Y: なんか、世界経済はえらいことになってますね。
M: 何をのんきなこと言ってるのよ。
Y: 僕はウハウハですよ。
見てこの口座。
M: ドラクエじゃない。
Y: 資本主義は、もう限界なのかもしれないね。
M: なんで?
Y: そもそも資本主義っていうのは、読んで字のごとく
資本家様のご都合主義。
M: でも、それでうまくいってたこともあったじゃない。
Y: ピンチの時は税金をじゃぶじゃぶ投入。
資本家様はノーリスクハイリターンですよ。
M: 今回のは仕方がないんじゃないの?
Y: なぜ、資本家でもない人間が、これに賛同しているのかがわからない。
M: 社会主義や共産主義よりはマシって感覚なんじゃない?
Y: 資本主義というのは、資本(お金)を社会に投入して、
より多くの資本に膨らませるのを繰り返す、膨張システムなわけですよ。
M: なんか、長くなる?
Y: 今日は長いよ。
M: おやすみ。
Y: 早いから。
M: で、膨張システムがなんなのよ?
Y: 膨張ってことは、風船みたいなもんで、いつかは破裂する。
M: 破裂しないかもしれないじゃない。
Y: 資本=お金を余らせている人は、誰かにお金を貸すときに利子を取るよね?
M: そりゃあ、そうでしょ。
Y: 例えば、パン屋になろうとしている人が、店を開くためにお金を借りました。
パン屋は資本家様に、利子を払わなくてはいけません。
M: ジャムおじさん大変だ。
Y: ジャムおじさんは、町のみんなにパンを売るときに、
その利子の分も考慮して、パンの値段を設定しなければならないわけです。
M: ジャムおじさんは、みんなに無料でパンを配ってるじゃない。
Y: あれは、テレビクルーの入る金曜日に、イメージアップのために配ってるだけ。
アンパンマンミュージアムのパン工場にあるパンなんて300円ですよ。
M: わかったから、さっさと説明してよ。
Y: こんな風に、資本家様の利子のしわ寄せは、どんどん末端になだれ込む。
末端にいけばいくほど、踏んだり蹴ったりな状態になる。
M: まあ、そうなるよね。
Y: 我々は、間接的に資本家様達の利子を払ってることになります。
その額、給与の約30%と言われている。
M: そんなに?
Y: 資本家様ご都合主義だからね。
発展途上国なんて、もっと搾取されている。
M: そりゃあ、資本家儲かるよね。
Y: 金が金を産む。まさに錬金術。
ただ、もう搾取するところがなくなりつつある。諸行無常ってやつですね。
M: よくわからないんだけど、リーマンブラザーズとかは、
その錬金術のスペシャリストだったんだよね?
Y: 投資銀行とも言われるけど、世界の99%の人は用のない会社だね。
お金を持ってる資本家あるいは会社の金を、さらに増やすことによってマージンをもらう。
M: でも、もう増やすことができなくなっちゃったわけだ。
みんなが儲かるようにすることはできないの?
Y: Win−Winの関係とか、よく言うけど、その裏で、Loseが2者必ずいる。
資本主義というのはそういう残酷なシステムです。
M: じゃあ、ごちゃごちゃ言ってないで、資本家になればいいじゃない。
Y: 僕は他人を犠牲にしてまで、自分が幸せになりたくないです。
M: 出た。言い訳の王道。
Y: 資本主義のすごさは、搾取される側になっている人は自分の努力が足りないだけであり、
努力すれば誰しもが資本家になれるから、平等なシステムだと言い切っている点。
M: そうじゃないの?
Y: それなら努力したら、全員資本家になれるのかというと、それは絶対にない。
労働者がいないと、資本主義は成り立たないから。
M: 正しくは「努力すれば」ではなくて「競争に勝てば」ってことね。
Y: 搾取される側をうまく言い聞かせてきてたんだけど、それがもう限界で破裂寸前。
破裂するかどうかは、結局、労働者の報われない頑張り次第。
M: 膨張をやめることはできないの?
Y: 資本主義は自由競争と言われているけど、実際は競争を止めることはできない強制競争。
資本家様の利子を払い続けるには、競争に勝つことしか選択肢がないのだから。
M: じゃあ、社会主義とか共産主義の方がやっぱりいいの?
Y: 資本主義も社会主義も大差ないよ。
M: なんで?
Y: 社会主義っていうのは、いろいろ解釈の違いはあろうけど、
財産の私有化をやめて、みんなで平等に分けましょうっていう感じ。
M: うん。
Y: でも、それをコントロールする人がいるわけで、だいたい国がそれに該当する。
国と言っても、中身は人間だから、中の人の私腹が肥えていくわけだ。
M: 社会主義の中心は、神様じゃないと無理だね。
Y: で、資本主義というのは、財産の私有化を認めてはいるけど、
実際には世界の財産の90%以上がごくわずかの人間に占められてる。
M: だから資本主義も社会主義も実質大差ないってことね。
Y: じゃあ、どうすりゃいいのよとなるわけだ。
M: どうすりゃいいのよ。
Y: 自由貨幣という考え方がある。
M: 何それ?
Y: ざっくり言うと、利子がマイナスの貨幣。
M: そんなの破綻するじゃない。
Y: 資本主義の最悪な点は、お金に利子が存在することです。
M: そんなこといったって、利子が無ければ、
資本家はお金を貸してくれなくなるじゃない。
Y: お金なんか無かった時代は、物々交換をやってたわけだ。
野菜と魚を交換するとか、魚と肉を交換するとか。
M: うん。
Y: これだと、野菜を持ってる人が肉を欲しい場合に、
肉を持っている人に「野菜いらないから魚もってこい」とか言われると困るわけです。
M: で、お金の登場だよね。
Y: 交換手段としてのお金は、確かにものすごく便利なんだけど、
これが同時に悲劇を生む。
M: なんでよ。
Y: お金ってのは、基本的に未来永劫価値が変わらないわけですよ。
M: そうじゃないと困るよ。
Y: でも、お金と変えた肉や魚は、この世から消えているんです。
その結果、お金だけが残ってしまう。これが貧富の差の始まりです。
M: 肉や魚が消えるのと同じように、
お金も消さないとツジツマが合わないってこと?
