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2020年05月25日23:10

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越えようのない性差

2020/05/18の日記でエピジェネティクスについて、ちらりと触れましたけれど、これは遺伝子が発現するのに生活環境が関係してくるという話で、メカニズムとしては生活環境によって体内の環境、最終的には細胞内の環境が変わり、その影響で発言する遺伝子が変化すると言う話です。もともと、ある状況で必要とされる機能は、何かスイッチが入ってその機能を実行させる必要があって、それがホルモンだったり、ミネラルバランスや栄養素だったりするのですが、単に刺激に反応するレベルではなく、成長のある時期にどのような栄養状態にあったかで「太りやすい体質」「太りにくい体質」が決まってくるとか、それが子供の代まで受け継がれると言った研究結果が出ています。

当然のことながら、子供の代に受け継がれるのは、DNAではなく、それを取り巻く細胞質なので、母親からの遺伝となります。研究が進めば、細胞核内の物質が影響して父親からのエピジェネティクス遺伝が発見される可能性はあるものの、今のところ「そんなことがあってもおかしくはない」レベルの話で、まあ、その際に使用できる物質の量を考えてもかなり難しそうですから、とりあえずおいておくとして、栄養以外に好奇心がエピジェネティクスで受け継がれるという話がありまして、子供の頃に知的刺激を受けやすい環境におかれた親から生まれた子供は刺激に乏しい環境で育った親の子どもに比べて好奇心旺盛な傾向があると言います。

物語に出てくるステレオタイプな親子関係と言えば、自分の力だけでのし上がった成金が美貌の妻を迎えてろくでなしの子どもが生まれる、とか、貧乏でヘタレな、もしくは家柄だけの夫に嫁いだ教養あふれる妻が優秀な子供を育てる、と言ったパターンで、これは、子供の知性は母親に左右されることになっていて、なかなかエピジェネティクス的だと感じます。まあ、子供をより近くで育てるのは母親だから、という考え方もあるものの、子供の好奇心に母親の影響が強い印象があるのは、案外そういう理由もあるのかもしれません。とは言え、女の子ばかり優先的に知的刺激の多い環境においてもらえるとしたら好奇心の強い子供だった男性の私としては納得できないものがあったでしょう。
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