緊急停止ボタン、いわゆる緊停の話。
その機能上、すぐに押せなければ意味がない、だが、すぐに押せるということは誤操作しやすいということでもある。この二律背反が考え所。
大型の設備ならまあ制御盤にあればまず問題はない。
難しいのはむしろ中、小型の設備。なぜならば、これらはその設備の周辺に恒常的に作業員がいる場合が多いからだ。
誤操作しても簡単に復帰できるようにする、というのもひとつの手段だが、長いラインの一部、特に前後の部署に繋がっている場合はそうもいかない。再起動させる時に安全確認が難しくなるからだ。
誤操作を防ぐために押しにくくするというと、今度はリスクが跳ね上がる。
ものにも依るが、いざというとき緊停は一秒を争う装置なのである。一秒で爪で済むところが指、指で済むところが手首、手首で済むところが腕、腕で済むところが命、ということが往々にしてあり得る。
結局は状況を見て最適な塩梅を見いださねばならないのだ。
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