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2017年05月12日08:02

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かつて日本に棄てられた日本人 朝鮮半島有事ならどうなるのか

マグマグニュースより 全てコピペ


先日、トランプ大統領は「金正恩委員長と会談する意思ある」と明言しましたが、北朝鮮は依然としてアメリカへの不信感を強く持っており、両者が歩み寄るのは難しいとも言われています。万が一、北朝鮮が暴発してソウルが火の海になるようなことになったら、日本の現在の法律で在留邦人を救出することは可能なのでしょうか。今回の無料メルマガ『Japan on the Globe−国際派日本人養成講座』では、かつて異国の地で絶望を味わった体験者の話を引きながら、日本人が知っておくべき「苦い過去」を紹介しています。

半島有事に邦人救出はできるのか?
北朝鮮が暴発して、ソウルを火の海にする危険性が高まっている。韓国には3万人近い在留邦人がいるが、いざとなった時、日本政府は彼らを救出できるのだろうか?

在韓米軍はこの1月に米軍人の家族・数十名を沖縄に脱出させる訓練を実施したが、これら家族はその後も沖縄に留まっており、訓練を装った避難ではなかったか、という推測がなされている。また6月には韓国在住の米国民間人を海外に避難させる訓練を実施することが明らかになっている。

我が国の国会は森友学園や大臣失言などの「重大問題」への民進党の追求に振り回され、国民の生命と安全の問題には割く時間がないようだ。こんな状態で、一朝有事の際には米国が軍人家族や民間人を護るように、日本政府は韓国在住の我が同胞たちを救出できるのだろうか。

この問題については、門田隆将氏が『日本、遥かなり エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」』の中で、昭和60(1985)年のイラク・イラン戦争におけるテヘランの邦人救出、および、平成6(1994)年のイエメン内戦からの邦人脱出について、多くの関係者へのインタビューに基づいて事実を明らかにしている。

テヘランでの邦人救出とは、イラク空軍の空襲下、トルコ政府がエルトゥールル号遭難事件でのお返しとばかり、トルコ航空の飛行機を出して、邦人を救出した事件である。歴史に残る美談であり、この義挙を行ったトルコ政府とトルコ国民に対して日本国民としては深甚の感謝を捧げるのみである。

しかし、この美談は、日本政府が邦人救出の飛行機を出さなかったからこそ起こりえたのである。他の多くの国々のように日本も救援機を出していれば、我が同胞たちは粛々と帰国でき、トルコ政府も他国民のために危険を冒す必要もなかった。世界が称賛するトルコ政府の義挙の裏には、世界が唖然とする日本政府の不作為があったのである。

その日本政府の不作為の犠牲となりかかった我が同胞たちが、どんな思いをしたのか、その生の声を、門田氏は丹念なインタビューで拾い上げている。「日本、遙かなり」という一見、ロマンチックな表題は、実は戦争や内戦の中で、助けに来てくれない祖国の「遠さ」に絶望した在留邦人たちの叫びなのである。

朝鮮半島有事で、日本政府が救出に動かなければ、ここでも「日本、遙かなり」という絶望の叫びが発せられる恐れがある。すぐ目と鼻の先の隣国なのに。

は、窓ガラスなんですね」
1985(昭和60)年3月12日午前2時半、イラク軍機がテヘランを爆撃し、イラン軍が対空砲火で応戦した。その時、駐イラン公使の高橋雅二は自宅にいた。

3月12日未明のことですが、私は寝ていました。家族も寝ていました。爆心地からは、1キロか2キロはありましたが、それでもすごい音がして、グラグラッと揺れたんです。
(『日本、遥かなり エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」』門田隆将・著/PHP研究所)
高橋一家は、こういう事態に対して、備えをしていた。

実は、私がその家に初めて入居した時、壁に刺さっている窓ガラスの破片を見たんです。それは、私が入る前に、爆発で家のガラスが割れ、壁に突き刺さったものでした。

怖いのは、窓ガラスなんですね。それで、子供たちも全部、窓からずっと離れたところにベッドを置いて、窓の外の戸を閉めたうえに、内側もカーテンをギュッと閉じて、爆風でガラスが飛ばないようにしていたんです。

