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2020年10月18日00:05

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偉人の時代

先週、と言うか、まだ土曜日なので今週と言うべきか、前回のNHK「歴史秘話ヒストリア」は特別版で「挫折秘話ヒストリア」となっていて、いつも通り録画で本日視聴しました。その中で、野口英世が浪費癖があり、多くの人の支援を受けて最後に心を入れ替えて研究に打ち込む、と言うのが三部構成の最終話で、支援を受けて最後にはそれに応えた本人も立派だけれど、支援を続けた方がもっと立派だ、と締めくくられていました。

最近では、様々な依存症などは本人の意思でそうそうどうにかなるものではないとされているので、このような「最後には本人が心を入れ替えるに違いない」と言う方法論はあまり推奨されていませんけれど、まあ、史実ですから仕方のないところでしょうか。ただ、時代の違いはあるように感じていて、明治のころは貨幣経済もそうそう発達しておらず、「お金をやりくりする」練習などはする機会がほとんどありませんでしたから、金銭感覚を身に付けるまでの練習期間が必要だったという解釈も成り立つような気がします。また、現在のようにたくさんの人々が基礎教育を受け、切磋琢磨しながら優れた人材が育っていくわけでもなく、天賦の才能を持つ(もしくは、かつ他のことで役に立たない)ごく少数だけが特別な職に就く時代ですから、支援する方も「これは」と見込んだ人に徹底的に賭けてみるとか、身分差の大きい中で本当に余裕のある人が目を付けた人に支援をする、と言った感じではなかったかと思います。

いずれにしろ、その時代の空気感を感じることもできませんし、それこそ「武士の家計簿」のような地道な文書発掘で何かわかることがあるかもしれない、と言う程度の話ではありますが、そんな時代だと本当に「天賦の才能」があったとして、それが活かせるためにはかなりの幸運が必要だったのではないでしょうか。現在でも、能力(適正)と環境がマッチせずに苦しんでいる人はたくさんいるでしょうけれど、貧しい時代にはそれが正しく死活問題だったことでしょう。とは言え、現在でも苦しんでいる人はたくさんいるし、それは社会にとって損失であることに変わりはありませんから、マッチングの可能性が上がるように環境を変えていければよいと思います。
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