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2019年01月20日21:34

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生活の知恵と生き残りの知恵

いつの時代も人々は手に入るものを工夫して生活をしてきました。また、工夫の結果を生活の知恵として受け継ぎ、中にはそれが伝統として深く定着することもあります。生活の中には、当然遊びも含まれ、その延長として学びもあります。ファラデーの「ろうそくの科学」はろうそくを題材にして科学に親しむための格好の名著と言われてきましたが、いまではろうそくを見かけるのはせいぜい仏壇のある家くらいで、災害対策ですら明かりには火災の危険がないLEDライトを用いることが推奨され、「身近な教材」とは言えなくなっています。

先日、教育テレビ「2355」の夜更かしワークショップと言うコーナーで、空気の圧縮による浮力調整の実験を紹介していました。ホットドックやハンバーガーについている小さなケチャップの袋に若干の空気が入って水に浮くものがあり、それを水で満たしたペットボトルに入れ、蓋をしてぎゅっと握って圧力をかけると空気が縮んで沈み、手を離すとまた浮く、と言う実験です。これと同様の実験は私が小学生の頃にも紹介されており、水を満たした大きなガラス瓶に小さなガラス瓶に水を入れて浮力を調整し、それにゴム風船を切ってかぶせて紐で縛ってふたをしたものを入れ、大きな瓶にも同様にゴム膜のふたをして、と言うめんどくさいものでしたが、頑張って作った覚えがあります。

他にも小学生の実験と言えば定番だった「雨量計」の牛乳瓶も見かけなくなり、電気の実験では「タバコの銀紙」がアルミホイルに代わったり、厚紙と言えば菓子の箱だったのが牛乳パックに代わったりと時代によって身近な材料も変わっています。とは言え、18世紀からほとんど変化のなかった布や紙、ガラスや金属の材料がほとんどプラスチックに代わり、また、様々な場所で使われてきた燃料などがほとんど電気化されたここ50年ほどの変化はかなり激しいものだったように思えます。

高度経済成長期にも大きな変化があったものの、私の小学生時代くらいまでは「化学の時代」と言われた18世紀の延長にあるもので生活していたように思えます。マーク・トウェインの「アーサー王宮廷のヤンキー」も割と自然に中世に自分の生活の知恵を持ち込んでいましたが、最近のラノベで昔の時代っぽい異世界に転生した主人公たちは「生活の知恵」を持ち込むにも「親が自然派生活に凝っていた」とかスマホを持ち込んで検索ができるとか、いろいろと苦労しているようです。まあ、社会生活を平穏無事に過ごすのであればそんな知識を身に付ける必要もなく、知っているだけ無駄ではありますが、ちょっと社会の外に出るだけであまりにも環境が変化するというのはある程度危機感を持った方がよいように思えます。
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