わたしはわたしが何者か知らない
仏教経典にある発菩提心のごとく
悟りの境地を得て未だ岸を渡らず
未熟者でもそんな存在でありたい
悟ったなどと思えばおしまいです
悟りの境地にある者こそ解脱未満
わたしを離れたところに言葉あり
わたしを離れたところに意識あり
我を離れ実在を捨て存在していい
わたしが何者でも構わないのです
称号はどうでもいい名前もいらぬ
ただただ心を虚しくして神あらわ
静かにこの身体を大自然に預けて
湖面のさざ波に踊る光に溶け込む
元々はヒトでも無い縁あって得て
なにゆえにこの身体を惜しまんや
どうかわたしを好きなようにして
カケラの如く扱い大切に手放して
そう願って器を使わせていただき
そっと枯葉の下に寝かせて欲しい
あの泥沼に咲く強く美しい可憐な
ハスの花托のように神迎えし魂の
おくるみになり悟りの境地へ誘う
いずれも時に従い泥沼の土に還る
そしてまた縁あらばハスの花托の
大事なお役目が再び巡り来るよう
いただいた今世この身体が尽きる
その日が来るまで精進いたします
ログインしてコメントを確認・投稿する