mixiユーザー(id:3250310)

2020年09月13日07:55

51 view

初対面なのに二人きり

 フェイスブックは、過去の日記を再掲する機能があって思い出したりすることがある。今日はある女性の誕生日。といっても数年前の三月の花見の席で一回あっただけ。でも忘れることはできない。彼女は約一年後に亡くなった。花見の時はすでに末期がんを宣告されてた。それは後でわかった。
 花見は江戸川橋で大勢の友人が集まって。彼女はモデルさんだったからかなりの美形。それが目当てだったわけでもないけど、なんとなく車座の中の隣に座った。不思議な雰囲気のある人で、それより驚いたのは彼女がしくしく泣きだしたから。
 といってもあくまで静かにだから、10人以上いた彼女の友達もたぶん誰も気づいていなかった。
 彼女は「自分がない。自分が何をやってるのか見つからない」などといってた。初対面の僕にとも思ったけど、言わずにおれないというきっぱりした覚悟のような感じがあった。営業の仕事などにチャレンジしているとも言ってた。ワインが好きだとも言ってたな。
 僕が彼女と会ったのは、この花見の時一回だけ。約一年後に訃報を聞いた。末期がんを告知されていたと知ったのはその時。
 大勢が車座になってがやがや飲んでいる中に、彼女と二人だけ隔絶されて別の世界にでもいるようなあの感じは忘れられない。後で聞いたら、友人のだれ一人として知りもしなかったらしい。初対面なのに二人きり、な感覚。忘れられないのですね。
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する