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2020年01月26日09:19

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山の魅力(その3)

一般的な「山の魅力」(その3)


山の風景は美しい。アルプスやヒマラヤのように純白の雪をかぶって、神々しく天を突く山の姿は、おのずと人間の崇高な感情を抱かしめる。神に出会ったときの敬虔感情も、かくなるやと思わしめるものがある。いや、そのような容易に人をよせつけることのない孤高の山との出会いは、崇高な感情、といったよそよそしいものではなく、全身がわなわなと震えるような強烈な肉体感覚をともなった、一種の宗教的体験と言った方がよいかもしれない。そんな山の不思議な魅力に取り憑かれて、どれほど多くの人間が山で命を失っていったであろう。
また、そんな聳え立つほどの高さがなくとも、日本ならどこにでもある里山のように、その瑞々しい緑に覆われた穏やかな山並みに、魂が揺さぶられるような深い郷愁を覚えた経験は、誰にでもある筈だ。低くて小さい丘のような山でも、妙に存在感のある山もある。そのような山を故郷を想い出すのである。
https://www.youtube.com/watch?v=_C_WIGih-V8


今やこの文部省唱歌をいつでも歌えるというのは、中高年層に限られるようになったのだろうか。それにしても日本人は実際の出身地とは無関係に、山と故郷のイメージを重ね合わせ、自分の深層心理に不思議な精神空間を構築し、そこにはえも言われぬノスタルジアを覚えてきたのである。特に日本人の場合、たとえ都会の中で、日々、多忙な生活を送っていたとしても、いつか暇ができれば、山間のひなびた温泉に出かけて、のんびりと清流でも眺めながら、湯に浸かってみたいという思いを心の片隅に秘めている人が、年齢層にかかわらず多い。若い女性向けの月刊誌でさえも、しばしば温泉つきの山宿特集を組んでいる。
そのように、どこか日本人には子が母を求めるように、山を懐かしむ心情がそなわっているようだ。
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