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2019年11月20日10:19

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転スラを反面教師にかっこいい罵倒とイキリの違いについて考える

注:「転生したらスライムだった件」の悪口が書かれているので同作のファンはブラウザバック推奨


最近「ドラゴンクエストウォーク」のお供に、なろう読み上げアプリを使ってなろう小説を聴きながらやるというブームが私の中で起こっています。
それで、なろうランキング累計1位の「転生したらスライムだった件」を「1位ならさぞ面白いんだろうなあ」と期待して聞き始めたのですが……どうにも主人公であるリムルが気に入らない。
部下たちが活躍するパートはそれなりに楽しめるけれども、主人公が出てくると途端にダメになる。もう止めようかな、でもせっかくだからもう少し聞こうかな、と半ば惰性で聞き進めて行ったんですが、「39話 運命の歯車」であーあーこれは無理とても耐えられない不快感がマッハもうここで聞くのやめやめ、となりました。

何がダメだったかというと、主人公が敵を馬鹿にしたり嘲ったりいたぶるったりする場面……最近流行りの言葉で言えばイキリスライム太郎なところです。
しかし、とはいえ、まがいなりにも、この作品はなろう累計1位の座を獲得しているわけで、ざっと感想を検索してみたところ、リムルが好きという意見も決して少なくないです。人によって感じ方が違うのでしょう。

というところで終わらせずにもう少し考えて見ます。

別になろう系だの○○太郎系だのでなくとも、主人公が敵を罵倒する作品はたくさんありますな。その中には私がカッコいいと思う場面もあります。
例をあげると
悟空がフリーザに対して言った「星は壊せてもたった一人の人間は壊せないようだな」
とか
承太郎が吉良吉影に言った「いい時計だな。だが、もう時間が見れないように叩っ壊してやるぜ。貴様の顔面の方をな」
とか、痺れる場面です。

(逆に言えば、転スラが好きな人は、リムルのイキリが悟空や承太郎と同じくらいカッコいいセリフに思えるのだろう)

両者の違いはどこにあるのか? 同じ主人公が敵を嘲る場面なのに、カッコいい場面と不愉快な場面に分かれるのはなぜか? 私が考えた要因を列挙してみましょう。


●主人公の強さに、過酷な修行や激しい苦痛などの裏付け・代償がある。

●主人公と敵の間に、強い因縁がある。主人公は敵を倒す強い動機がある。

●主人公が悪属性、もしくはアウトロー属性の持ち主である。

●罵倒や嘲りの場面は短く、同じ相手には何度も繰り返さない。


まとめると、「お手軽にチート能力を手に入れた、優しく慈悲深い(という設定の)主人公が、出会って間もない敵役を執拗にいたぶる」というのはイキリになりやすく
「死ぬほど過酷な体験を経て強さを手に入れた、冷酷で無慈悲な主人公が、生涯をかけて追い求める悪役に対して舌鋒鋭い一言を浴びせる」というのはカッコよくなりやすい……というところでどうでしょうか?

さて、後者の条件をほとんど満たす主人公がいますね?
そうです、ニンジャスレイヤー=サンです。
「よくぞ躱した。褒美に、初撃で死に損なった事を後悔させてやろう」
「斬新な命乞いだな。よほど長く苦しみたいと見える」
「苦しんで死ね。死んでなお、苦しめ。サンズリバーの水をたらふく飲んで、己の罪の重さを知るが良い」
「(俺を殺しても増援がやってくるぞ、という言葉に対して)来た順に殺す」

なんたる決断的殺意か!
というわけでニンジャスレイヤーが面白い理由を再確認して終わりです。
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