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2020年03月24日01:04

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ガメラと企画を考える、その9

「地球人のポルノというのが羨ましことがあるんだよ」
「ああ、お前にはエロスがないんだろうなあ。だって、種の保存がないんだからなあ」
「お前なあ。一度、俺の甲羅の下に入れてゴリゴリしてやろうか。お前なんか、ひき肉になるんだぜ」
「そりゃ嫌だなあ。漫画みたいに、一度平たくなってもどるぐらいならいいけど。まあ、それはいいとして、ポルノの羨ましさって何だよ」
「もし、俺が星でポルノを書くとするよな。まあ、書かないけど、書くとしたら、肉体のフォルムのエロスになると思うんだよ。どれほど美しいボディか、感触はどうか、瞳の色はポーズはってな」
「それでよくないか、ポルノなんだから」
「ところが、地球のポルノには、フォルム以外の要素が多いんだよ。たとえば、場所だよ。寝室でポルノとはならないようなところがあるだろう。寝室よりは安い崩れかけたホテルとか、あるいは、都心を見下ろす高層階のホテルの部屋とか、誘拐された地下室、学校の保健室」
「お前、どれだけポルノ読んでるんだよ」
「地球の研究のためだよ。場所や人間関係にものすごく拘るよな。ようするに、俺らのポルノがただのグラビアヌードだとするなら、地球のポルノはまさに小説なんだよ。そこが羨ましいんだよ」
「でも、お前だって、たとえば、ボイラー室とか、集中管理室とか、停止中のベルトコンベアーの上とか、いろいろ考えられるだろう」
「そりゃ、全て俺がロボットだという前提で言ってるよなあ。お前、一度、地獄の業火で踊ってみるか」
「いや、悪い悪い、それで、どんな企画になるんだよ」
「こんなのはどうだろう。いっさい人が出て来ないポルノ。つまり、これからエロがはじまる、あるいは、エロがあった場所の風景描写だけを書いて行くんだよ」
「乱交パーティのあったホテルの一室とか、緊縛された女の目に映る風景とか、ラブホテルで二人は風呂にいて、その部屋の様子とか、なかなか面白そうじゃないか」
 意外と言えば、また、ガメラを怒らせることになるのだろうが、ガメラのセンスは意外とよかった。風景描写だけで、そこにあったもの、あるいは、そこで行われる性が何なのかを匂わせるというのは、これは面白そうだ。ぜひ、やってみたい。
 書きたい、書いてみたい、と、そう思わされてきた。ガメラは、編集者としての才能がありそうだ。
「そうだろう。まさに、お前に書いて欲しいものでもあるんだよ。風景描写の中に悲しみや悔しさを入れ込んでな」
「お前、地球でも、編集者としてやっていけそうだな」
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