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2021年12月31日00:00

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【映画】2021年度外国映画ベストテン

2021年度外国映画ベストテン

1.ノマドランド
2.DUNE/デューン 砂の惑星
3.パワー・オブ・ザ・ドッグ
4.燃ゆる女の肖像
5.アメリカン・ユートピア
6.MINAMATA ミナマタ
7.聖なる犯罪者
8.サウンド・オブ・メタル
9.マリグナント 凶暴な悪夢
10.エターナルズ

次点 
悪なき殺人
ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結
 
 
1位の『ノマドランド』は文句無しの歴史的名作。美しくも厳しい自然を背景に、人がこの世に生きる意味を描くクロエ・ジャオは、まさしくテレンス・マリックの後継者だ。今思い返してみると、昨年のベスト作の1つ『ハニーランド 永遠の谷』に通じるものがあるのも興味深い。このような映画こそ、私が真に求めているものということだろう。
 
『DUNE/デューン 砂の惑星』は大好きなドゥニ・ヴィルヌーヴの新作であり、あの名作SF小説の再映画化。世間的には不評だったデヴィッド・リンチ版『砂の惑星』は私の偏愛映画だが、作品としての出来は、やはりこちらに軍配が上がる。ストーリーテリングのテンポが遅すぎる嫌いはあるが、重厚な映像美によって構築された異世界は、「観賞」の域を超えた「体験」そのもの。原作の前半部分だけで終わるため、物語としての正確な評価はPart IIを待たないといけないが、その続編こそ今この地球上で最も見たい映画だ。

この1位と2位は不動。ちなみにこの2作品は劇場で4回ずつ見た。

『パワー・オブ・ザ・ドッグ』はジェーン・カンピオンの新作で、1920年代、フロンティアが消滅した西部を舞台にした心理サスペンス劇。カンピオンの代表作『ピアノ・レッスン』は特に好きでもないのだが、この作品には完全にやられた。話がどう転がっていくか分からないことで画面に終始みなぎる緊張感。何1つ理屈をこねることなく複雑な心理敵葛藤を描き、「人間」というものを雄弁に物語る。これこそが映画だ。 
 
フランス映画『燃ゆる女の肖像』も、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』によく似た雰囲気と語り口。完璧な映像と抑制されたタッチで、女性同士の禁じられた愛を描く。いくらでも俗っぽくなりそうな内容なのに、それをグッと抑えることで、人間ドラマとして強い普遍性を獲得している。
 
『アメリカン・ユートピア』はデヴィッド・バーンのショーをスパイク・リーが映画作品としてとらえたもの。事前にサントラを聴いたときにはピンと来なかった演奏が、映像によってステージングの様子が分かるようになり歌詞が字幕で示された途端、まったく別次元の「音楽劇」となる。歌詞によって示される物語性とメッセージ性。演奏や歌を完璧にこなしながら、複雑極まりない振り付けを一糸乱れずこなしていくバンドメンバーの驚異的なスキル。私はデヴィッド・バーンやトーキング・ヘッズの特別なファンではないのだが、ミニマルでありながら最高のスペクタクルであるこの音楽劇には文句無しに圧倒された。 
 
『MINAMATA ミナマタ』は、キワモノ的な恐れを抱いていたのだが、意外なほどストレートな感動を呼ぶ真摯な傑作。公害という社会悪と闘う人間ドラマとしてはもちろんだが、私にとっては様々な意味で「写真」というものが持つ意味を問いかけてくる映画だった。
 
『聖なる犯罪者』は、少年院出の若者が聖職者として身を偽りながら、人々の尊敬を獲得していくドラマ。信仰とは何なのかというシリアスなテーマを描きながらも、トリッキーな設定ゆえにサスペンスや娯楽性にも事欠かず、青春映画としても鮮烈。こういうよく出来たヨーロッパ映画を見ると、本当に心が落ち着く。
 
『サウンド・オブ・メタル』は、聴覚を失ったドラマーがある心理的な境地に到達するまでの物語。仏教にも通じる哲学的なテーマを持ち、同時に重度の難聴を疑似体験できるユニークな映画にもなっている。アカデミー作品賞などにノミネートされて話題になったが、当初は日本公開の予定が無く、Amazonプライムビデオで観賞。秋にようやく劇場公開されて、スクリーンで見ることができた。
 
『マリグナント 凶暴な悪夢』は最高のホラー映画にして最高のアクション映画という、ニヤニヤが止まらない大怪作、いや大傑作。さすがは『アクアマン』のジェームズ・ワン。純然たるエンタテインメントとしては、本作が今年のベスト。しかも見終えれば、ちゃんと語るに足るテーマがある(ホラー版アナ雪という指摘は実に的確)。騙されたと思って見るべし! 
 
『エターナルズ』は『ノマドランド』のクロエ・ジャオが監督したマーベル映画。娯楽スペクタクルとしては若干ゆるいところもあるが、多数のヒーローによる人間ドラマは黒澤明の映画にも通じるような面白さ。テーマや物語の面で、未完に終わった石ノ森章太郎の漫画『サイボーグ009 天使編/神々との闘い編』をジャオが映画化してくれたような感慨すら覚える。『ノマドランド』のような奥深い人間ドラマと、このようなヒーローアクションの両方で成功を収めたジャオに敬意を表し、1位と10位にジャオ作品を配することにした。
  
次点の『悪なき殺人』は、キェシロフスキ映画を思わせるような人間ドラマをブラックコメディの感覚で描いた傑作。『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』はエンタメとして最も気楽に楽しめる快作。
 
 
2021年に劇場で見た映画は、外国映画・日本映画を合わせ、のべ76本/65タイトル。
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