mixiユーザー(id:345319)

2017年10月03日16:52

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保守とリベラルの「キミがいないとボクも…」なカンケー

総選挙に絡んで、あちこちでまた「保守」やら「リベラル」やらというラベルが飛び交っている。

なかには噴飯ものの用法もなくもないが、イデオロギーが終焉したはずの現代に、人々が再び自分のイデオロギーを意識するようになっているわけで、ただ笑い飛ばしているわけにもいかん。

保守もリベラルも互いに水と油の関係だと思い込んでいて、まるで異なる惑星からやって来た人たちのようにいがみあうのは日本にかぎった話ではない。

しかし、現実の保守とリベラル・革新のカンケーはもう少し複雑でありそうだ。

昔、授業の課題で各国における価値観の世論調査結果について調べたことがある(厳密にいうと、保守―リベラル・革新という区分けでではないのであるが、この文脈ではほぼそれに該当する)。

私は先進国における世代間の価値観の違いに注目したのであるが、ある事実が目を引いた。

西ヨーロッパ諸国における価値観は、戦後世代がもっとも保守的で、若くなるにつれてリベラル・革新が増えてくる。ただし、いちばん若い世代には再保守化の兆しがみられる。

これに対して、米国と日本は戦後世代がもっともリベラル・革新で、若くなるにつれて一貫して保守化しているのだ。

この違いを説明するために立てた仮説はこうだ。

保守(いわゆる右翼ではなく、伝統を重視する「真正」保守。教会というのがその支持基盤となる)が政党政治に参加し、政治勢力として確立していたヨーロッパ諸国では、それに対抗する必要からリベラル・革新政党もまた成長した。

そうした保守勢力がもともと弱かった米国と日本では、リベラル・革新勢力も成長しなかったか、相対的に保守的なものとなった。

両国で戦後にリベラル・革新が一時的に増加したのは、おそらく大戦という非常事態の影響が大きい。日本では、敗戦の衝撃から、戦前に弾圧されたリベラル・革新陣営に好意をよせる人が増える。

が、近代日本には貴族やら教会やらという、保守思想の母体になったような存在が欠けていたため、保守政治勢力というライバルを欠く。それゆえに、戦争の記憶が薄れるにつれて次第に保守に回帰していく。

自由民主党という今となっては洒落としか思えない名前も、保守化したリベラルと考えれば納得がいく。政党というもの自体が何らかの形で自由民主主義勢力であった時代の名残なのである

この仮説が正しいとはまだ証明できないが、保守勢力の強さと革新勢力の強さがときに比例することは指摘されている。

日本については、自称「保守」とは明治国家という維新の革新の産物を右と左からの攻撃から守ることを使命としたのであるが、それゆえに「保守の皮をかぶった革新」であり(私としては「保守化した革新二代目、三代目」という呼び名を提案したい)、「真の」保守は不在であったことが指摘されている。

強い保守がないと強い革新も生まれない。逆に、強い革新がないとまた強い保守の意味もない。

イデオロギー対立というのはあまりいいイメージはないのであるが、少なくとも敵愾心をを燃えたたせ、一般の人々の目を政治に向け、政治における選択肢の幅を広げた功績はある。

互いに切磋琢磨し、なんていうときれいごとにしか聞こえんのだが、ちゃんと選挙による政権交代が機能しているならば、互いの行きすぎを牽制し合い、慢心を戒め合うという役割もあった。

それがただのラベル張り合戦に堕してしいるのが、今日の日本の保守・リベラル論争なのである。

言ってみれば、保守にもリベラルにもなりきれない中途半端な人々が、あることないことでっち上げては憎まれ口の材料にして、無理に溝を深くしているのである。

誰がこんな論争で得をするのかよくわからんのだが、わからずに踊らされるというのがイデオロギーのイデオロギーたる所以だとすると、この論争の裏にも何か見えにくいイデオロギーが働いているのかもしれない。
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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2017年10月03日 22:25
    イデオロギーって最終的には信じる信じないの話しになってしまいますよね。正直、私も自分の政治嗜好はよく分からないです。基本的にはリベラルを支持しますが保守にも共感するところはあります。只、mixiで活発にやり取りされる政治の話しはあまり面白くないです。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2017年10月05日 10:42
    イデオロギーもいろいろな意味があるのですが、一般的な(マルクス的)な理解だと、現状を正統化する役割を果たす思想体系みたいなものなので、信じる、信じないという前に意識されにくいものみたいです。つまり、オレはイデオロギーだと看板を掲げているようなものは実は真のイデオロギーではなく、あの動いたチーズの話みたいに、隠れて働くものかもしれません。

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