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2020年01月21日22:51

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食べ物と酸/アルカリ

正月に似た黒豆をヨーグルトに入れて食べたときに、妻が「なんか黒豆だけ食べるより食べやすい気がする」と言っていました。確かにその通りで、おそらくこれも酸/アルカリの話が関わっていると思われます。煮物でよく言われる「アクをとる」と言うのは、最近は済んだスープを作るための細かい浮遊物を取り除くことをさす場合も多いように感じますが、本来「灰汁」と言う苦みのもとであるアルカリ分を取り除くことで、豆を煮るときもこの作業が欠かせません。ただ、あまり徹底的に灰汁をとると味の深みがなくなると感じるのと、圧力鍋で煮ると気にならないことが多いため、最近アクとりをせずに煮ており、今回煮た黒豆も若干気になるかな、と言う感じでした。

植物に入っているアルカリ性の有機化合物にはアルカロイドという総称がつけられ、多くの物質が毒や薬に用いられてきました。黒豆に使う黒大豆だと、おそらく代表成分は大豆サポニンで苦みと言うよりは渋みに近い刺激のある物質です。黒豆ヨーグルトが食べやすくなったのはヨーグルトに含まれる乳酸でアルカロイドが中和されたためではないかと推測されます。食品に含まれる有機酸類は弱酸が多いので単純に酸とアルカリを混ぜれば食べやすくなるというものでもなく、例えばはちみつレモンのように酸性同士を混ぜると緩衝効果が出て酸味を楽しみつつ、すっぱすぎない状態を作ることもできます。

緩衝効果は生物でも化学でも教科書に出てくる話ですが、電離率の計算をさせられたりして嫌になり、憶えて「いたくない」と忘れてしまう人も多いような気がします。日常生活で電離率の計算が必要になる場面はないでしょうけれど、pHと聞いたときにどのような数字なのかを計算してみることもなく理解できる人はそう多くないでしょうから、計算問題がテストに出るのも仕方ないように思えます。とは言え、それが原因で忘れ去られるくらいなら、何か他の方法で理解し、記憶してもらう方法を考え出すべきなのかもしれません。
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