『カベ』
見えないし、さわれないけれど
確かにそこにあるのはわかる
前後、左右と上にはあるけれど
下にはないから、支えにならない
抱きしめてみても
皮膚とは別に隔てるカベ
がんばってみても
能力とは別に隔てるカベ
でも、そんなカベの内側は
おだやかでやすらげる場所
この狭苦しい四畳半のように……
ああ、カベを望んだのは僕だ!
都合のいい人だけいてほしい
都合のいいときだけ在ってほしい
都合よくカベを作り、消したいと思う
都合のいい僕の「都合の悪いカベ」
2019年2月20日作
2019年4月28日ラジオNIKKEI『私の書いたポエム』放送分
【あとがき】
あんまり読後感も良くないですが
思ったことを吐き出してみました。
「社会に漂う閉塞感」は
個人の中の「閉塞感」の集合なんじゃないかと思います。
仕事が一段落したら、ぱーっと旅行でもして
羽根を伸ばしたいなと思っています(笑)
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