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2020年03月29日23:12

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思考と言語

井の中の蛙大海を知らず、と言う言葉があって、限られた交際範囲で生活していると価値観が限定されてきます。とはいえ、郷に入っては郷に従え、と言う通り、その場その場で対応する相手は限られているので、その場で必要なのは大会の価値観ではなく、井の中の価値観と言うことになります。以前、放送していたNHK「爆問学問」で言語学者の先生(だったと記憶している)が、限られた相手とだけ会話をしていると語彙が限定されてくる、と言う話を、研究のために未開の奥地で同僚の学者と二人きりで生活した経験をもとに話していました。気心の知れない相手だからこそ、コミュニケーションに複雑で正確な言語が必要になると言うことです。

宇宙人とコミュニケーションをとるなら、数学がもっとも共通言語として通じやすいのではないか、という説があって、価値観に共通点の少ない相手に対して十分に複雑で厳密な記述体型と考えると、確かに一理あるかもしれません。ただ、相手に知性を認識させるだけならともかく、必要なコミュニケーションをとるという目的を考えると、数学では不十分な気がします。人類の思考形態が汎用的なものか、人類特有で他の生物(もしくは地球外生命体)に通じないものかは、他の生物(もしくは地球外生命体)とコミュニケーションをとる手段が確立していない以上、知りようもないことであって、考えるだけ無駄かもしれませんが、思考実験としてはなかなか興味深いものです。

相手が限定されていると言語が衰退していくという事実を考えると、他者と十分なコミュニケーションをとらないと、人でも他の人と思考を合わせるのが難しくなってくることも十分に考えられ、例え表面上は他人と付き合っていても、決まった話しかしなければ、思考のずれが大きくなってくることも考えられます。それは、知的で複雑な仕事をしていても、決まった処理ばかりをしている老人が痴呆になりやすい状態と似ているかもしれません。おしゃべりをしていると脳の老化が遅くなるという話はよく聞きますので、なるべく多様な考え方に触れ、それを検証し、自身の思考を見直すというのは、思いのほか大事なことのようです。
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