寝る時は、「今晩も爆撃がありませんように」と言って、その準備をするのを習慣にしていました。だから、12日の晩は、「ついに来たな」という感じでした。(同上)
テヘランの在留邦人約450人のうち3分の2近くが住む住宅地区でも、20戸ほどのアパート、住宅が破壊され、多くの住民たちが泣き崩れた。死傷者は分かっただけでも70人以上にのぼった。

「とにかくドイツ人を優先します」
田中新三・住友銀行テヘラン事務所長は、イラン暦新年の休暇を利用して、3人の子供と妻の家族全員の分のルフトハンザ便3月17日発のチケットを予約していた。しかし、3月16日の朝に日本から入ってきたテレックスに、田中は青ざめた。「確認できないが、明日の臨時便をもって、ルフトハンザがサービスを中止するとの噂あり」というのである。

田中はその足で、テヘラン市内のルフトハンザ事務所に駆けつけた。ごった返している所内の人混みをかけ分けて、ようやくカウンターにたどり着いた田中に、イラン人の所員は「この便はキャンセルされました」と答えた。「待ってくれ」と食い下がる田中に、所員はこう説明した。

あなたがお持ちのルフトハンザのコマーシャルフライト(通常便)は、キャンセルになったんです。飛行機は飛んで来ますが、それは、ドイツの国としての救援機なのです。したがって、あなたのコマーシャルフライトの予約は、無効です。
(同上)
それでも本来のチケットを持っているのだから、救援機に優先して乗せてくれ、と田中は必死に食い下がった。3歳の幼子を含めて3人の子供をこの空襲下のテヘランに置いておくわけにはいかない。しかし、イラン人の所員は、こう繰り返すだけだった。

とにかくドイツ人を優先します。座席が余るようでしたら、ほかのヨーロッパの国の人を優先します。さらに座席が余った場合は、イラン人と日本人も収容できるかもしれません。
(同上)

「日本はなぜ救援に来てくれないのか」
朝から夕方まで粘って、所員はようやく「座席が余ったら、あなた方の予約を入れます」と言ってくれた。この時、英国空港、スイス航空、イタリアのアリタリア航空などでも、同じ状況だった。田中は、この国際社会の激しい現実を見て、こう思った。

それが、現実なんです。しかも、ほかのヨーロッパの国の人をドイツ人の次に優先します、というわけですから、日本という国は、ドイツから見てもその程度の扱いなんだ、とわかりました。

それとともに、やっぱりJALが来てほしいなと思いましたね。だって、ほかの国は、はっきりと「国として救援機を出すんだ」と言っているわけですからね。日本はなぜ救援に来てくれないのか、と正直、思いました。
(同上)
夫から事情を聞いた妻の玲子も、暗澹たる思いになった。

ほかの国はそうやって自国の国民を一生懸命、助けようとするけど、日本は自国民を助けてくれない、と切実に感じました。
(同上)
翌日、早朝から一家は空港に行った。空港の前まで人があふれていた。だいぶ待ってから、ようやく建物に入ることができた。チケットは持っていたが、予約のないドイツ人や他のヨーロッパ人が駆けつけたら、すぐにキャンセルされる。昼近くになって、ようやく「もう(ドイツ人は)来ないから、いいでしょう」と言われた。

しかし、その後も厳重な出国手続き、荷物チェックを受け、搭乗待合室から、待機しているルフトハンザ機を見て「これで大丈夫だ、となった時には、本当に目眩(めまい)がしました」と田中は語っている。

チケットを持っていた田中一家は運が良かった。他の在留邦人は、脱出する手立ても見つからないまま、その17日夜8時、イラク空軍からの「48時間後、イラン全土上空を『戦争空域』に指定し、民間機も攻撃を受ける可能性がある」との発表を聞いた。それまでに、なんとかイランを脱出しなければならない。

翌朝、ほとんどの在留邦人は空港に駆けつけたが、どこのカウンターでも返ってくる返事は「ノー・ジャパニーズ」だった。絶望に包まれた中で、トルコ航空が日本人の救出に来てくれる、という情報が流れた。伊藤忠・イスタンブール事務所長の森永堯(たかし)がトルコの首相に掛け合ってくれたのである。

「これは、やはり、政府がきちっとやるべき問題なんです」
公使の高橋雅二は、着任して挨拶にくる各企業の幹部に、常々「日本政府は何もできない。日本国からの飛行機は飛んでこない」と説明していた。

