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2020年04月01日08:43

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3月の読書記録

 先月は職場で急に欠員が出て、シフトがきつくなったのと、去年末から読んでいる失われた時を求めて』を読了するのに若干てこつずっていたために、6千ページいかなかったか。ナイスの数も可も無し、不可も無しという感じ。とりあえず『失われた〜』を読了できたからよしとするか。

2020年3月の読書メーター
読んだ本の数:15冊
読んだページ数:5365ページ
ナイス数:163ナイス

https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly
■瞬きよりも速く
ラノベぽい表紙の影響もあってか、今ひとつ入り込めなかったというのが、正直なところ。全体として悪くはないのだが、著者特有の詩情や切なさが希薄で、ドタバタ喜劇的な要素が強いという印象が拭えない。個人的にとりわけ印象に残ったのは「九年目の〜」か。一瞬夫婦崩壊と思わせて、結局ハッピーエンドで締めくくられるという展開に何とも言えずグッとくる。それと対照的なのが、「優雅な殺人者」。お互いに相手を出し抜こうと争う二人が、結局自分の策に溺れるというのは、ありがちなパターンだけど、この作品には独特の悲哀と可笑しさがある。
読了日:03月31日 著者:レイ ブラッドベリ
https://bookmeter.com/books/437720

■才能の正体 (NewsPicks Book)
著者のいうこともある程度理解できるが、でも「皆んなが皆んな才能を発揮したら、それはそれで困ったことになるのでは?」と思ってしまったのも事実。ただ、昨今の息苦しい世相に対して、風通しの良い社会を著者なりに実現していこうという姿勢は感じ取れたか。また、ビリギャル姉妹の他にも、自分なりに才能を磨いた生徒達の事例をもっと上げてくれれば、本書の説得力がもっとあがったはず。後、「拮抗禁止令と13の禁止令」は全ての親及び指導者が肝に銘じておくべきこと。相手を萎縮させては伸びるものも伸びないという事実は忘れられやすい。
読了日:03月31日 著者:坪田 信貴
https://bookmeter.com/books/13115532

■教養は児童書で学べ (光文社新書)
やや眉唾に思えた箇所があったが、概ね興味深く読めたか。ただ、これは教養というより、人生訓に近いのでは?という気もしたけれど。とりわけ子供の頃、いっぱしの読書家を自認していたのだけれど、こうしてみると未読の児童文学の名作があるのが、何とも言えず悔しい(笑)。特に岩波から出てい物がほぼノーチェック。その辺りの作品に手を染めていたら、精神形成もそれなりに違っていたのでは?などと想像してしまう。比較的最近出た『さかさ町』など、今でも優れた児童書が出ていることに一抹の安堵感を覚える。改めて『モモ』を読みたくなった。
読了日:03月31日 著者:出口 治明
https://bookmeter.com/books/12197173

■新・リーダーのための教養講義 インプットとアウトプットの技法 (朝日新書)
同志社神学部って、いつのまにか精鋭が集まる学部になってたんだ…ということに驚き。また、今の同志社にこれだけ意欲的で優秀な学生がいるという現実に一抹の希望がわく。それと同時に大学院にまで進みながらも、ろくに勉強をしてこなかった我が身の不甲斐なさを改めて痛感。とりあえず自分なりに本を読みながら、何がしかの形で発信していく他は無いのかな…と思わされる。理数系アレルギーを抱える者としては、数学の必要性を説く箇所は正直耳が痛かった。また、超エリートでありながら、嫌味のない素朴な面も感じさせる東郷和彦氏に惹かれた。
読了日:03月29日 著者:佐藤優,同志社大学新島塾
https://bookmeter.com/books/14349988

