mixiユーザー(id:29484519)

2020年06月05日21:08

127 view

2019.9 夏18きっぷ 二日目 三日目 山口半周と帰宅路

2019年9月9日月曜日

カーテンを開けると右斜め向かいに厚狭駅が見える。サラリーマンや学生が駅に向かっている。人数は疎らで、それほど多くはない。

フォト

後ろに新幹線が通っていたなんて、昨晩は気付かなかった

時刻は7時半、いつまでも微睡んでるわけにはいかないので朝風呂へ。先客もなく、湯船に仰向け大の字で浸かれる完全貸切状態だった。荷物をまとめ部屋を出て食堂へ。セミバイキングとあるが十分な量。朝食としてのバランスも良い。コーヒーを飲みながら路線図を見て思案するが本日の行程未だ定まらず。そうこうするうちに時刻は9:00を回った。乗車予定は9:09発。慌ててチェックアウトを済ませ駅へと走る。滞在時間は短かったが良いホテルだった。 一泊5100円

09:09 厚狭駅 出立
ホームに立つと下関行きの電車が入ってきた。まだ行程も決まらず迷っているが、こんな時は成り行きに任すが良い。迷っても乗ってしまえば進むだけだ。既に通勤通学時間は過ぎているため乗客は少ない。なんとなく海沿いを走るものと思っていたが実際は山野の中だった。ぼんやりと風景を眺めながら過ごす。

昨晩考えた行程は、下関から山陰本線に乗り換えてそのまま山陰を横断するという案。だが山口県長門市駅もしくは東萩、そこから島根県益田駅までの区間ダイヤが貧弱すぎて迂闊に行けば泣きをみるはめになること間違いなし。さらに出立の遅れが影響し、思ったほど移動距離が稼げないと分かる。結局山陰横断は無理だと判断し、行程定まらないまま下関に着いてしまった。もうノープラン、その場決めていく事にした。

09:43 下関 着
下関駅の外に出るのは今回が初めてだ。別に観光の為ではなく、次の乗り換えまでに出す もを出しておく為だ。要はトイレ探し。駅のではダメ、落ち着けない。駅二階よりペデストリアンデッキを渡りめぼしい場所を探す。右側駅隣接ビルが途切れるとフェリー乗り場だろうか、「釜山へ」と書かれてある。下関から釜山行きが出ているなんて知らなかった。まあ九州とは目と鼻の先ほど近いから、どちらから出ても変わらんのだろう。ちなみにこの地方に来るまでは九州と本州下関の地理的配置を、テトリスの□型と横向きになったL型が隣り合ってると思ってた。実際は□型とL型両方から、まるで映画ETの指先を当てるがごとく陸地が伸びて交差している。その勘違いのせいか、関門海峡の幅の認識も変わった。「九州と本州、海を跨いで橋で架けて線路を通すなんてスゲーな」といった印象が「あっ・・・ふーん こんなに近かったのね」に変わってしまった。そりゃあこんだけ近けりゃ異国船にも大砲打ち込めるわ。
トイレ探し再開。もう開店しているパチ屋を発見。この時間で客も少ないだろうし、ある程度清潔だろうと判断し突撃。が、だめ。客は多いし、なにより全室使用中だった。(お前ら家で済ませろよ)と毒づきながら諦め退店。時刻は10:00を回った。もしやと思い駅横の百貨店へ行くと丁度開店したところだった。案内板に従い進むと青と赤の間が見えてきた。そのまま青の間に入ると、どの個室も空いていた。その内の一室に入り数分後…余計なものと旅の不安は全て水に流して出る。気分もすっきりし駅へと戻った。下関、この日は快晴なり。

フォト


10:35 山陰本線仙崎行き 出発
初めての路線だ。路線図見る限り海沿いを走るようなので進行左側の席に座る。ボックスなのが嬉しい。乗客は自分と似たような鉄旅人が二人ほどだったが、発車時刻が近付くと老人や学生が乗り込んできた。それでも座席に空きが見られる。山陰の"本線"というわりに乗客は少かった。まあ平日の真っ昼間だし、朝夕だとまた違った姿があるのかも。

景色が良い。山野から海へと切り替わり飽きが来ないし、特に海辺の景色が綺麗。その姿も所々で変わり、単調ではないのだ。

フォト


フォト


フォト


フォト


フォト

山の中にぽつんと学校が。ここの前後は相当山深い感じだったけど、通うの大変そうだ。

フォト

今旅行で最大のショッキングスポット、初見殺しのもちろんモロチン丸見えトイレ。なぜ壁を作らなかったのか。何も知らずに利用しているところに電車が入ってきたらと思うと恐ろしい・・・伊上駅、スリルを味わいたいなら行くがよい

