石垣島唐人墓

1852年、中国アモイからカリフォルニアへ行くアメリカの奴隷貿易船ロバート・バウン号で、運んでいた400人の中国人を、辮髪を切り落とし、CやPの焼き鏝を押し当て、病人は海に突き落として鮫に喰わせた。中国人苦力は暴動を起こし米国人船長と船員を殺して船を奪ったが、３月１２日に石垣島の崎枝村沖合で座礁し、380人の中国人が上陸した。八重山の役人たちは中国人を崎枝村の赤崎に収容した。報告を受けたイギリス船2隻が石垣島に来航し、3月16日に収容所を砲撃し、武装した兵士200人が上陸して逃走した苦力を射殺・捕縛し、百人近くを吊るした。また、4月4日にはアメリカ船1隻が来航し、兵士100人以上が上陸・探索を行なった。捕縛を免れた中国人は琉球王国に保護されたが、収容所の衛生は悪く、翌年9月29日に中国に送還された生存者は172名で、この間に病死、自殺、あるいは行方不明者は128名に上った。これを弔った三百唐人墓とよばれる古い石積みの墓が近年まで付近に点在しており、陶製の墓碑が八重山博物館に収蔵されている。
写真は１９７１年に慰霊のため建立されたもの。