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2019年03月26日19:00

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『U-18 シアタープロジェクト』by鳥取県文化復興財団プロデュース創作公演第弾4弾 

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@米子市公会堂 大ホール
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3/23、山手線の始発で出掛けて行った目的が、この2公演の観劇。

鳥取県内18歳以下の若者が講師指導のもと、
約1年をかけて創り上げた新作戯曲2本を、
鳥取県内18歳以下の若者がキャストとなって、
監修・演出に著名な演出家「宮田慶子」氏を迎えての
演劇公演に、鳥取出身の岡田さんが客演すると言うのだ!
鳥取県演劇連盟会長の「尾上貴尉」氏に乞われて、
高校生たちに協力しようと思われたのだろう。
これはナンとしても行かずにはいられない!

ということで、
観劇以外の小さな旅レポはいずれ別途UP。
まずは観劇レポを。

3/23(土)
『動かない電車に乗って』18:00〜18:45
『a n t』19:00〜19:45
アフタートーク 20:00〜20:30
<観劇19 04>  <観劇19 05>

3/24(日)
『動かない電車に乗って』14:00〜14:45
『a n t』15:00〜15:45
<観劇19 06>  <観劇19 07>



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『動かない電車に乗って』
作:吉田はるか
その動かない電車には、小谷と古川(尾上貴尉 客演)、たった2人の男だけが
乗っている。
正体不明のガスが街に流れ込み、人々はみな逃げ出し、
当然、電車も突然停まってしまい、乗客も逃げ去ったのだ。

古川はのんきに酒や女の話をふってくる。
妻と娘がいるらしい小谷は、こんな情況なのに、
なぜか家族のもとに向かおうとしない。

そこに若い男・斗真が現れる。
斗真は恋人を案じ、彼女のもとに向かう途中だと言う。
彼は山の上のとある化学工場で働いている。
いっそ山を越え、隣町に逃げようかと言う斗真。
それを小谷は必死で止めようとする。
なぜ?!
謎のガスはどこから出ているのか? 

あ!斗真は気付いた! 
小谷はあの化学工場の工場長だ!
何を知ってる?
斗真が小谷に詰め寄ったとき、少女が車内に!
父を捜しに来た小谷の娘「美優」だった!!
父の無事を確かめてホッとしたのもつかの間、
斗真の言葉で
有毒ガスの発生源が父の工場と知り、ショックを受け走り去る。
それを斗真が追って…
残された2人。
小谷は今後、ガス事故の責任を問われることを恐れ
このままガスを吸って死ぬ事を考えていた。 
しかし、実は工場の労働者だった古川が、
ガス事故時もろにガスを吸い、自分はもう助からないが
生きられる小谷は死んではいけない!
妻と娘のため、これからどんなに辛くても生き残らねばならないと
小谷を説得する。
そこに戻ってきた古川と美優。
自身の責任を果たすという小谷の気持ちを美優と斗真は受け入れる。
そして、古川もみんなで助けると言う。
3人の想いを受け入れ、古川も立ち上がり…
4人で、電車の外に1歩、踏み出す。



『ant』
作:北口麻賀
安藤たくみは“アント”とあだなされる高校生。
彼は夏休みの生物教室で蟻の飼育ケースをじっと見つめていた。

突然、TVドラマから抜出したような熱血新任教師「琴爪」が現れ!
今日から自分が生物部の顧問だと言う。
先輩教師の「大島」(岡田達也 客演)に、生物部の現状を知らされた琴爪。
部員に、最近マンションから落ち意識不明の女子「ゆうか」がいることや
「けんじ」が「たくみ」に執拗に嫌がらせをしていることを知り、
まず、たくみを救おうと動き出す。
琴爪はかつていじめられていたが、熱血教師「大島」に救われ
今、自身も教師になったのだ!
そして、たくみに積極的にアプローチを試みる琴爪。
しかし、たくみは心を開くどころか、琴爪に
― 僕は先生みたいな人、嫌いです。― と言い放つ。

落ち込む琴爪に、大島は、
「生徒の心など理解できない!」と思いもかけない事を。
大島には、
手を差し伸べた生徒を結局救えず、自殺されてしまった事があり、
それ以来、生徒との関わりに深く踏み込む事をやめてしまったのだ。

それでもあきらめない琴爪は、
教師に不信感いっぱいのけんじから真実を聴き出す。
周囲にいじめを受けていた たくみに寄り添った ゆうか。
しかし、ゆうかを殴るよう強要され、
たくみはみんなの中でゆうかを殴ったのだ。
そして、その事実をけんじは大島に伝えたのに、
大島がもみ消したと言う。
それを知って、
琴爪はたくみに。
「殴りたくて殴ったわけじゃないのは、ゆうかもわかってる!」
と、寄り添おうとすると、たくみは叫んだ!
「2人だけになって、そう言って怒っていないよと言ったゆうかが、
どんな事をされても怒らない、黙っている…
僕は蟻だった!
そんな、僕の大嫌いな僕にゆうかが重なり、
もう1度殴ったんだ!」
「先生には、いじめるツラサがわからないだろう?!」
そして、ずっと面倒をみてきた蟻の飼育ケースを倒し!