終点の仙崎まではほぼ二時間、車窓という一本のロードムービーを楽しむ路線だった。

12:48 長門市駅 到着
下関から仙崎行きに乗って終点仙崎へ。仙崎駅は山陰本線長門市駅から一本だけ伸びた支線 、どんつきだ。次は美祢線に乗る為、さっき乗ってきた電車にそのまま残り一駅だけ戻る。そこで来たのが長門市駅である。次の乗り換えは13:42なので一時間待ちだ。
待ち時間で駅周辺を散策するが20分程歩いてみたが特にめぼしいものは無く、暑さもあって早々に戻ってきた。駅近くのビル一階部分で土産屋が開いていた。土産屋と言っても小さな売店だ。食品以外にも工芸品なんかも置かれていたが一際目を引いたのは某国首脳のイラストを配した プーチンTシャツ。なんでも2016年に日露首脳会談が長門市で行われたんだとか。やきとり神社とかいう取って付けたような社があった。
フォト

胡散臭いと思いつつも、ここから長門市では「やきとりの町」と称するほどに焼き鳥関連業が盛んで、焼き鳥に関するイベントも行われることを知った。無知の旅は意外なところから新しい事を知る体験ができるのが醍醐味。長門市、また一つ印象に残った。せっかくだから焼き鳥食いたいなと思ったが、近くにそれらしきお店は無い。仕方ないから売店でソフトクリームを購入し、日陰でのんびりを待つ事にした。

13:42 長門市 美祢線 厚狭行き 出発
一両編成のワンマン、全てロングシートで8割ほど席が埋まっている。西日が車内を照りつけるせいでほとんどの窓でカーテンが閉められた。車窓を眺めたい者としてはどうすることもできず、もはや寝るしかなかった。 美祢線、記憶に残らず残念。

14:45 厚狭駅 到着
結局山陰本線と美祢線を乗り継いで一周してきた。厚狭駅に戻ったはよいが、この後の行程に悩み、駅で一時間潰してしまう。厚狭駅から進むには山陽本線と美祢線のどちらかしかなく、どちらも乗ってきたばかりだ。ならば戻りながら乗ったことのない路線に乗ろうと行程決定。

15:42 厚狭駅より一駅前の小野田へ。
16:15 小野田駅 小野田線居能行き 出発
小中学生の帰宅時間に被ったせいでわちゃわちゃした車内に。それに加えロングシートなので車窓を眺める余裕もなく、なんとなく河川を越えて工業地帯を進んで高架駅に停まったくらいしか記憶にない。

16:43 宇部線居能駅 着
17:01 新山口行きへ乗り換え 出発
居能駅はなんとなくうろ覚えだが、どんな車両に乗って車窓がどんなものだったのか覚えてない。

17:50 新山口 到着
移動可能6時間を残し、この日は新山口で宿を取ることにした。早めに移動を終えたのは 、18きっぷ旅行と言っても移動だけではつまらないので、まだ降りたことのない新山口駅 周辺を散策してみようと思ったからだ。 改札目の前には幅の広い南北自由通路が通っている。駅内装を見ると比較的新しく作り直されたように見える。白壁と材木の調和が綺麗な印象を受ける。北口に降りてみた。広い公共スペースとラジオ放送スタジオらしきものがある。道路の向かい側には居酒屋が数件並んでいる。ここが繁華街かと思い進んでみるも二・三軒飲食店が並んでたと思えばあとは住宅街。戻って駅南側に降りてみた。駅一階部分に飲食店テナントが数件入っており、外にはお高そうでお洒落な寿司店とコンビニポプラ。周辺にはマンション・マンション・マンション。 Googleマップを見ていると「パチンコ・パチスロ110番」という表示のついた建物があった。癒着の臭いがぷんぷんするような冗談みたいな店名だなと思い行ってみると、紛らわしい事にただの遊技協会の施設だった。その後も周辺を歩いてみて、そして思った。もしかして新山口駅って新幹線駅でありながら所謂何もない駅なのではと…。
もう一度北口へ向かいさらに奥へ散策してみたが、道幅の広い県道に出ただけで、その辺にあったすき家でお好み焼き丼とかいう微妙な新メニューを夕食とし、虚しく駅へと戻っただけだった。 宿は南口にある東横INN。口直しにポプラでつまみを買い、radikoで山口のラジオを聴きな がら思いに耽る。新山口駅にはある…… "何もない"がある。 一泊5500円
フォト


2019.9.10 (火)
今日中に帰宅する予定だが既に8:00を回っており鈍行だけでの移動は無理だった。 メモ帳を見返すと帰宅行程に大分悩んでいようだ。
新山口 〜 三原 を鈍行
三原 〜途中岡山乗換〜 姫路 を新幹線
姫路 〜 名古屋 を鈍行
名古屋 〜 新横浜 を新幹線
新横浜 〜 八王子 を鈍行
これで日付が変わった頃に到着できる。 料金は新幹線二回で15220円 18きっぷで浮く運賃8970円
最初に考えたのは上記ルートである。そこから色々と変更して帰宅ルートを決めた。


