mixiユーザー(id:302817)

2020年04月05日12:19

114 view

質問2つ:茶色いアカアシカツオドリ、キジバトのヘルパー

博物館は臨時休館中なので、来館者からの質問はないし、電話での質問もほとんどない。メールでの質問も少ない。でも、知り合いは、臨時休館中でも学芸員は働いてるって知ってるので、質問をしてくる。ここ数日、ちょっと難しいけど、面白い質問がやってきた。

一つはアカアシカツオドリの質問。近頃はアカアシカツオドリが関西でもよく観察されるようになってきた。かつては超珍しかったのになぁ。で、茶色いアカアシカツオドリを撮影したのだけど、幼鳥だろうか褐色型だろうかという質問をもらった。
ぜんぜんしらんかったけど、アカアシカツオドリって、海鳥は思えないくらい色彩多型が激しくてややこしい。白色タイプと褐色タイプ、それぞれに尾の色が白タイプと黒タイプ。そして、日本の図鑑では、いくつかあるmorphの説明がはしょられていて使えない。
海外の図鑑をいくつか見た限りでは、幼鳥かどうかの判断は脚の色でできそう。脚が赤ければ成鳥、黄色っぽければ幼鳥。ただ移行途中もあるだろうから慎重な判断が要りそう。そして、外見は幼鳥なのに繁殖した!てな事も書いてあったり。ただ、問合せの個体は、顔がピンク色っぽいのは成鳥っぽいけど、少し黒みがあるので若いのかも。

もう一つは、キジバトにヘルパーってあるんですか?という質問。キジバトについての質問を私に振ってくるとは、なかなかお目が高い。とばかりに、いろいろ推測してみた。
質問の根拠となった観察は、どうも巣の近くにいる個体が3羽いる。って点。考えられるのは3つだろうか。
1:キジバトは巣の周辺にあまり広くないなわばりを持つだけなので、繁殖密度は時にけっこう高くなる。端的に言えば、となりのペアが比較的すの近くにいることはありえる。
2:食物が集中している場合は、複数ペア、なわばりを持たない個体が集まって採食するし、その周辺で休憩する。その周りになわばりを持ってるペアからしたら、近くに他のキジバトがよくいる状況がうまれがち。そして、なわばり行動をしない侵入者なら、許容することがあるかも。とくに観察しているのが昼間なら、オスが抱卵中なので、なわばりのガードは甘くなりがちかも。
3:“近所の電線とかに並んでる”2羽は、ペアか巣立ちビナの2択です。キジバトは上手く行けば営巣を繰り返しますが、前の営巣の巣立ちビナの世話をしながら、次の抱卵に入る(クラッチオーバーラップ)。クラッチオーバーラップしていたら、営巣している巣の近くに、前の営巣で巣立ったヒナがいることはあり得る。
個人的には3がオススメ。成鳥かどうかを確認すればそれは判断できる。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する