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2020年01月17日00:59

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滅入ったときの企画、その6

 気分が滅入ってくれば体調もおかしくなるものだ。睡眠のサイクルが崩れ、頭痛と胃痛に悩まされることになり、なお、この時期には筋肉痛にもなりやすくなるのだから不思議なものだ。
 頭痛は何とか我慢出来るのだが、胃痛のほうは、意外と大変なのだ。食べれば吐き気となるし、空腹になると胃酸が逆流して気管で咳となる。これが、けっこう苦しいのだ。
 そういえば、こうした状態のときには、筆者はたいてい一人でいる。昔からそうだった。気分の滅入っているとき、体調の悪いときには誰かといれば、それによって無理をするので、状態は悪化するのだ。
 また、体調が悪いとか、精神的にどうとか、そうしたことを書くことは、単純に自分を甘えさせることにしかならないので、それもしない。つまり、それを主張して、体調が悪いから許してね、精神が不安定だから許してね、と、最初に言い訳けをして安心したいだけになるからなのだ。出来ないこと、やれる力のないことを認めずに、体調とか精神の不安定さのせいにしておきたいだけになってしまうのである。同じことは誰かといてもやる。ゆえに、誰かといるのは危険なのだ。一人でじっと耐えるのがいいのだ。言い訳けをせずに、粛々と自分をこなし続けるのだ。演じ続けるのだ。
 そして、筆者は、そうした状態のときには、一人で、いろいろなことをやる。たいていは部屋でじっとしているのだが、一人旅とか一人ドライブとか、あるいは、誰に見せることもないサイトを作ってみたり、誰にも読ませる予定のない小説を書いたりしている。
 そこで、こんな企画はどうだろうか。
「あの時、一人で」と、そうしたタイトルで、最悪の状態を一人で過ごした時のことを書いて行くのだ。
 高熱で倒れ、バナナ缶とアセロラ缶だけで三日間を過ごしたことがあった。このまま死ぬのかもしれないと思いながら、もし、生きていたら、と、考えたエロ雑誌の企画があった。ホラー雑誌の取材で、伊豆山中で遭難しそうになったことがあった。大雨の山の中を傘もないまま歩き、偶然見つけた氷室の中で、膝を抱えて、SМクラブのメニューを考案していたこともあった。インタビュー本の企画でシティホテルに宿泊していたが相手の風俗嬢が現れず、途方に暮れたまま、その日が自分の誕生日であることに気づいた夜があった。
 賑やかなSМイベントの会場の隅で、メジャー出版社の派手な取材を眺めながら、小さなカメラを抱えて一人だったこともあった。
 そんなことは気分が滅入っている今だからこそ思い出せることかもしれない。
 いっそ「寂しさと、惨めさと、心弱さと」と、そんなタイトルもいいかもしれない。
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