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2020年02月22日00:49

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ウルトラマンが来た、その9

「ところで、ガメラの星ってあるのか。だって、あいつはロボットなんだろう」
「そもそも、ロボットって何ですか。‎身体に金属が入っていたらロボットですか。じゃあ金歯入れたらロボットですか。肉体の何パーセントが金属だとロボットなんでしょうか。私の星には、セルフ鉢ってあるんですよ。その鉢に植物の種を植えると、後は放っておいても、鉢が全て計算して、必要な水分や養分を近くから探して自分で植物を育てるんですよ。つまり、植物を持った高性能マシンですよね。植木は鉢の倍近くの質量に育ちます。つまり、その身体はほぼ有機体ですよね。あれはロボットですか」
 ウルトラマンの話はときどき哲学的になる。難しいのだ。難しいが、なるほど興味深い。もし、このまま科学が発達して、脳だけが人間でその他の全が金属という身体があったとしら、その人はやっぱり人間なのではないだろうか。違うだろうか。
「やっぱり、君たちってさあ、究極のところでは、仲良くないか」
「ガメラとですか。仲は悪いですよ。だって、彼にはスマートさがないんですもん。僕はああいう丸い生き物が嫌いなんですよ。あ、生き物って言っちゃった。あれはロボットだと僕も本当は思っているのに。だって、あいつ、落ちているネジを見つけると、ものすごく心配するんですよ。誰か困っている人がいるんじゃないかってね。ネジ落として、そこまで困る人っていないですよねえ。ロボットじゃないんだから」
「ああ、なるほどな」
「でも。そこは追及する必要ないでしょ。彼の身体の何パーセントが金属でも、ガメラはガメラ。不格好に‏生きている可哀想なものなんですから」
「不格好は余計だが、その通りだな」
「ガメラがロボットだと、あなたは思っているようですから、もう一つ、言わせてくださいよ。僕たちの星から見たらガメラなんかより、地球人、とくに日本人のほうが、よほどロボットの定義に合っているように見えているんですよ」
「え、何それ」
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