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2019年12月16日16:54

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移動速度の追求本能

■エスカレーター「両側立ち」はなぜ普及しない? 「横並びで乗ったら舌打ちされた」という声
(キャリコネ - 12月16日 12:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=5903700

エスカレーターの片側を歩いて昇降する人のために空ける、という風習が日本に入ってきたのは、一説によると前回の大阪万博の前夜だと言われています。
前回の大阪万博は、1970年開催ですからそれ以来50年、半世紀が経過しています。
その期間の大半において、エスカレーターを設置している施設では、そうした利用法を「推奨」してきました。
急いでいる人のために道を空けるという考え方はある意味理に叶っているところがあったため、比較的早くこの風習は浸透して行きました。
また、エスカレーターを製造している側も、今では「絶対禁止」と言っていますが、自分たちが作ったものがそのようにして利用されていることを知りながら「黙認」してきたところがあります。
言って見れば、世を挙げてこの習慣をこの国に広めてきたわけでです。
半世紀にわたって推奨されて普及したものを覆すのは容易ではありません。
その行為自体が理に叶っていなければ比較的早く新しい習慣に置き換わるのでしょうが、そうではないだけに厄介です。
「エスカレーターを駆け上がったり(降りたり)するくらいなら5分早く家を出ろ」というのは正論です。
ただ、それが出来れば誰も苦労しないよ、という感想の方が多いでしょうからあまり説得力がありません。
また、2列に並んで乗った方が全体の移動効率は上がると言われるのですが、これもその施設全体を考えてのことであって、個々人にとってのメリットはあまり感じられません。
走るのは論外として、歩いて昇降する程度ではエスカレーター自体が壊れるということもありません。
逆に、全ステップに2人ずつ成人が乗った場合、その重量に耐えきれないという問題もあります。

本来人間は他の動物に比べて移動速度が遅いというところがあります。
それでも、何とか早く目的地に着きたいという欲求は強くあります。
その思いが、高速道路や新幹線、飛行機を生み出してきたことも事実です。
やがてリニア新幹線が東京と大阪を1時間で結ぼうとしています。
「東京−大阪間は半日、一日かけて移動出来れば十分だよ」という人はやはり少数派にしかなりません。
多くの人は、早く移動出来る手段があればそれを使いたいと考えます。
大袈裟に言ってしまえばエスカレーターもそうした欲求に合致してしまったから現在の姿があると言えなくもないでしょうね。

それでも最近は立ち止まって乗る人たちが増えてきているのも事実です。
ただ、それはあくまでも片側なので止まって乗る人の列が、歩く側の3倍くらい長くなっています。
だからまた半世紀をかけて新たな習慣が根付いて行くのかもしれませんね。
それでもエスカレーター移動に速度を求める人が一定数はいるのですからその欲求を満たすエスカレーターの開発もするべきだろうとも思っています。
現代は、設置者の責任が強く問われることもあって、安全を追求しているところがあります。
「責任を問われるのはイヤだから止めてくれ」という考え方の方が強く感じられることも歩行禁止の普及を遅らせている一因かもしれませんね。
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