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2010年10月19日00:04

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「トリノ・エジプト展」出品物破損のその後

静岡県立美術館に「トリノ・エジプト展」を観に行ったのは、7/29だった。
この展覧会は、日本各地を巡り、同館が最後だった。
その展覧会が終わり、8/23、撤収作業の途中で事故が発生、「オシリス神をかたどった王の巨像頭部」を破損させてしまった事については、8/24の新聞記事等で知った。

参:http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100824/crm1008241148009-n1.htm

自分が感慨を以ってつい最近見上げた像、そして私が行った美術館での事故という事で、この記事には、心臓に氷を圧し当てられるような気がした。

この美術館は私の郷里の美術館でもあり、そういう意味では、同郷の出来事として、私自身責任を感じてしまうのは、決して謂われなき事とは思えない。
たとえ、運送会社(日本通運関東美術品支店)に直接の責任があろうとも、県立美術館の学芸員達の責も免れないし、同郷県民もただのほほんと愉しむだけ愉しんで、他人の所為となすり付ける訳にいかない。
金銭面では保険で処理するのだろうが、そういう事とは別のところに問題はある。

で、添付したのは10/16(土)の新聞記事だ。

これによると、貸し出しを行ったトリノ・エジプト美術館として、ではなく、イタリアという国レベルの問題となっている。
イタリアは、いろんな時代の美術品,歴史遺物等、当然貸し出す事の方が圧倒的に多いだろう。
対して日本はというと、日本美術や文化財等、貸し出しもあるだろうけれども、やはり、絶対的に借用する事の方が多いだろう。日本は、資源や食糧と同様、この面でも、輸入大国なのだ。

日本で海外の芸術品等に触れる事ができるのは、大な歓びで、ありがたい限りだが、こうした事がいつも背景に存在する事を忘れたらいけない。
世界動向はナショナリズム傾向が今強くなっている。政治,外交はとりなそうとしても、国民感情というやつは、火が付いたら止められない。
仮に、中国から借用した文化財が今同様の事故に遭ったとしたら、1事故で済まない可能性もあるのではないか。
我々、身の震える思いで、こうした事故や背景の実情を視、気を配らなければならない。
 
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