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2020年03月17日10:39

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「溜池通信」よりコピペ

<3月16日>(月)

〇今度のコロナウイルスによる世界経済の混乱を何と呼ぶべきだろう。今月に入ってから世界同時株安は、明らかに2008年のリーマンショックに似ていて、あの時は「100年に1度の国際金融危機」と呼ばれたものだ。だとしたら、今回のは「10年に1度」になるのだろうか。それも少々、変ではないだろうか。

〇むしろ世界経済はリーマンの時の後遺症から癒えておらず、広い意味での危機がずっと続いていたのだという見方もできる。いくら景気拡大が続いても物価は上昇せず、従って長期金利も上がらない。そして中央銀行がそろーりそろーりと政策金利を上げようとすると、たちまち市場が反乱を起こして長短金利の逆転が起きてしまう。それがこの10年であった。

〇今回、FRBは3月15日に緊急会合を実施し、FF金利を1.0%下げて0〜0.25%とした。もともと下げる余地は100bpしかないところを、全部下げてきた。普通、拳銃に弾は一発は残すもの、と言われるが、敢えて残さなかった。この評決は賛成9、反対1だったそうなので、圧倒的大差といえる。

〇同時に、「目先数か月で米債の保有額を少なくとも5000億ドル、MBSの保有額を少なくとも2000億ドル増加させる」とした。すなわちQE4が始まるということだ。Fedのバランスシートは2008年の約8000億ドルから3次にわたる量的緩和政策によって膨張し、ピーク時には4.5兆ドルにまで達した。これを2017年秋から徐々に引き下げ、昨年夏には3.7兆ドルまで下がっていたのだが、やっぱり資金供給が必要だということになって、直近の3月9日には4.3兆ドルまで回復している。ここにあと0.7兆ドルを加えることになる。5兆ドルは越えますな。

〇さらにフォワードガイダンスとして、「新型コロナ乗り切ったと確信持つまで金利をゼロ近辺に維持」することをコミットした。いやもう、お見事としか言いようがない。切れるカードは全部切った。あとはトランプさんにいくら嫌味を言われても、「われわれの仕事は既に完了です」といえてしまう。それくらい今朝の発表は強烈なものがありました。

〇これはもちろん日欧などの中央銀行当局とは打ち合わせ済みであったようで、日銀も苦しい懐事情ながら今日は緊急の会合を開き、ETFの買い入れ額の倍増などのカードを切っている。

〇しかるに、これだけやっても株価の反応は思わしくはない。そりゃそうだ。金融政策によってウイルスが収束するわけではない。そしてとうとう、世界中のほとんどで金利がなくなってしまった。言葉を換えれば、「日本化」が世界を覆いつくしている。さて、これから先に何が待ち構えているのだろう。

〇これから先は財政政策の出番だ、と言われる。その前にG7のテレビ会議があって、これはもう今年のG7会合はそれで済ませるのが良いかもしれません。その前に、先進主要国としてはお互いが「××ファースト」で自国だけが助かればいいのではなくて、ちゃんと手を携えてウイルスと戦うのだという姿勢を見せなければなるまい。そうでないと、一足先に危機を脱出する中国のお説教を聞かなければならなくなるかもしれない。そりゃあ、問題ですよ。

〇明日の株価はどうなるのか。あ、NYダウは2200ドルで始まったようだ。明日の「モーサテ」を見るのが怖い。「WBS」は見ないで寝よう。そういえば、今日も「ゆうがたサテライト」に出てしまったな、ワシは。



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