■サイコパス解剖学
人と人とは分かり合える、どんな悪人でも矯正可能なんて考え方は所詮幻想でしかなく、捨て去る他ないのか?本書を読んでついそんな気にさせられた。学術的には定義が明確ではないサイコパスという概念。でも、本書を読んでいると、様々なマスメディアに登場する人達、あるいはごく身近にいる人達に「あれ?もしかして…」とつい疑いの目を向けてしまいそうになる。それだけ、大抵の人間は多かれ少なかれ狂気を孕んでいるということか?それにしても、アメリカにおける猟奇殺人の数とそのエゲツなさはハンパない。そのあたりの分析も必要かも?
読了日:03月25日 著者:春日 武彦,平山 夢明
https://bookmeter.com/books/12451947

■秘密と友情 (新潮文庫)
以前、単行本版で読んでいた筈なのに、その内容の殆どを忘れていた(苦笑)。互いに一人っ子、子供なし、奥さんに依存といういわばヘタレ仲間の二人による、原題の問答集というより放談集。精神科医という厳しい肩書きにも関わらず、意外にというか、結構ゲスで弱気な春日先生の言葉になんとも言えずグッとくる(笑)。また、俳人でありながら、意外とロジカルな穂村氏の語り口にもちょっとびっくり。多分地頭がいいんだろうな…と。個人的にはお二人とも友達が少ないということに深く共感。それでも生きていけるんだな。小川洋子氏の解説も秀逸。
読了日:03月24日 著者:春日 武彦,穂村 弘
https://bookmeter.com/books/8284179

■見出された時II (岩波文庫)
初老を迎えた今、かつて興隆を極めたり、美貌を誇った人たちが老い衰えた姿を描写した記述は何とも言えず身につまされた。それがどうしても避けられないとわかっていながら、こう呟かずにはいられない。「人って、年取るとこうなるのか…」と。また、初読の際には殆ど気に留めていなかった貴族階級とブルジョア階級との対立と混じり合いの経緯は、まさに時代の流れを感じさせる。それから、全巻読み通して痛感させられたのが、初読の時の記憶が殆ど抜け落ちているということ(苦笑)。そして、そのことも踏まえて、再読したいという気になる…
読了日:03月21日 著者:プルースト
https://bookmeter.com/books/14642603

■失われた時を求めて(13)――見出された時I (岩波文庫 (全14巻))
かなり飛び飛びに読んだので、一冊の流れの記憶が細切れ状態。巻末の場面索引を目にしても、これまで以上に「あれ?」という感じ。これはこちらの事情だけでなく、解説にもあるように、本作では例外的に扱っている時間幅が広いというのも大いに関係している。第一次大戦についての記述は、つい『チボー家〜』のそれを想起してしまう。そのあたりの比較も一興かもしれない。また、本巻の山場は何と言っても、男娼館でのシャリシュスのエピソード。月並みな言い方だが人間の業を感じさせる。また、終盤の文学論はやはり圧巻。繰り返し読むべき。
読了日:03月19日 著者:プルースト
https://bookmeter.com/books/13350398

■老いへの不安-歳を取りそこねる人たち (中公文庫)
ごく最近の作品かと思えば、実際は九年前に出たものだとのこと。当時の著者と同じく五十代の渦中にある者として何かと身につまされる記述が多い。「ああ、俺もこんな風においていくのか…」と。それと共に本書にこれでもか!というくらいに登場する滑稽で、はた迷惑で、でもどこか憎めない老人のエピソードがまさに「味わい深い」。また、老いの在り方が大きく変化し、昔のような典型的な「老人」になることが難しい…というか、殆ど不可能になったという事情を改めて認識。上の世代の年の経方が殆ど参考にならない現状から一体何を学ぶべきか。
読了日:03月18日 著者:春日 武彦
https://bookmeter.com/books/13859192

■サイコパスの手帖
鬼畜二人がサイコパスについて縦横無尽に語り合うという塩梅か?ここで語られる夥しいまでのサイコパスの生態も凄まじいが、それについて語る二人の壊れっぷりもなかなか。特に凄いのが、平山氏の幼少期の思い出。道を歩いている親父にいきなり一升瓶で頭を殴られるとか、普通ありえんだろ?そういう場面が日常的に繰り広げられるような環境に育つと、やはり頭のネジが一、二本外れるのかもしれない。また、サイコパスの定義の難しさ、曖昧さについても考えさせられることに。要するに、人は大抵多少なりともサイコパス的要素があるということか。

