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日記一覧

人間嫌い(その6)
2018年04月30日01:05

 マッグカップを片手に席に座り、あらかじめ置いてあったノートパソコンを開いた。電源を入れ立ち上がるのを待っていると、隣の席から、如何わしい話が聞こえて来た。ワイセツな話題ではない。何かを売りつけようとしているのだ。おそらくは詐欺だ。しかし、

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人間嫌い(その5)
2018年04月28日15:35

 駅裏で人を待っていた。待ち合わせの時間を十五分過ぎたところまで確認し、その後は何もしていなかった。その十五分を少し過ぎたあたりで、隣に座る女がいた。植木を囲んでの円形の長いベンチなので、隣に座ったとしても、あまり不自然ではない。もともと、

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人間嫌い(その4)
2018年04月27日17:20

 待ち合わせ時間には、たいてい早過ぎて到着する。人生を通じてめったに遅刻することがない。待ち合わせ時間の一時間前に駅に着いて、そこから時間を持て余すということも珍しくない。今日もそうだった。 駅で時計を見ると、待ち合わせ時間の三十五分前。こ

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人間嫌い(その3)
2018年04月26日15:32

 公園を駆け抜ける男の子。いい脚じゃないかと思いながら、それを眺める。もっと膝を高く上げられたら、もう少し速くなるぞ、と、そう思いながら、自分がどうして教師をしていないのかと疑問を抱く。 はじめて家庭教師のアルバイトをしたのは高校生の時だっ

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人間嫌い(その2)
2018年04月25日01:02

 終電を降りて駅から小一時間。歩けない距離ではない。しかし、楽しい散歩というわけにもいかない。ただの帰宅だからだ。駅前の繁華街を抜けて、大通りを渡ると住宅街に入る。人はそのあたりで急に少なくなる。道も少しばかり暗くなる。遠くに人の声が聞こえ

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人間嫌い(その1)
2018年04月22日23:31

 ここでエッセイというときに、偶然、再・書き方講座の課題がエッセイになった。エッセイの書き方はいろいろあって、サロンでは、それを一つにしていたが、今回、書き方講座では、もう一つの書き方でエッセイを書くことになった。そこで、どうせ、ここで、企

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『鹿鳴館サロン』 サイト鹿鳴館からはじまり、二十年以上も続いた「鹿鳴館」とは何だったのか。誰が関わり、そして、何をしようとし、何をして、何が出来なかったのか。その全てを、鹿鳴館サイトと鹿鳴館サロンが十年以上もの間書きためて来たミクシィの記録

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『空想性風俗雑誌』 これは性風俗雑誌である。小説ではない。各店の紹介記事。体験記事。風俗嬢の取材、インタビュー、対談。そして、店長や電話番の手記。風俗嬢の求人広告。全てのページが、風俗マニアなら見た覚えのあるものだろう。ただし、ここに紹介し

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『犬猿対談』 嫌い合う人たちがいる。納得出来ない思想の人たち。理解出来ないのではなく不快なのだと思い合う人たちがいる。そんな人同士の対談だけが企画されたのが、この雑誌である。ただし、不快な人同士をケンカさせようと言うのではない。あくまでも、

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『夜伽話集』 眠れない夜には音楽さえ邪魔になることがある。そんな大人がそばにいて、その大人を寝かしつけたいと考える人のための大人のための童話集。エロ小説ではない。三文ポルノでもない。ここにあるのは、紛れもない童話なのだ。ただし、昼間読んでも

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『UNBER』 綺麗なもの、整っているもの、明るいものばかりが扱われる雑誌業界に一石を投じる雑誌、それが『UNBER』だ。くすんだ色の琥珀には深奥の美があるかもしれない。ないかもしれない。これは、汚い世界、はぐれた人たち、ダメなもの、不味い

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『月刊SМ業界』 SМ業界初の業界誌。SМクラブやSМパブ、SМショーやSМサークルの経営論から、開業の指導、運営のちょっとしたアイディア、業界の今後の展望など、SМ業界を経営サイドから徹底的に考えるための雑誌。SМ風俗嬢の裏話なども多数収

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『無料性風俗ガイド』 この雑誌に掲載されている性風俗は店、人、場所、サークルに関わらず、全て無料のものです。なお、法律に触れる行為をこの雑誌が推奨することはありません。ゆえに、もし、この雑誌の掲載内容を誤解して、違法行為に及ぶ読者があっても

