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2020年02月28日14:06

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初恋の扉

フォト




ルイーズは、まだ16才




恋の扉は開かれたばかり





母 マルグリットの心など知らず




バラの固い蕾のような夢ふくらむ年頃




ふっと息を吹きかけたら 





どこへとも飛んでいくような





そんな儚い    




綱渡りのような人生だったけれど




薔薇色の夢のような雲を踏む




夜ごと、夢色に輝く夜会服を纏い



頬にはサンゴ色のチィーク



フォト




髪はシューのように結いあげて




胸躍らせながら 恋の舞台で夢心地で踊る




噂のドン・ファンだと初めから知ってたの




心密かに 想い募らせていたの




仮面をつけてたって すぐにあなただってわかったわ





わたしの運命の王子様なんだと





少年のような甘い微笑みは 危険な誘惑




夜空に舞飛ぶジョセフィーンのように、溶けていく呪文





心地よく響く軽やかな靴音に心ときめき




細く長いその指は わたしを愛するためにあると思ったわ



フォト




恋のうわさを聞くたびに 胸が痛んだけれど




愛しているのはわたしだけだと信じていた 




何もかもが 初めてだったから




夢の中の出来事だっだと知って 


フォト




ひとり冷たいベットで泣き明かしたの




国中の教会という教会の鐘が海辺まで響きわたる中を




ひとりぼっちで… 彷徨う



花咲き乱れる四月のダイヤモンドシティ




ひとりぼっちで… 彷徨う




若葉萌える五月のエメラルドグリーン




フォト





指の隙間から涙こぼれる六月の真珠の耳飾り





出来るものなら




あなたがずっと愛してといったあの言葉を





信じられた少女の頃に戻りたい





遠い国の王女様が厳かにベールをかぶり


フォト



あなたへと続く バージンロードを歩いていく






セピア色に滲む追憶は   




壊れたフィルムのように何度もリピートする





遠くで鳴り響く稲妻を聴きながら  静かに閉じていく初恋の扉




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