読了日:03月16日 著者:春日 武彦,平山 夢明
https://bookmeter.com/books/13721464

■変半身(かわりみ) (単行本)
全ては所詮フェイクか?そしてフェイクとわかっていながら、何かにすがりつき安心したいのは、未来永劫変わることのない人間の悲しい性(サガ)?表題作を読んでふとそんなことを考えた。近未来の離れ島で昔からの因習と思われた、まぐわいの儀式が、実は一部のホモソ的な島の若い衆によって捏造されたでっちあげと知らされた主人公陸の怒りは、そのままミソジニー的な風潮に苦しめられる世の女性の怒りそのままであろう。かなり定石化した感もあるが、併録作のぶっ飛び方もかなり強烈。こういう世間から相当にずれたカップルがなぜか妙に愛おしい。
読了日:03月10日 著者:村田沙耶香
https://bookmeter.com/books/14803091

■バビロン行きの夜行列車
訳者後書きにもあるように、読了後つい「ああ、やっぱりブラッドベリ」と言いたくなる。幾分詩情は薄れた感はあるとはいえ、やはり独特のノスタルジックな味わいがそこかしこに見いだされるのは、相変わらず。個人的にとりわけ印象的だったのは「分かれたる家」が。年上の従姉妹との一時の交情は何とも言えず甘酸っぱさを覚えるのと同時に、妙にうらやましい(苦笑)。最後の「時計の〜」は男性の愚かさ、情けなさ、幼児性を克明に描いた作品。ある一定のアイテムを駆使すれば、いとも簡単に手玉に取られてしまうその姿に、身をつまされる思いが…
読了日:03月10日 著者:レイ ブラッドベリ
https://bookmeter.com/books/446182

■生きづらさについて考える
いつもの樹節…といえば、そうなのだけれど、後書きでも述べられているように、全体的に暗いのが気になる。実際、現在の日本に明るい要素は殆ど見られないから、しょうがないともいえるが、ここまで明るい要素がないという現実はあまりに重い。さしあたり、何が問題かはかなり可視化している。その問題を国民一人一人…というのは無理でも、ある一定層の読書人が認識し、そこからお互いに知恵を出し合うというところから始めるしかないのでは?敗戦経験のある年代が死に絶えようとし、バブルの夢を捨てきれない人達が牛耳る社会に未来はあるのか?
読了日:03月09日 著者:内田 樹
https://bookmeter.com/books/14085150

■失われた時を求めて(12)――消え去ったアルベルチーヌ (岩波文庫)
愛する者を永久に失った後に抱える愛惜の念…それだけならある意味ありきたりな話。ただ、本作がそれだけに止まらないのは、愛する者を失った後でも、人が抱えてしまうエゴイズムや、愛していたその人をつい突き放してしまうような感情を抱く様を克明に描いているところ。本書が恋愛の指南書になるとも思えないけれど、恋愛をする課程で推移する自分及び相手の感情を考察する上でかなりの示唆を与えてくれるように思う。そして驚かされたのが、ロベールの知られざる性向。別訳で読んだから機知だったはずだったのに…そこでも人間の複雑さが伺える。
読了日:03月06日 著者:プルースト
https://bookmeter.com/books/12859578

■しらふで生きる 大酒飲みの決断
自分が酒を飲むに至ったきっかけ、飲酒の際の失敗談、具体的にどんな酒を飲んできたか、飲酒歴の末期における修羅場…ということがもっと克明に語られるているかと思いきや、その辺りはわりにあっさりめ。どちらかというと断酒についての、精神的葛藤がかなり抽象的に語られているというのが印象的。ただ、なぜ人は酒を飲みたがるのか?という心理状態については、さすがに長年の飲酒歴を誇る(?)だけあって、同じく酒好きとしてはかなりリアルに映った。現時点で酒を止めるつもりは無いが、今後の戒めとして、最後の酒を貶める歌は心にとめよう。
読了日:03月04日 著者:町田 康
https://bookmeter.com/books/14604027


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