過去を活かす

昨日2019/10/14の日記でちらりと書いたＮＨＫ「東京ブラックホール　２」のなかで、東京オリンピックについて松本清張が書いたという一文が紹介されました。内容まできっちり覚えているわけではないものの、彼をはじめとするいわゆる社会派ミステリで数多く描かれている戦後の闇に端を発した事件は、東京オリンピックや高度経済成長の闇を背景に再現されるのだろうということを予感させます。昔がよかったはずがないのと同様に、現代もそこまでよい時代ではなく、闇はいくらでもありますし、闇を消そうとしたところで光を求めれば影ができるのは致し方のないことです。

番組中で、「光が強い分、闇が濃い時代だった」と表現されているように、急成長にはひずみがつきものです。流れの強い川は渦を巻き、部分的に見れば逆流している場所も見つかります。ただ、勢いがないとできないこともありますから、一概に否定できないのも難しいところで、それでも明るい未来に近づける道を探す努力はすべきでしょう。