをCとすると、2小節間Dm−Cときて、二拍Gが挿入されたのちGmに同主調転調する。ここがミソ。
 DmーC−GーGm(ah~ah~ah~)、このGmがあるからこそ陰影が加わり、次のD7ーG7という借用和音を経過してのドミナントへ解決にいたる道筋が映えるという仕掛け。
 たぶんポールは、そういった企み抜きで、ピアノで遊びながら作ったと思うよ。
「さて、レゲエのリズムでなにかこしらえようか。うーん、ちょっと単純すぎるかな、どれ、このへんちょっぴりコードいじくってみよう。ああこれだこれ、こんな感じでどうかなリンダ?」
 曲調の端々からうかがえる、限りない自由さというか開放感が、このシングルB面の曲を、ポールの(ビートルズ解散後の)代表作のひとつに数えられるゆえんになったのだと、ぼくは考える。
 いつもより長くなりました。それでは聴いてください。


 そういえば、英国のプログレッシブ・ロックのグループ、キャメル(Camel)に、“chord change”ってインスト曲があった。言うほどチェンジしないんだけど、じつに和むよ。
  http://www.youtube.com/watch?v=6vrAWeYtP04&feature=player_embedded
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2011年02月02日 14:55
    こんにちは♪

    初めてコメントさせていただきます。
    その初めが、"C-Moon"にあたるなんて驚くやら嬉しいやら♪

    実は、昨夜日記を遡って読ませていただき、ミルトン・ナシメントのところでコメントを書かせていただこうと思っていたのですが、仕事疲れでぐったりしていまして(というわけで今日は半日で終わりにしました♪)明日また……ということで訪問したしだいです。

    いや〜運が良いというか嬉しいです♪

    僕のハンドルネームとして使わせていただいているC-Moonですが、楽しい軽快な曲ですね。
    夏天空さんの解説にも、「なるほど!」とはまりました。遊び上手なポールの姿が浮かんできます。

    僕にとって印象深いC-Moonですが、伊豆の南端の伊浜という小さな漁村の海と空を見渡せる丘の上に「シー・ムーン」というプチペンションがあります。
    僕が行った20数年前は、一日中ビートルズとポールの曲が流れ、朝食と夕食の始まりにC-Moonが流れていました♪
    ビートルズ・ファン、ポール・ファンには最高のペンションでした。

    港に揚がったばかりの魚介類を使った、オーナー・シェフによる仏料理。
    碧い海。爽快な風。降るような星空。C-Moonのメロディを口ずさみながら見上げるベニスのゴンドラのようなcrescent moon……

    経営者が同じかどうか、今でもC-Moonが流れているかどうか分かりませんが、ペンション「シー・ムーン」は、今も同じ場所に在るようです。

    プレゼントをいただいた気分です♪ありがとうございました!


    *ミシェル・ルグラン、アントニオ・カルロス・ジョピン、キャメルにもビビッと反応しました♪
    特にキャメルです。



  • mixiユーザー

    mixiユーザー2011年02月04日 02:38
    Here comes the C-moon. ようこそお越しくださいました。

    C-Moonさんの日記を、過去からさかのぼって読んでいますが、凄い・素晴らしいのつぶやきをパソコンの前で連発しています。2006年から一個ずつ、イイネ! をつけていきたいくらいに。マイミクになっていただいて、ホントに嬉しいのです。


    1962年生まれのぼくは、ビートルズがきっかけで音楽に目覚めました。青盤、リボルバーと続けて聴いて、何だなんだコレハと目を白黒させました。1974年、中学一年生の夏です。
    ジョンとポールに刺激され、拙いながら曲を作り始めました。周囲は陽水や拓郎などのフォークが全盛だったけど、ぼくだけビートルズ、しかもアコースティックギターではなく、ピアノで。しかし疎外感はなく、ひたすら楽しかった。ピアノを好き勝手に弾き、覚えたてのコードに節をつけて歌うことが、やたらと。
    そのころ創作のヒントになったのが、「アフター・ザ・ビートルズ」というシンコーミュージックから発行されていた楽譜。69年から72年までのB4のソロ作品を網羅したコード&メロディー譜でした。
    近所の楽器屋で、ぼくは中身をろくに確かめもせず、それを買いました。帰って中を見ると、ほとんど知らない曲ばっかり(笑)。でも返品する道も知らず、そこに載った音譜とコードネームを頼りに、どんな曲なのだろう? と想像しながら弾いていた。そしてのちに、『ジョンの魂』や『ラム』や『オール・シングス・マスト・パス』を実際に聴き、自分の想像があっていたかどうかを、確認していったのです。
    『バック・シート』でドリアンの動きを、『アンクル・アルバート』でアッパー・ストラクチャー(分数コード)を、『ワー・ワー』でディミニッシュスケールを、そんな名称があることを知らないまま、たんに心地よい響きとして習得していったのです。
    それはまさに「発見の日々」でした。そうした興味深い和音を覚えるたびに、ぼくは不格好な新曲を発明し、テープに収録し、周囲の友人たちに聴かせてまわった、迷惑も顧みず。
    そして、もっとも惹かれたのが、ジョン・レノンでした。
    たとえば『リメンバー』の前奏、C-A-C-A。ああいうコード進行が、完全に他と違う「掟破り」だということは、楽理の知識のない当時のぼくでも、なんとなくわかっていました。いや、いまだに解明できませんけどね。
    ただし、ああいう平行移動の使い手は、ぼくが知る限りジョン・レノン以外にも三人います。
    オーティス・レディング、マーク・ボラン、カート・コバーン。

    いまにして思えば「アフター・ザ・ビートルズ」で獲得したものは、コード進行のみならず、ぼくの表現活動の全般におよんでいるように思えます。


    “C-Moon”の曲について、話を戻すと。
    歌詞に“moon”や“sea”についての「説明」がほとんど無いのにもかかわらず
    、海に浮かぶ月の情景を、ありありと思い浮かべられる。
    歌詞や旋律やコードの分析だけではとうてい解明できない秘訣ですが、ポール・マッカートニーの天才を、そこに感じますね。
    さて、伊豆のペンションの窓辺から眺める月は、どんな具合なんでしょうか? 愉しい想像です。

    月に関する名曲は、枚挙にいとまがありませぬ。上記のキャメルなんかも、そうとう「月狂い(Moonmadness)」ですよね。このアルバムには『ルナ・シー』も収められていますし。
    プログレッシブ・ロックの叙情的なアルバム群を聴くと、ぼくはこころ穏やかになります。キャメルはとくにそうで、聴いてるうちになんだか、自分が優しくなっていくように感じるのです。
    もっともニック・ドレイクの“ピンク・ムーン”みたく、聴くたびにこころがヒリヒリする歌もありますが・・・・・・

    長くなりました。このへんで切りあげます。それではまた。

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