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2020年01月12日03:38

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滅入ったときの企画、その2

 負け続けた人生だった。運にも恵まれないが勝ちにも恵まれてこなかった。何をやっても最後は負けて終わった。出版も、ビデオメーカーも、風俗店も、学問でも、スポーツでも、恋愛でも、その他の、あらゆるビジネスでも最後には負けて終わっている。ゆえに、負けることには慣れている。負け上手になっている。ゆえに、逃げることはしない。負けてもいいので逃げることもないのだ。
 ところが、最近の人は、まずは、逃げる。闘うこと、争うことを極端に恐れ、負けそうになると負ける前に逃げてしまうのだ。逃げて隠れて、闘うべき相手に届かないところで、あらゆる嫌がらせをする。少し偏執的な嫌がらせをする。隠れて遠くから石を投げるとか、隠れてこそこそと悪口を言う程度は可愛いものだ。
 サロンでも、ここが嫌で、来なくなればそれでいいだけなのに、いちいち違法店だと通報して行く、ご丁寧に、サーバにまで通報したりしたようだ。もしかすると、サロンのサイトは、一時的にクローズするかもしれない。まあ、それをきっかけに、いっそサロンを止めれば、嫌がらせをした人には幸いのことになるのかもしれない。サロンなど弱いものだ。エロビデオも、エロ雑誌も、エロ風俗も弱いものだった。たいていは嫌がせによって消えて行くのだ。それはそれで筆者は、そうした転機が来たということなのだ、と、切り替えるようにしている。
 そして、気持ちが滅入っているときには、そうした外部の嫌がせも増えて来るものなのだ。不思議な共鳴なのだ。
 火は必ず消えて行く。それがゆえに、エロ業界に参入して来る人たちの多くは、大火を求めて、大火のままに消えて行くことを考えるものなのだ。ただ、エロ業界のマニアたちは少し違った。その多くは、細々と種火を残そうと努力するのだ。大火の中心に自分がなるとは思っていないからなのだろう。そもそも、そうした中心に自分を置きたい人は、マニアにはならないものなのだ。
 そういえば、マニアという言葉がオタクという言葉に置き換わったとき、何かが変わりはしなかっただろうか。鉄道マニア、カーマニア、ジャズマニア、アニメマニア、そして、SМマニア。すべてはオタクという言葉に置き換わったが、SМオタクという言葉は、まだ、認知されていない。しかし、その実情はやはり、オタク化しているように筆者には思えてならない。マニアとオタクはどこがどう違うのか、そんな言葉遊びを今さらしても仕方ないように思うのだが、何かが違うのだ。
 そこで、どうせ気分はどん底まで落ちているし、サロンの先行きは真っ暗になって来ているので、そんな寂しいを企画にしてはどうだろうか。タイトルは「薄氷の上でその人は空を見ていた」と、これは長い。そこで、これを縮めて「薄氷の空に一人」と、そんなタイトルでどうだろうか。
 まだ、筆者が、数千部のマニア雑誌を個人的に作っていた頃。その読者たちは、本当に孤独だった。そして、その人たちの人生は、とにかく、あやうかった。その人たちは、男も女も、寂しい、寂しいと言いながら、山の洞窟に隠れて街の灯りを眺めていた。スカトロマニアがいた。覗き趣味の男がいた。家出少女がいた。子供を捨てた母がいた。エロ編集者もいた。ビデオ男優がいた。筆者は、そうした人たちに、どこでその人たちが世の中の迷子になったのかを聞くのが好きだった。それだけを集めたカセットテープがどこかに残っているはずだ。この企画はエロ業界の人たちの話だったとしても、エロなしで書きたい。何故なら、その人たちのはぐれた理由にはエロなど存在していないからなのだ。
 そうなるとタイトルは「迷子の理由」でもいいかもしれない。
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