産まれる時も1人、好ぬ時も1人
幾ら恋しい人がいても、一緒には死ねない
自分の衣服や持ち物財産も、未来を保証してくれることは無い
友達というより、知り合いに事業家の息子が居た、兄弟は医者で不動産も大々的に行っているという
月々30万の仕送りが有るという、産まれて一度も働いたことが無いと言い、当時年齢は25そこそこだった
彼は幸せそうだ、悩むことなど無いという
さて、この男、楽しい人生なのだろうか
目的が無い人生は楽しいのだろうか
好きな女性が出来たらしく、金で囲っていたが飽きられ捨てられたらしい
女も、金があるうちはよかったが、SEXは満足できず
彼の金を違う男につぎ込んで居たらしい
女は見るからに綺麗でスタイルも良かった
自分は相手にもされなかったので、親しくはしていなかった
それから、20年たち、その女性にばったり新宿で出会った
始めは解らなかったが声を掛けられ、気付いた
彼女は、客を取り身体を売って暮らしているという
昔のなじみで食事をご馳走し、話をしを聞いた
女は重くはなしだした素面ではないようだ
「あの頃はよかった、皆が良くしてくれたさ今じゃズタボロよ」
精神病院へ通い、安定剤を貰い身体を売っているという
昔の見る影は無かった、60を過ぎた婆さんにしか見えない
当時の男の話を聞くと
「あの金持ちすてなきゃよかったかも、あの後あの人シャブを覚えて捕まったらしいでど、親とは疎遠で乞食らしいよ」
そうかもしれない、働けないのだ、働くことをしなったのだからなぁ
食事を済ませ店を出た後、考えた
幸せとは何か、生きるとは、当時貧乏だった自分が何とか暮らし、親友も沢山いるい
彼らには何が残ったのだろう
その数年後、風邪の噂で彼女は精神病院で亡くなったと聞いた
男は、静岡で静かに暮らしているが、乞食同然らしい
愛人、富豪生活、名誉、地位、財産、其れは永遠ではない、永遠に保てる物など一つもない
様ざまな生き方が有る、失敗のない人生は無い
言えるのは、死ぬとき良い人生だったと思えることではないだろうか
生きるということはたいせつなのだ
生きながら、何も得られない人生ほど勿体ない物は無い
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