Y: お金が消えないってことは、貯蓄ができるってことです。
そして、貯蓄したお金をどうするかというと、利子をつけて貸す馬鹿が出てくる。
M: すごい商才じゃない。
Y: 敢えて言おう!カスであると!
それら不労所得者が、人間性において労働者を抜くことはできないと私は断言する。
M: そういう演説をすると、アイキャッチ後に殺されるよ。
Y: 働きもしないでお金が得られることに、何の罪悪も感じない道徳観から正さないと、
延々と資本主義が繰り返されることになる。
M: あんたの道徳観では、全く説得力がないんだよ。
Y: で、そこに自由貨幣ですよ。
M: マイナス利子だとどうなるの?
Y: お金をほっとくと、正しく消えることになります。
肉や魚と同じように。
M: お金が貯められなくなるね。
Y: そうなると、お金を持っているより、
どんどん物を買った方が得になるわけですよ。
M: そうなるといいことあるの?
Y: 間違いなく、今よりお金の循環が早くなる。
お金の循環が早くなれば、経済が活性化する。
M: なんか、ピンと来ないんだけど。
Y: ヨドバシとかってポイントカードがあるよね?
あのポイントが毎日1%減るって考えたら分かりやすい。
M: 減るから、ポイント使いにヨドバシ行くってこと?
でも、そんなことしたら、客離れが起きるよね。
Y: もし、全品ポイント20%つけるってなったらどうする?
M: それなら行くかも。
Y: 一度ついたポイントは、消えるともったいないから、客の回転力が上がっていく。
客が増えるってことは、製品が売れて、メーカー関連で働く人が増える。
M: まあ、なんとなく分かった気がする。
でも、いいことだけじゃないよね?
Y: 当然、デメリットもある。
お金が揮発して資本を一気に集めることはできなくなるから、デカい事業がやりづらい。
M: あんまり、成長はしない感じね。
Y: 資本主義の成長力を異常と考えた方がいいと思う。
M: でも、お金をマイナス利子にしたところで、他のもので貯蓄しようとするよね。
Y: 土地と資源。これは、永久に価値を持つものに近いから、
お金の代わりに、これで蓄えを持とうとする人が出てくるだろうね。
M: そういうのはどうするのよ。
Y: 土地と資源は、全て国連で管理するのがいいんじゃないでしょうか。
土地は必要に応じてレンタルでいい。資源は必要に応じての売買で独占と二次売買禁止。
M: でも、そんな金融システムは、今現在、
資本・土地・資源を持っている人間が納得するとは思えないんだけど。
Y: 全面的に置き換えるのは、彼らが悟りでも開かない限り無理だろうね。
でも、置き換えなくても、並存はできる。
M: どうやって?
Y: 日本でやるならば、今の通貨である「円」のほかに、もう一個通貨をつくる。
M: ゴート札?
Y: ニセ札ではなくて、もう一つの通貨単位を作るってこと。
ここでは「ゴールド」としましょう。ゴールドは自由貨幣で保持していると年20%減ります。
M: なんでドラクエなのよ。
Y: ロトのテーマは国歌だから問題ない。
M: で、ゴールドを作って、どうすうんのよ?
Y: 国民は、給与をもらう際、円かゴールドかを選択できる。
半分だけゴールドでもらうとかでも可。
M: 誰も、減ってしまうゴールドでなんか、ほしがらないよ。
Y: 円なら100円の給料を、ゴールドなら120Gもらえることにします。
ただし、両替はできません。両替できるなら、円で保持して使う時ゴールドにしちゃうから。
M: ゴールドの方が多くもらえることになるのね。
でも、使う店がないと結局意味ないよね。
Y: 最初はどの店も円しか扱わないだろうけど、
どっかの店がゴールドを許したら、客はその店に流れ込むから、追随するしかない。
M: 円とゴールドのどっちで売ってもいいの?
Y: それはOK。でも「どうのつるぎ」を、円では100円、ゴールドでは120Gとかで売るのは禁止。
それやっちゃうとゴールドのお得度がなくなる。100円で売るなら100Gで売るのがルール。
M: こんなのうまくいくのかしら。
Y: さあ。どうだろね。
これの面白いのは、資本主義の貨幣か、自由貨幣かを、労働者が選択できる点にある。
M: 強制競争に打ち勝って資本家を目指すのであれば、円を選択すればいいし、
競争するもしないも自由で助け合いの精神も大切にしたいなら、ゴールドを選択?
Y: 競争したいやつは、競争したいやつ同士で争っていてほしいね。
巻き込まないでほしい。
M: でも、ゴールドすら資本家は許さないと思うけど。
Y: あいにく、法を決めるのも資本家サイドなんで、
こんな案をいくらあげても無駄っちゅうこってす。
M: 無駄とか言ってないで、頑張ってみたらいいじゃない。
Y: そんな頑張りができるなら、競争に打ち勝って、
資本家になって、いい暮らしした方が手っ取り早いですね。
M: さっきは「カス」とまで言ってたくせに。
Y: 過去にドラクエで稼いだゴールドを、全部現実世界に換金してくれるなら、
生まれて初めての努力をしてみてもいいよ。
M: おきのどくですが ぼうけんのしょ1ばんは きえてしまいました。
Y: おやすみ。
M: おやすみ。
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