たとえば、ほかの国では、エマージェンシー(緊急事態)になったら、やって来るパイロットは皆、軍人なんですよ。通常のフライトはキャンセルされて、全部、特別便にして軍人が操縦してくるんです。決して、民間のパイロットではありません。しかし、日本の場合は、自衛隊の人が海外に出ちゃいけない、ということがあり、そういうことがまったくできないんです。
(同上)
外務省は日本航空に救援機派遣の検討を依頼していたが、日航は「安全が保証されない」として、乗り入れは断念した。高橋は「私は日本航空の責任にするのは、酷だと思うんですよ。これは、やはり、政府がきちっとやるべき問題なんです」と述べている。

高橋公使も、その上司の野村豊・駐イラン大使も、それまであらゆる機会に「何か起こったときは、日本人を頼みます」と各国の大使に頭を下げていた。これに対して各国の大使は、こう答えていた。

なんでそんなことで、日本の大使が頭を下げなければいけないのですか。何かあれば、日本も自分の国で救援機を出すのが当たり前でしょう。なんなら、軍用機も出せばいいではないですか。
(同上)
「(邦人)救出」は他国領土に踏み込む危険な任務」
なぜ、日本国は日本の救援機を出せないのか。左翼の反対で法整備が進まないからだ。たとえば、日本共産党の機関誌『赤旗』は、「邦人救出」への自衛隊の派遣について、次のような主張をしている。

「(邦人)救出」は「(邦人)輸送」に比べ、「武器の使用が想定される場合が多い」(3月13日配布の政府資料)とされるように、他国領土に踏み込む危険な任務です。

そもそも在外法人保護は在留先の政府に一義的責任があります。待避が必要な場合は渡航情報などをもとに自主避難し、さらに緊急の場合は日本政府が民間機などをチャーターする方法もあります。
(『赤旗』2015年4月4日)
テヘランで「日本はなぜ救援に来てくれないのか」と叫んだ人々から見れば、こんな物言いこそ現実を無視した左翼的空想の産物である。そもそも「他国領土に踏み込む危険な任務」と言うが、その地に取り残された在留邦人たちの「危険」はまったく念頭にないのである。


「『大きな犠牲』が生まれるまでは」
テヘラン事件の教訓として、安倍晋太郎(安倍晋三現首相の父親)外相の提言で、政府の判断ですぐに救出に向かえるよう2機の政府専用機が導入された。しかし、問題は機材ではなく、法制の壁だった。

平成27(2015)年に成立した平和安全法制で、ようやく在外邦人の「輸送」だけでなく、「救出・保護」が自衛隊の任務に加えられたが、それを許す諸要件には、以下が含まれている。

当該領域国が公共の安全と秩序の維持に当たっており、かつ戦闘行為が行われていないこと。
当該領域国の同意があること。
北朝鮮軍がソウルに砲撃を行い、当然、韓国軍が反撃したら、「戦闘行為が行われていないこと」という条件に引っかかって、自衛隊は邦人救出に行けない。しかも邦人保護のための自衛隊派遣に韓国メディアは猛反対しており、韓国政府がそれを振り切れるかどうかも分からない。従って現行法制内では朝鮮有事の際に、自衛隊は邦人救出に行けないのである。

かつて、ペルー日本大使公邸占拠事件で、日本企業駐在員らと127日間の人質生活を送った青木盛久・元ペルー大使は、こう語っている。

邦人救出のために、自衛隊機も行くことができ、そして、そこで何があろうと、自国民を救い出してくる。そういう選択肢をたぶん日本は、「大きな犠牲」が生まれるまでは、持たないだろうと思うんですね。

つまり、その選択肢を持っていなかったために、海外で、多くの邦人が命を失うということにならなければ、国民の意識は変わらないと思います。だって、集団的自衛権の極めて限定的な行為を認める法律でさえ、これだけの騒ぎになるんですからね。
(同上)
「大きな犠牲」が生まれるまで、世界中の国が行っている自国民救出という当然の責務を果たすことさえ法的にできない。その法制の問題を論ずべき国会が森友学園問題などで空転している間に、数百、数千人単位の「大きな犠牲」が生まれる「危険」がひたひたと押し寄せているのである。

文責:伊勢雅臣

以上、引用終わり。





>>>なぜ、日本国は日本の救援機を出せないのか。左翼の反対で法整備が進まないからだ。

>>>なぜ、日本国は日本の救援機を出せないのか。左翼の反対で法整備が進まないからだ。

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