「若さ」第603号
※ 風雲・潮流 ※
四つ巴の総裁選挙
政変と満月
中秋の名月が見られるように(21日)、コロナ禍が早く鎮静化するように、少しは明るい世相になるように、・・・・・ 政変という不安材料があるのに、何故か株価が上昇しているという(9月15日・朝日新聞)。
「菅義偉首相が総裁選への立候補を見送ると3日に表明して以来、直近8営業日で
2100円値上がりした。」
「14日の日経平均株価の終値は前日より222円73銭高い3万670円10銭で、(1990)8月以来、約31年ぶりの高値となった。」
「自民党総裁選の立候補予定者の経済政策への期待感や新型コロナウイルスのワクチン接種の進展などを好感し、買いの動きが広がった。 日本株が今春以降、欧米株より伸び悩んでいたことも買いの材料になった。」 と報じている。
経済政策においては、菅内閣といっても安倍内閣の延長線上にあって、長期にわたるゼロ金利政策など(日銀・アベノミクス)が果たして日本経済に効果があったのか。
このところの株価上昇は、政変による経済政策の改善にも期待する動きとも感じられる。 暗く重苦しい世相の続く中、せめて満月でも見上げたいものです。
四つ巴の総裁選挙
8月22日の横浜市長選挙において、山中竹春(48)候補が圧勝したこと等から秋の衆院選に向けても野党連合の鼻息が荒く勢い付いていた。
一方、自民党では、菅総理の地元で菅内閣の現職大臣を辞任してまで、市長選に臨んだ小此木八郎(56歳、衆・当選8回)候補が惨敗したこと等から、このままでは総選挙は戦えないという危機感が高まった。
総裁選への意欲を固めていた菅首相が9月3日、総裁選不出馬(菅内閣の退陣)を表明したことから、自民党の新体制(総裁選)と総選挙への対応という大きな動きとなった(旧来の派閥の対応が機能しない)。
9月17日(金)既に総裁選に向けて活動を始めていた(対・菅総裁だった)岸田文雄・前政調会長をはじめ、4人が総裁選に立候補しました。
17日・告示、 自民党本部で河野太郎(58歳)、岸田文雄(64歳)、高市早苗(60歳)、野田聖子(61歳)、4候補者が所見発表演説会を行った。
今後、9月29日(水)の投開票に向けて選挙戦が展開される。
総裁選は、国会議員票:383票と、党員・党友票(地方票):383票の計766票で争われる。
1位が過半数に達しない場合は、上位2人が決選投票となり、国会議員票:383票と、47都道府県連各1票の計430票で総裁決定となる。
今回の総裁選の特徴として、旧来の派閥の代表が選挙戦を調整して票の割り振りをすることは無く(出来ず)、同派閥でも2者を、或いは自主投票となっており、獲得票の予想が難しいこと、また、候補者が4人となったことで、過半数を得る候補者が無く、決選投票となる公算が大きいと予想される。
総裁選立候補締め切り直前に石破茂元幹事長の不出馬表明、野田聖子氏の出馬表明は今回の総裁選の流れを変える大きな要因ともなる。
ただ従来の派閥調整型でないだけに、決選投票での票読みも困難でしょう。
党員でなくとも、次の総理となる人の選挙であって、注目する必要がある。
今後の予定としては、10月4日(月)に臨時国会を招集、所信表明演説と各党との代表質問が予定されている。 以下、総裁選・立候補者・届出順。
河野太郎58:行革相(コロナ予防ワクチン)、衆・当選8回・神奈川15区。
岸田文雄64:前政調会長、安倍内閣・外相。衆・当選9回・広島1区。
高市早苗60:前総務相、安倍内閣・特命大臣。衆・当選8回・奈良2区、
野田聖子61:幹事長代行、安倍内閣・男女参画。衆・当選9回・岐阜1区、
以上。
※ 決選投票の例 ※
平成24年(2012)9月26日
1回目の投票:石破茂(国会議員票)34,(地方票)165,合計199票。
安倍晋三 (同上) 54,(同上) 87,合計141票。
決選 投票 :安倍晋三 (国会議員票・地方票・47) 合計108票。
石破 茂 (国会議員票・地方票・47) 合計 89票。
この時も、石原伸晃、町村信孝、林芳正、候補者5人で1回目の票が分散。
平成24年12月26日 第2次・安陪政権復活、令和2年9月16日まで歴代最長の長期政権となった(引継いだ菅内閣は1年で終わった)。
・以上・
コロナ対策・緊急事態の拡大延長の効果
9月30日までの「緊急事態宣言」など解除出来るか(菅総理への花束)。
感染者数が減少している(ワクチン効果)。 一方、感染者の若年化、医療施設の逼迫などが懸念される。 新型コロナの発生、冬季に向けて油断禁物です。
※ 期待するのはワクチン接種の早期拡大、全国規模の鎮静化です。※
コロナ感染者の状況
9月17日(金)現在の感染者数 ()は当日の感染者
全 国
9月17日(金)、166万9940人( 5095人)死者1万7122人
北海道 5万9572人 (17日・ 84人) 死者1465人
東 京 37万0563人 (17日・ 782人) 死者2761人
愛 知 10万2885人 (17日・ 581人) 死者1095人
大 阪 19万4707人 (17日・ 735人) 死者2905人
福 岡 7万2793人 (17日・ 161人) 死者 594人
沖 縄 4万8424人 (17日・ 185人) 死者 282人
世界の状況 9月17日 現在
世 界 2億2707万0462人 死亡者:467万0479人。
米 国 : 4178万5979人 死亡者: 67万0009人。
インド : 3338万1728人 死亡者: 44万4248人。
ブラジル: 2106万9017人 死亡者: 58万9246人。
※ 季節の句 ※
敵といふもの 今は無し 秋の月 高浜虚子
月光の 縁どってゐる 籐椅子かな 大久保橙青
里山や 虫とりの子ら 彼岸花 若さ
高浜虚子(タカハマ キョシ) 本名:高浜清
明治7年(1874)2月22日〜昭和34年(1959)4月8日 85歳没。
愛媛県温泉郡出身。明治21年伊予尋常中学(現・松山東高校)入学。正岡子規に俳句を師事。明治24年(1891)子規より虚子の俳号を授かる。
俳誌「ほとゝぎす」を引き継ぎ東京に移転。明治35年(1902)子規の最期を看取り、俳句を辞めて小説に没頭。 明治43年、鎌倉市に移住。
昭和29年(1954)文化勲章受章。 昭和34年・勲一等瑞宝章。
大久保橙青(オオクボ トウセイ) 本名:大久保武雄
明治36年(1903)11月24日〜平成8年(1996)10月14日
92歳没。
熊本市出身。 第五高等学校(熊本)から昭和3年・旧制・東大法学部政治学科卒(東大俳句の会で高浜虚子に師事)。 逓信省に入省。
20年5月19日・旧運輸省設置(逓信部門分離)。8月5日、運輸省中国海運局長で広島に赴任。6日、広島に原爆投下さる。 宇品へ移動中で被爆せず、海運局職員19人が死亡(大久保局長は連日被爆地へ通った。原爆死没者名簿にも登録されている)。 23年5月1日、海上保安庁 初代長官(2年間)。衆議院議員(昭和28年〜47年)当選7回。
39年7月運輸政務次官 49年11月第2次田中角栄内閣・労働大臣。
52年海上保安協会会長。
53年勲一等瑞宝章。59年回想録「霧笛鳴り止まず」。62年4月、日本伝統俳句協会の創立に尽力、副会長に就任。
「 若さ」第603号 ・以上。
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