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日記一覧

 たとえば、ある観光地を舞台に小説を書くということが出来る。昼のテレビドラマによくあるバーターという手法である。 これが電子書籍なら、さらに詳細に行うことが可能になる。ごくごく小さな町に限定して、これを行うことさえ電子書籍なら可能なのだ。そ

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課題小説
2015年01月30日03:24

 美しいまでに磨き抜かれたガラス戸の中央には、着物とアルファベットの文字で書かれていた。先代は木戸に拘ったが、若旦那が後を継いで自動ドアに変わったのだった。その扉が音もなく左右に開く。気圧が変わったからだろうか、中の冷気が私の頬を撫でた。反

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 電子書籍によって自由に出版が出来る時代になった、と、普通はそう考えるのだろう。それは、自由に書くことが出来る時代になったということなのだ、と、そう考えるのだろう。そして、実際に、誰もが自由に、悪く言えば勝手に本を出しているようだ。それはそ

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 電子書籍ではお試しの料金、あるいは書店の立ち読みと同じようなものなのだろうか、サンプルという考え方がある。しかし、この考え方を筆者は好まない。文学にはリスクはあるものなのだ。つまらない小説を間違って買って損をするのも、これも文学なのである

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 雑誌に付録がついたのは、もう、ずいぶんと昔のことだ。その付録が雑誌よりも重要になったのも、もう昔のことだ。玩具に小冊子が付いているというものなのにもかかわらず、雑誌と呼ばせる時代なのだ。書店で雑貨が売られるというのも普通のことになった。 

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 たとえば、こんな商品は可能だろうか。誰でもいいから、ある個人の悪口を書くのだ。タイトルには、その相手の名前をつけてしまう。まあ、その相手が不幸にして筆者だったとしよう。『鹿鳴館執事の過去の女たちが、その悪行の全てを語る』 そんなタイトルの

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 思えば膨大な量の文章を、どちらかといえば暴力的にアップしてきた。ところが、最近は、書くことを惜しむようになている。おかしなものだ。これまでの人生では、書くことを惜しむという考え方をしたことはなかったのだ。これまでは、書けば書くほど書きたい

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 自己流と言うときに、しばしば、勘違いする人がいる。自己流とは、まったくの基礎がなく、最初から自分の好きなようにやっている、と、そう考えるのだ。そんなものは、この世にない。正確に言うなら、ほとんどない。稀に天才もいるが、その天才でさえ、直観

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 編集者というのは読書家でなければいけない、と、考えている人がいるが、それは間違いである。それはプロ野球選手はマラソンランナーでなければいけない、と、そう考えるのと同じような間違いなのだ。別に野球選手はマラソンが得意だということはない。しか

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「三つの要素を見つけろ」と、これは編集者の好む遊びの一つであり、また、編集者にとっては重要なトレーニングの一つでもある。たいていの出版社では、編集者の入社試験で、この遊びを採用している、と、聞いたことがある。どこで聞いたかも、誰に聞いたかも

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 編集者とはパイオニアである。パイオニアとは何かは筆者の知るところではない。そう書いたら編集者がすごいもののように思われるのではないかと思っただけだ。 分からない片仮名を止めて、編集者を登山者と考えよう。 編集者はどんな山にも興味を抱いてい

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 編集者は何かを相手に伝えるための効果的な方法について常に考えている。そして、そのためのトレーニングをしている。嘘は、編集者のもっとも重要なトレーニングである。編集者はあまりにも嘘を日常的に行っているので、たいていの編集者は自分が誰なのかさ

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 編集者にとって、もっとも重要なトレーニングは「どこでもタイトリング」だ、と、書いたと思う。もしかして「何でもタイトリング」と書いたのでは、と、そう思った人もいるかもしれないが、それは編集語と日本語の翻訳上の違いだと解釈して欲しい。ついでに

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 編集者のたいせつなトレーニングに「何でもタイトリング」というのがある。欧米の編集専門大学なら、必ず教科に入っているところのスタンダードなトレーニング方法なのだが、日本には、そうした専門大学がないためにこのトレーニングは知られていない。欧米

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 編集者は日常的に編集者としてのトレーニングをしている。生きているだけでトレーニングになっていると言ってもいいほど常にトレーニングを欠かさない。たとえば、道で肩が触れただけでも、怒り、それを表面に出すことなく、ひたすら、その相手の不幸を想像

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「らしさ」という言葉を編集者はたいせつにしている。難しい話をするなら「夏江漱石らしさ」と「川端康成らしさ」は違うものなのだ。話をかんたんにするなら「男らしさ」と「女らしさ」は違うものだ。あるいは「子供らしさ」と「学校の先生らしさ」は違うもの

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 編集者という人は伝達能力のある人だと考えているなら、その考えは間違っている。それは寿司屋の大将は漁が上手いと思うのと同じぐらい間違っている。宇宙飛行士は無酸素でも生きていられると思うほどの間違いではない。宇宙人の足は八本以上だと思うのとは

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イメージファクトリー
2015年01月06日01:53

SMにおける緊縛を変えたのは、たった一本のパイプだった。 様式美が求められるようになって、その本質が失われるというのは、いつの時代でも、どのような行為でも同じである。たとえば、多くの宗教でも、今や様式美だけが残っていて、その信仰の本質が失わ

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 どんなものにもミスというものがある。他人のミスを見つけるのは編集者の最大の楽しみであるが、自分のミスを見つける他人は編集者のもっとも嫌うタイプの人間である。そして、他人にミスを指摘された場合には、編集者なら余裕を持って、そうしたミスを入れ

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課題小説
2015年01月04日03:02

 砂場に身を倒した少年の前にあったのは巨大なコンクリートの碇だった。これは実物と同じ大きさの碇なのかもしれない、と、そんなことを考えた後、少年は船の碇など、その船の大きさによって様々に違いないと思い直した。 身体を引きずるようにして、碇の横

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 編集者は常に「ダメ出し」というトレーニングをしている。ただし、これは他人の作品に対してであって、間違っても自分が関わったところの作品に対してやってはならない。そんなことをしたら、編集者は次の仕事のやる気を失うことになってしまうからだ。 も

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 編集者は自らの腕を磨くために、どんなトレーニングをしているのだろうか。プロスポーツ選手がそうであるように、そして、役者や演奏家がそうであるように、あるいは、人生をあまり賢く生きているとは言えないようなギャンブラーでさえもがそうであるように

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