5/9 札幌 岩本珈琲

昨年の今頃は、まさか今年のゴールデンウィークまでコロナ禍が続くとは思っていませんでした。私の主な活動の一つだった小樽運河でのストリート演奏でも、今年に入って一円も稼げていません。いつかは落ち着くと思っていた感染状況も残念ながら悪化の一途を辿り、札幌市には蔓延防止措置が適用になりました。本当ならなかなかライブの話など言い出せないところです。
一番いい方法は、流行初期に人類全員が一歩も外に出ないで自主隔離して2週間くらい過ごすことだったのでしょうが、そもそも不可能な上にもう手遅れです。

マスクを着け、手を消毒し、密を避け、リスクを避け、感染予防対策を徹底して安全なライブを行うことが私の仕事。自営業者も会社員と同じように、どうにかして働かなければ、生計を得なければ生きていけません。ミュージシャンより、元手のかかっているお店の方がもっと大変です。誰もができることをできる限り行い、楽しめることを楽しめる限り行って生きていくしかないのです。たとえ、いかに大きな苦労や非難を抱えてでも。

書くのに気が引けるような「そもそも論」みたいなことをついつい書きましたが、そんなわけで全くタイミング最悪ながら、私はつつがなく昨日のライブを終えました。札幌の岩本珈琲での久しぶりのライブ。
何かに取り憑かれたように作曲しまくって完成した「アルコールワルツ」シリーズ（2020）を、全24曲、1から24まで順番に演奏するというユニークな企画でした。この試みは、3/27に札幌の一風来でも行われましたが（世界初演）、その時以上の集中力でなんとか全ての曲を弾き切ることができました。

こうして通して弾いてみると、自分にしては短調の曲の比重が多いということに気づきます。これから録音も控えているので、しばらくはまた鍛錬の日々が続くでしょう。こんな時期に万難を廃してお越しいただいた皆さん、そしていつもと変わらぬ笑顔で迎えてくれた岩本さん、本当にどうもありがとうございました！