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『秘密の石マニア』 石は官能である。性器がワイセツなどというのは幼稚な話。胸、尻、背中、足、髪は、まだまだ幼い。下着、靴、自転車のサドル、ペン、椅子は、普通の感覚。本当にフェティッシュなのは、石である。石の色、艶、形、そして、肌触り。この雑

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『平凡な明星』 スターではない。犯人でもない。成功者でもない。没落者でもない。敗残者でもない。アスリートでもない。ただ、何でもない人たちの、平凡な日常にスポットをあてた新感覚雑誌。後記 お部屋拝見で伺った「ゴミ収集場写真家」の部屋がとにかく

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『誰も行かない観光マップ』 誰もが行きたくなる店は今やインターネットでいくらでも見ることが出来る。少しマニアックな店や地元の人しか知らないような場所、店、遊び方も、インターネットがあれば、いくらでも知ることが出来る。この雑誌は、このインター

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『あのマニアは今どこに』 昭和の事件記には、不思議なマニアの話がある。たとえば、晴れ着汚しマニア。正月になると現れ、晴れ着に汚物をかけたり、酷い場合には、薬品をかけたりするマニアがいた。トイレの便壺に入るマニア。露出痴漢や風呂覗きも最近はニ

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『空想世界』 この世に存在しないが誰も知っている人、物、場所、動物、植物、能力などを取材したり、インタビューしたり、科学的検証したりする雑誌。後記 子供の頃、ドラゴンと会い、ドラゴンと話をしたいと思った。その願いのままにこの雑誌社に入社。よ

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ちょっと休憩(その6)
2018年04月09日00:19

 さて、いつまでも自分のことを書いていると、自分が人気者になり、皆が自分の日常を気にかけているのではないかという錯覚を持つので、そろそろ止めておこう。そして、この休憩が終われば、ありもしない雑誌の後記という企画をやらなければならない。そんな

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ちょっと休憩(その5)
2018年04月08日00:55

 三十年近く前のことになるだろうか。ストーカーについて、徹底的に調べさせられたことがある。書籍だけでなく、過去の事件記録なども、ずいぶんと時間をかけて調べさせられた。まだ、インターネットで容易に検索調査の出来る時代ではなかったので、それは苦

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ちょっと休憩(その4)
2018年04月07日01:16

 深夜のファミレスは面白い。いろいろな人がいる。深夜なのに店内を走り回る子供を見たことがある。しばらく筆者は子供の幽霊で筆者にしか見えていないのに違いないと思った。女のケンカで一人が椅子の上に立つと、向いの席にいた女はテーブルの上に立とうと

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ちょっと休憩(その3)
2018年04月06日01:28

 休憩中にしか書けないことを書こうかと思う。 筆者はときどき、こんなことを思う。ストーカーというのは、けっこうポジティブものなのだろうか、と。たとえば、昔には、こんなことがよくあった。女性に食事に誘われるのだ。食事に誘われると、筆者は、まず

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ちょっと休憩(その2)
2018年04月05日01:18

 次の企画について書いたのだから、そのまま、企画に入ればいいのだ。何が少し休憩などと偉そうなことを、と、筆者自らがそう思っている。そして、こうした自分の個人的なことを書くことも、また、筆者が嫌いなことなのだ。嫌いにも関わらず、少し休憩などと

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ちょっと休憩(その1)
2018年04月04日00:55

 次の企画を考えながら筆者が思うところの雑誌というものについて考えて来たわけだが、この十二の企画だけで雑誌を作るというのも面白そうだ。雑誌なのに、目次というコーナーがあって、目次だけが何冊分も続くのだ。そうなると、本誌の目次には目次というも

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 雑誌にとって、もっとも大事なのは編集後記だ。後記のつまらない雑誌に面白いものなどない。ちゃんとした作家は後記のくだらない雑誌の仕事などしないものだ。雑誌とはそうしたものなのだ。最近は、雑誌はただの商品だが、筆者は雑誌というのは思想だと考え

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 筆者はこんなことをよく言っている。「作品と駄文の違いとな何か、それは、作品は自分自身でも熱狂的に好きなものがあるものだが、駄文は自分自身にさえ印象深い文章が一つもない」 この方法で、筆者は、作家志望の人に対して、しばしば、試験をしてきた。

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 文章は短いほど難しい。もっとも難しいのは詩ではないかと筆者は考えている。筆者も若い頃には、ずいぶんと自惚れていたものだから、詩など書いたりしたこともある。短歌や俳句をやっていた頃もある。しかし、それらには、かなり以前に挫折させられている。

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