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2015年08月17日20:15

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村山元首相の最大の役割は、自衛隊を合憲と認めた事【かんべえ先生(吉崎達彦)のブログより、、、】

<8月15日>(土)

○昨日発表された安倍談話は、不肖かんべえが事前に「こんな風に言ってくれればいいのにな・・・」と思っていたような内容でした。

○まあ、だいたい予想のついたことですが、これだけ安倍さんが中道に歩み寄ったのに、右からは批判する声が聞こえてこず、左側はなんとかこれを貶めたくして仕方がない様子。さっそく韓国はいろいろ文句を言っているようですが、そんなのは想定の範囲内というもので、韓国がもろ手を挙げて歓迎するような談話は、日本国民の大勢が拒否するでしょう。

○この安倍談話の一番のお値打ち点は、これが閣議決定されたことで、向こう10年くらいは右の側から歴史認識問題で現状に挑戦する人は現われなくなる、ということです。なんだかんだいって、日本の保守勢力は「安倍ちゃん」が好きなので、内心はいろいろ含むところがあっても、批判は呑み込んでしまうでしょう。もっと言ってしまうと、「これで日本ではリビジョニストが絶滅危惧種になる」ことになる。日本外交の弱みがひとつ消えるわけです。

○安倍晋三さんが個人としてどのような信念をお持ちであるかは別として、これで日本国首相の歴史認識は村山談話(1995年)と安倍談話(2015年)の中間のどこかにある、ということになります。まあ、それは国際的にみて許容範囲でありましょうし、日本国民としても十分にコンセンサスが取れる範囲でしょう。安倍談話の効用は、わが国政府の歴史認識の安定性を保証したことにあります。

○これとは全く逆のケースが、1994年に村山富市氏が首相に就任した直後に、「自衛隊は合憲」「日米同盟は堅持する」と言ってくれたことです。あれで日本社会党とその支持者たちは、「自衛隊違憲論」をおろさざるを得なくなった。まあ言ってる人たちも、できないことを承知で言っていたわけですけどね。憲法学者たちでさえ、あれ以後は「違憲論」を言わなくなりました。日本の安保政策が大いなる安定性を勝ち得た瞬間でした。文句なく、総理としての村山さん最大の功績だと思います。

○その村山さんご自身は、安倍談話に対して「さっぱりわからん」「談話は出す必要がなかった」などとご不満の様子です。それって上記のような理屈に全く気付いておられないからでありましょう。あるいは単に、ご自分の談話の値打ちが減ったような気がしておられるのかもしれません。でも、政治の世界には、「右だからできること、左だからできること」というものがあって、今回の安倍さんはその勇気を発揮したのだと思います。つまり仲間内から、「裏切り者!」と呼ばれるリスクを冒したということです。

○右も左も、向こう側がそういうリスクを取って、事前の相場観よりも自分側に歩み寄ってきたときは、素直に相手を称えられるようであってほしいと思います。かつて岡崎久彦大使は、鳩山由紀夫首相が普天間基地の辺野古移転を決めた時には、「鳩山さんは自分の誤りを認めたんだから、褒めなければいけない」と言っていたんだけど、そういう声が左側から聞こえてこないのはちょっとさびしい気がします。まあ、その後の鳩山さんについては、言わぬが花というものでしょうが・・・。


○読売新聞の細かなデータは未発表なので、共同と産経の基礎データを下記にあげておきましょう。
  内閣支持 不支持 自民党支持 民主党支持 支持政党なし
(共同通信)          
2015/7/17-18 37.7% 51.6% 31.9% 11.2% 39.3%
2015/8/14-15 43.2% 46.4% 35.0% 10.5% 39.2%
  +5.5p ▲5.2p +3.1p ▲0.7p ▲0.1p
(産経新聞)          
2015/7/18-19 39.3% 52.6% 33.7% 9.8% 38.0%
2015/8/15-16 43.1% 45.0% 35.8% 10.8% 32.8%
  +3.8p ▲7.6p +2.1p +1.0p ▲5.2p
(読売新聞)          
2015/7/24-26 43% 49% 36% 8% 44%
2015/8/15-16 45% 45% 37% 10% 39%
  +2p ▲4p +1p +2p ▲5p

○これらの数字が意図するところは明快で、安倍談話は成功だったということになります。
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