mixiユーザー(id:345319)

日記一覧

柳田国男は、自らも認めるようにイギリスのタイラーやフレーザーらの進化論者の影響を強く受けている。だから人類の精神の斉一性を前提としている。人間であれば、文明人であろうが野蛮人であろうが、日本人であろうが中国人であろうが、みな同じ精神構造を有

続きを読む

創造と模倣
2019年05月27日23:00

柳田国男に関する研究ノートが相当たまっているが、自分の専門とでもいえる分野なので、一般向けの話に落とすのがなかなか容易じゃない。そうはいっても、蔵にしまい込んでおいても仕方のない話であるから、少しずつでも出していこうと思う。「文化(カルチャ

続きを読む

日本のグローバル人材2
2019年05月22日17:51

グローバル人材とくれば、まずは英語がペラペラでないとならない。だけど、単に英語のおしゃべりがうまいだけじゃグローバル人材には足らない。それに見合った内容が伴わなければならない。国際的な文化人たちと対等に渡り合うだけの教養がなければならない。

続きを読む

大人の絵本
2019年05月21日17:09

ケチにな親たちに財布の紐を緩ませる手段として、驚くほどさまざまな子供向け商品が作られるようになっている。その起源は必ずしも古いものではないが、少子化も手伝ってか、一人頭の支出を増大させようとばかり、各社とも新手の子供向け商品の開発に余念がな

続きを読む

頭にのせた赤ずきん
2019年05月18日18:10

イギリスの人類学者フレーザーは、『金枝篇』のなかで呪術の原則として「類似の原則」と「接触の原則」を挙げている。類似の原則とは、似たものは似たものを生むということである。例えば、雨を降らせたいときに、水を撒き散らす呪術がある。後者が前者と似た

続きを読む

死と政治
2019年05月12日11:57

死と政治というのは自分が長いこと論文にしようとしていたテーマである。数年前のちょうど今頃書き始めたのだが、大学に巣食う「学問の敵」どもからとんでもない邪魔が入って、そのままになってしまった。もう自分にはこれを完成する力は残されていないが、こ

続きを読む

煩悶青年たち
2019年05月09日23:51

いつの時代でも青年は多かれ少なかれ煩悶する。青年とは社会の入口に立つ者である。いかに身を処すべきかと考え始めると、それに続いていろいろな問いが連なってくる。子供のときには浮かびもしなかったし、大人になってしまえばどうでもよくなってしまうよう

続きを読む

現代戦争の宗教的起源
2019年05月07日23:27

1911年に漱石は書いている。「夜番の為に正宗の名刀と南蛮鉄の具足とを買うべく余儀なくせられたる家族は、たくあんの尻尾をかじって日夜あくせくするにもかかわらず、夜番の方では頻りに刀と具足の不足を訴えている。われらは渾身の気力を挙げて、われら

続きを読む

学問のすゝめ 令和版
2019年05月05日13:23

気がつけば、腰を据えて学問をやろうと決めてから十五年が経つ。もうそんなになったか、時のたつのは速いものだという意外の感もあるが、改めて思い返すと、随分遠くまで歩いて来たという気がしなくもない。何となれば、今の自分は十五年前の自分ではない。成

続きを読む