8:59 新山口 出発
 
9:40 徳山 到着
徳山駅より山陽本線ではなく、まだ乗ったことのない岩徳線に乗り換え。
一時間半の待ちができたので駅外へ出てみたら、ロータリーが整備され、お洒落な図書館が駅に併設されていたりと北口が再開発されて様変わりしていた。
フォト

フォト

そのまま商店街の方に行き、とあるパチ屋へ入る。ジャグラーに二千円入れたところで当たりを引き、そのままB3R1で500枚程確保し即止め。僅か20分程の出来事だった。以前南口の店にやられた借りを返すのと時間潰しのつもりが、思わぬ勝利で懐が温かくなった。早々にパチ屋を出たので待ち時間も消化しきれていない。駅へと戻り、浮いた金で改札横の洋菓子屋より棒状のチョコレートケーキのような物を購入しホームで一息入れる。

11:13 徳山 出発 岩徳線
初めて乗った岩徳線だが、この先のルートを調べたりしていて沿線風景の記憶がない。山野と田畑を走り抜けて行ったような印象。

12:31 岩国 到着
12:56 山陽本線へ乗り換え
岩国は始発駅でもあるので座席確保も容易だ。20分程で次の電車がくるので乗り換えもゆ っくりできる。

13:48 広島 到着
昼を過ぎていたので広島駅ビル内で弁当を購入。さらに"揚げホルモン"も購入。つまみによく合い、以前来たときに買ってからはまってしまった。

広島14:30 〜 16:46三原 呉線
呉線経由で三島へ。途中の広駅で乗り換え。座席は常に海が見える方を確保する。眩しかった陽光も三原に着く頃には薄明かりへと変じ、海面のかがやきも消えていた。もうすぐ夕方なのにまだ三原にいる。帰宅行程は出来ていても本当に帰れるのか心配になる。

三原16:50 〜 16:54糸崎
一駅だけの移動。三原城を見てみたかったが直ぐ乗り換え。でも三原駅が三原城内にあるのだから既に登城したも同じ。どうせなら線路上の駅壁面を城門風にして発車ベルを法螺貝に変えたりと三原駅改築計画を練りたい。

糸崎17:06 〜 18:17倉敷 山陽本線
当初は岡山まで行き新幹線に乗り換え予定だが、新幹線には20:36まで乗れば良い。時間に余裕があるので寄り道をする。 倉敷駅にて、乗り換え待ち時間の20分を利用しどんな土産があるか眺める。やはり桃や吉備団子などが目立つ。そんな中で桃色のにごり酒が目に留まった。酒はほとんど飲まないのに、 何を思ったかこれを購入。これも旅気分が成すものだろうか。

倉敷18:39 〜 18:50総社 伯備線
総社18:54 〜 19:36岡山 吉備線
無駄な遠回りだが、駅メモやってる関係で吉備線経由で岡山へ向かう。帰宅時間の為乗客が多い。倉敷からはサラリーマンが、総社駅で乗り換えてからは高校生が多く乗ってきた。夕から夜へ、車窓もほとんど見えない。それでも、その時間にしかない情景を感じる事が出来る。楽しいものではなく、物寂しさの中に浸る時間なのだ。 物寂しさ、一人暮らしでふと感じる寂しさとはまた違うもの。遠方のローカル線、乗客もほとんどいなくなった夜の車内。そんな時に沸き起こる自分にとっては鉄旅独特の感情なんだが、今もってよくわからない。

岡山
これが後の乗り換えだ。メモ帳には何時発かは書いて無かったが、おそらく20:01発のぞ みだと思う。 乗客は少ない。でも大阪京都で増えるのかもしれない。広島で買った揚げホルモンを取り出してつまむ。暗がりの車窓を眺めながら今回の旅について思う。観光地を巡るわけでもなく、 何かをするわけでもない。一日でどれだけ進めるかを知りたいが為、千キロの道程を電車で移動して回っただけだ。有意義な事ではないが、多少なりとも感動した。東京―山口間、飛行機や新幹線が当たり前になった現代において鈍行電車で当日内に着くという感覚が全く無かった。それが着くことが出来たのだ。徒歩と海路しかない昔の人が一ヶ月を要した道程を 一日で辿り着いてしまった。 丸一日掛かったとも言えるし、一日だでけで着いたとも言える。 それを知り得ただけで充分。 ただ、365分の1日を電車移動に使うだけで消費してしまったのはちょっと悔しい。 悔しいけど、またどこかに出掛けるだろうな。 揚げホルモンも無くなったので今回の鉄旅記はここまでとする。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する