18世紀のイングランド。時の女王アンは、痛風持ちで行動に不自由を感じていた。政治にも無頓着で、フランスと戦争中だというのに進軍を続けるべきか講和の道を取るべきかの判断もできない有様だ。そこで執政のほとんどを幼馴染の親友サラに任せきりであった。サラは軍総司令官マールバラ卿の妻で戦争推進派。常に女王の側におり、その影響力は女王と同等であると閣僚たちも畏怖する存在だった。ある日、没落貴族の娘アビゲイルが職を求めて宮殿に現れる。アビゲイルはサラの従姉妹にあたり、親戚のよしみで宮殿で働かせて貰えると期待したのだ。しかしあてがわれたのはキッツイ女中仕事であった。心優しく芯の強いアビゲイルはそれでもめげずに働き、やがて女王の足痛を緩和させたことをきっかけにお気に入りの侍女へと出世していく。サラは、そんな気のつくアビゲイルを買って可愛がるが、やがて彼女の隠れた本性に戦慄することになる。
「女王陛下のお気に入り」。観ました。
以下、女王陛下のネタバレ。
コスチュームプレイというのが正直苦手で、本作もアカデミーに絡んでいなければスルーのつもりでした。ゆえに前情報なしで臨んだのですが…
いきなりのエマ・ストーンの扱い、広角レンズのパースペクティブショットの多用から「ん? これは、インテリ婦女子が好むジェーン・オースティン的コスチューム劇とは違うぞ⁈」と思っていると、不条理っぽいカットバックと下品極まりないギャグがところどころで炸裂。「ほう、こりゃ史劇版ロブスターだな!」と感じて、その発見を後で偉そうに日記に書こうと思ってたら、エンドクレジットで監督がランティモスさんだと知るという(笑)そう、本当に「ロブスター」の監督だったわけですよ。
下品で過激だが洗練されてて、キャラは美しいのに醜く、心地良さと不快感が入り混じった音楽が鳴り続けて、優雅と歪を行き来する映像という、まさに監督の作家性の溢れる一本でした。エマ・ストーン、これアカデミーあり得るな!女王役のコールマンも、幼稚さとふてぶてしさ、単なるトドかと思ったら威厳ある女王になったり、まあ名演技でしたよ。こりゃおもしれー映画観たな!という気にさせる一本。エマ・ストーンの乳に上乗せして星3つ!
続いてはバルト9へ
平凡な灯台守の男と海底王国アトランティスの王女が恋に落ち、アーサーくんが産まれました。大人になったアーサーくんは魚人の能力に目覚め、それを生かして海で困っている人を助けていましたが、ある日、海底王国が陸の世界に宣戦布告。アーサーは戦争を止めるため奮闘するのですが…
というアメコミ映画「アクアマン」。
以下、ネタバレマンタ。
一言でいうと、退屈。観てるこっちが「アクビマン」ですよ。
全編、単なるゲーム映像が2時間以上流れているだけで感情が揺さぶられる場面もなし。マーベルみたいなアガル展開も無ければザック・スナイダーらしいシリアスさもない、ほんとただのアメコミ映画。つまらん。
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