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2020年01月08日11:13

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ミカンとニンニクを買う

 三ノ輪の続き。魅力的な商店街は相変わらずだけど、つらいことを先に書く。
 長いアーケードを半分も歩いたあたり、藪蕎麦の手前に来るといつも、異臭がする場所とお店がある。その臭いが薄まってる。
 異臭とは顔をしかめるだけでなくどこか食欲をそそるものもある。そこは八百屋さんでもあり漬物屋さんでもあった。もう土地に臭いが染みついてた。タアクアンの臭い、様々なぬか漬けの臭い。見たこともないような野菜の漬物。何十年も積み重ねなった複雑極まる臭い。結構グロでさえあった。
 90歳にもなるというお爺さんがいて、なんだか背中が寂しい。腰が当然のように曲がってる。あかぎれの手で漬物をつけてきたんだろう。その人がたくさんある大きな漬物の樽を電鋸でガリガリ切ってる。
 「廃業することにしたんだ。奥さんの具合が悪くてね」。おじいさんは二代目で親の代から100年近く続いた店だ。
 お母さんひどいの?と聞くと「パーキンソン病なんだ」。僕は介護先で二年も付き合った夫婦で、旦那は全身麻痺、奥さんはパーキンソン病というカっプルを知ってる。はた目には悲惨に見えたかもしれないが仲のいい幸福な人たちだった。明るくさえあった。旦那が亡くなる前の夜まで付き合った僕が言うんだから間違いない。
 おじいさん「下は貸すことにしたんだ」。店頭から、木の昔ながらの和風のガラス戸が見えて、その先が居間らしい。典型的な街のお店。仲のいいご夫婦であろう。病気は大変だけど、根拠はないけど、幸せになれるよ。
 廃業した店からミカンとニンニクを買う。手切りのごぼうと人参も欲しかったけど。
 書きたくないことも。この後電車に乗り町屋によると、終戦直後(知らんけど)の雰囲気バリバリだった裸電球がぶら下がってるような果物屋さんが廃業して、雰囲気ぶち壊しのコインランドリーになってた。建物はタイル張みたいな」むかーしのままだし住む人はそのままなのか。
 少しホッとするけどその向かいやめちゃったパン屋をい抜きで自民党が事務所にしてた。バカソーリのあほ面。日本を切り拓くじゃなくて、文字通り切り裂いてる。死神かあいつは。
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