何事かとやってきた大島に、琴爪は事情を話す。
「だから、生徒を理解しようなんてするな!
生徒も自分も傷つける!」
という大島に、
「それでも、教師は生徒を理解しようとすることを止めてはいけない!」
「僕は!大島先生に救われました。」
そんな琴爪に、大島の頑なな心も少しゆるんだ。
「校長に話してみるよ。」
「あ、ゆうかの意識が戻って、たくみに会いたがっているそうだ。」

琴爪は、たくみを呼び出し、
真摯に、思いをわかったような事を言って申し訳なかった、と謝った。
そして、彼がぶちまけた蟻の巣の残骸の中に
生きている蟻を見つけ、
「蟻には、生きようという自分の意志があるんだ!」
そしてゆうかの意識が戻った事を伝え、会いに行け!と背中を押し、
押されたたくみは生物教室を飛び出していく。




      =====<アフタートーク 3/23 30分>=====
始め、宮田さんと司会2人で登場。
始め、この企画にどんな感想を?と聞かれた宮田さん、
18歳以下の戯曲教室の生徒が書いた脚本で公演?!
挑戦的!冒険的!としか思えない。
多数の人間を1人で文章で描く、
これ、大人が苦しんで苦しんで産み出す物ですから。
しかし2本に絞って手直しは入れるけれど
かなりレベルの高いものだと思った。
それをもっと、追い詰めて追い詰めて本当に書きたい物が見えてくる。
「ant」では、成長するのは生徒だけではない。
教師も成長しているんだ、ということ。
「電車」では、誰かが負うべき「社会的責任」という物の存在。
それらを見つめる若い視点の鋭さは見事。

ここで、芝居を終えた岡田さん、安森くん(琴爪)、吉持くん(小谷)登場。
鳥取出身の岡田さんに話が振られる。
鳥取で公演するのは初めて!
凱旋公演?!(笑) とにかく嬉しい、とのこと。
宮田さんとも初めて組んで、ここで仕事ができて、
本当に嬉しい。
自分の17〜8歳を思うと、なんて凄いと驚愕。
でも、楽屋の男子は「猿」です。(笑)
それにしても、みんな良くやった!

安森くん) ゲネと本番の違いが凄い!
お客さんが入るってこういうことなんだ。
アニキ(岡田さん)が居たからできた。いっぱいお世話になった。
(耳〜顔が赤くなり、岡田さんにいぢられ… 
キンチョーするとこうなんです、とワタワタ)

吉持くん) 初日、汗でメガネを飛ばしてしまって、
緊張していてうまく掛け直せなかった。
18歳で娘も妻も居る44歳を演じるって…
背中が素晴らしかったと岡田さん宮田さん、共に絶賛!
「役作り」って難しいですとのこと。

岡田さんが宮田さんに
普通に演出するのと、高校生に演出するのと
どう違う? 加減してます?
傍で見てると容赦ないんでビックリしていたが。
君たち、心、折れない?
安森くん) 言葉は優しいけれどスゴイこと言われて
心、折れました。

どうしてその台詞そうしゃべった?
情景はどうなってるの?と矢継ぎ早に
1人に集中打でボコボコにされた時は
「俺は最低」 「俺はゴミだ」 というところに落ち着いて…
ここで生きていけばいい、と…
これには岡田さん、宮田さん、観客、大爆笑。

宮田さんは、
私、怖い人と思われても、
高校生たちに絶対覚えて欲しい事があった。
巧く、カッコつけようとするな!
自分の言葉で台詞をしゃべろ!
あなたの!言葉が聞きたい!
今、18歳以下でスタートして、間違わない方向に進んでほしい。
今、知った、演劇の面白さは宝物だ。

最後に、公演前と後で変化は?
安森くん) 心折れてからの立ち直り方を学んだ。
18歳で体験できて自信を得て、幸せでした。
吉持くん) 演劇の愉しさを知った。
ダメダシされるのも愉しかった。
卒業後、役者でないにしても、地域の演劇、高校演劇に関わりたい。

その言葉に、鳥取の演劇はこれからますます安泰!と
大人たちは盛り上がってまとまった。
      ===================


高校生の脚本…
当初、どんなもんかな〜?
と、宮田さんと同じことを思い、
ま、舞台上に“居る”岡田さんを観に行くと思えばイイか?
なんてぇ思って、今までほとんどご縁の無かった山陰にやってきたけれど、
いやいや、お見事! 失礼いたしました!!m(__)m
18歳でドーしてこれだけのものが書けるのだろう?!
驚愕!
そんなシッカリした、観客を納得させる舞台だった。
たしかにまだ粗削りな所はあるけれど、
私は、前日に観たキャラメルボックスの芝居より面白かった。

45分の芝居って、スッゴイ文章量よ!
登場人物に性格を与え、背景を与え、
筋立てに添って登場人物を動かし…

そんな、18歳が書いた脚本を18歳の役者が芝居にする。
厳しくて有名な宮田さんのお稽古を
本当によく耐えたらしい。(笑)
そして! 吸収力が凄いと宮田さんが仰ていたが、
本当に、2公演とも、23日初日から24日に
1日でグン!と目を見張るほど進化している!
観客が入ったことで、彼らは観客からパワーを吸収したらしい。
若いって素晴らしい!!
岡田さんや尾上さんが無理して合わせる必要が無い
キチンとしたイイ芝居。
本当に良い物を魅せてもらった。

※ 公演を終えての岡田さん!
  今回は打ち上げはアルコール抜きだったのかしら?
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