「Switch在庫あるが店頭に出せない」「万策尽きた」“転売ヤー”に苦しむ販売店員の悲鳴が話題に 投稿者に現場の実情聞いた
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「ぶっちゃけSwitchの在庫はあるが、転売屋のせいで店頭に並べることができない」という、ある販売店員の告白がTwitterで波紋を呼んでいます。編集部ではツイートの投稿者に取材し、詳しいお話をうかがいました。
【「万策つきた」ツイートまとめ】
話題となったツイートが投稿されたのは7月27日のこと。ツイートは「(Nintendo)Switchの在庫問い合わせが増えてきたので現状をお伝えします。ぶっちゃけ在庫はあります。でも店頭に並べることができません」という告白から始まり、販売店がいかに転売屋に悩まされており、そのせいでどのような被害が生じているかを、13ツイートにわたって(その後の追記も含めると17ツイート)詳細につづったものでした。
ツイートの内容を要約すると、次のようになります。(全文は3ページ目に掲載)
・Switchの在庫はあるが、転売屋が買い占めてしまうので店頭に並べることができない
・店側としてもさまざまな対策を講じてきたが、どれも効果がなく万策尽きた
・購入するための「ダミーカード」を偽造されたり、売れないと伝えると「仲間を集めて店に来るぞ」と脅迫も
・入り口で一般客にお金を渡し代理購入させるケースもあった
・現在はどれだけ在庫があっても「ありません」と案内している
・「欲しい時に欲しい物が適正価格で買える」という環境が転売屋と購入者によって破壊されている。その片棒を担がないで
ツイートによると、販売店側も複数購入防止のためダミーカードを手渡しするようにしたり、同じ客には売らないようにしたりとさまざまな対策を講じてきたとのこと。しかし、ダミーカードを偽造しようとしたり、一般のお客に声をかけて代わりに購入させたりと、転売屋側もあらゆる手段でこれを突破しようとしてきます。また、ついには「仲間を集めて店に来るぞ」と脅されることもあり、現在はやむを得ず、どれだけ在庫があっても「ありません」と案内するしかなくなってしまったそうです。
最初の投稿はこれまでに8万回以上リツイートされており、「転売ヤーはマジで滅びろ」「同業者だからわかる」など、投稿者に同情する声や、転売屋への怒りをあらわにする声など、さまざまな意見が寄せられました。
なぜこのような投稿を行ったのか、編集部では投稿者の“やまだえれき”さんにお話をうかがいました。
●転売横行「いいことは何もありません」
―― やまだ様の立場について、可能な範囲で教えていただけますか。
やまだえれき:僕自身は家電を販売する担当なので、ゲームや玩具は担当ではありません。これ以上の詳細は伏せさせてください。
―― 「ぶっちゃけ在庫はあります」と書かれていましたが、これは文字通り、店頭に出せていないだけで、店に品物はあるという意味でしょうか。
やまだえれき:はい、文字通り店舗内にあります。
―― Switchの転売が増えたのはいつごろからですか。
やまだえれき:発売当初が最も多かったと記憶しています。2017年の春ですね。それから1年ほどして在庫が安定するようになってくると鎮静化しましたが、今年(2020年)の2月くらいから少しずつまた入荷しづらくなり、在庫が枯渇するようになりました。そのくらいの時期から再び転売ヤーが増えてきたと思います。
―― 転売が横行することで具体的にどんな悪影響がありますか。
やまだえれき:電話での問い合わせが激増します。それ以外の目的で来店しているお客さまもいる中で、鳴り続ける電話をさばくのはとても大変です。また、品ぞろえが悪いという印象がお客さまに残りますし、販売機会の損失にもつながり、いいことは何もありません。
―― 現在のSwitchの価格高騰に、こうした転売は影響していると思いますか。
やまだえれき:転売相場を詳しく知らないので不正確かもしれませんが、大いに影響していると思います。正規店にないのを分かっていての価格設定だと思っています
―― ここで言われている“転売ヤー”というのはどのような人たちなのでしょうか。転売目的のただの一般人なのか、それとも完全にプロなのか。
やまだえれき:基本的にはそれを“なりわい”にしていると思われるプロです。それに便乗している小遣い稼ぎのような方も見受けられますが、今回話題に出した「代理購入依頼」をしていたのはプロですね。
―― 他店のように抽選販売などを行う予定はないのでしょうか。
やまだえれき:3月に発売された「あつまれどうぶつの森 同梱版」は会社全体で抽選販売でしたが、“本体のみ”は先着販売ですね。今僕が所属している店舗では予約も販売もしていません。「在庫なし」のご案内で徹底しています。
―― 昔と比べて転売の手口が深刻化しているような印象はありますか。
やまだえれき:僕が入社した当時から転売ヤーはいました。そのときは一眼レフやiPodなどを商材にしている業者が多かったです。しかし、正規店で入手する以外に仕入れルートがなかったので、われわれ販売員と仲良くなろうとする業者が多く、積極的にトラブルを起こそうとする人はいませんでした(それでも転売ヤーだと分かっていて売るのは不正とされていたので2台目以降は販売しませんでした)。最近の転売ヤーは利己的で、とにかく自分たちさえ良ければ周りはどうでもいいという人が多いように感じます。
―― やまだ様としては会社の現在の対応について適切だと考えていますか。
やまだえれき:仕方ない部分はありますが、理由はどうであれお客さまにウソをついてるのはよくないし、気分は悪いです。僕個人の意見としては、一般客には隠さずに売るべきだと考えています。しかし、僕の独断で販売はできませんので今後も今までと同じく「在庫なし」の案内に徹することしかできません。
―― 今後どういう状況になれば今ある現在の在庫を出すことができると思いますか。
やまだえれき:画期的な転売ヤー対策が完成すればすぐにでも再開できると思います。でもそれも難しい。今回のツイートで反響があって会社が動く可能性もあるかもしれませんが、今のところは何ともいえません。
やまだえれきさんはその後、投稿が広く拡散されたことを受け、次のようにもツイートしています。
「販売店はただ物を売っているように見えると思います。実際その通りです。しかし、突き詰めていくと商品を販売することでその商品を通じた体験をお客様に提供しているのです。今回の件で言えばゲームで得られる楽しい体験や時間がそうです。転売ヤーに売ろうが一般のお客様に売ろうが利益は変わりません。しかし、この「体験」の部分が全く異なるのです。(中略)欲しかった商品を買いに行った時のワクワクした感じ。その商品を実際に使って得られた様々な体験。皆さんにも身に覚えがあると思います。我々は商品と共にそういうものを提供しています。どうか邪魔しないで。」(やまだえれきさん)
転売が横行する背景には当然、“転売された商品と知りながら買ってしまう消費者”の存在もあります。販売店としては今後どうしていくべきか、やまだえれきさんに尋ねると「悪質な転売ヤーがたくさんいることを公表し、一般客にも理解と協力を求めるべき」とコメント。しかし、最終的にはやはり「転売ヤー対策をした上で、購入希望者の良心を信じるしかわれわれには手がありません」とも語りました。
資本主義とか普段使わない言葉遊びしてるのがいたけど、ソイツがメーカーに利益還元したか?
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