二時間ほど前のこと。はじめは何のことだかわかんなかった。ありえないことがおこって、言葉が出ない。
アジアが混じったアメリカ人だろうか。かわいい。20歳代前半のロングヘアーのきれいな女性がうちの近くの路上で僕のことをしげしげとみてて。僕は内心「なんだなんだあ…」。
そんな女性に見つめられれば、ドギマギしますよ、そりゃ。
周りを見回しても僕しかいないし。彼女はうれしそうな様子でどんどん近づいてくる。どこかであったっけと思ったけど、全然覚えがなーい。
「カワーイーーイ」。
いうに事欠いて、こんなこといって笑顔で近づいてくる。
還暦過ぎたじじいには、まぶしいような笑顔。
彼女は「〇〇大学のナントカデース」と名乗って、「ソノシャツすっごくかわいーですねー」だと。
セコハン屋で100円で買った黄色いTシャツです。100円だから何でも買うじゃなく確かに選ぶし、100円でも気に入らなきゃ買わないけどね。
ほんの一瞬俺ってひょっとしてまだイケンのかなとおもった。ほんとにほんの一瞬。がっくりというよりほっとした感もあります。何を期待してんだか。
名乗ってくれたので、一応初めましてと挨拶。彼女はそのままサラサラのロングヘアを秋風になびかせて去っていきましたとさ。さわやかなやつ、ってやっぱわけわかんないよ。
じじいの心をざわつかせやがって。ま可愛いから許すけど。
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