「妖怪変態論」
この企画、実は、現代の性異常について書きたくて、はじめたものだった。江戸時代の妖怪を扱い、これを、江戸時代には特殊性欲については理解出来ていなかったので、偶然に変態を見てしまった人たち、あるいは、偶然に変態に遭遇してしまった人たちは、これを人間の行為と理解出来ずに妖怪のそれだとしたという理論を基本として、現代を書きたかったのだ。
つまり、江戸時代にいた妖怪を変態であったと書いた後では、現代の理解出来ない変態行為を江戸時代の人がしたように、妖怪だとして表現しようとしていたのである。
ところが、江戸時代の妖怪変態論で、この企画は止まっている。これはあまりにも中途半端だ。側溝に入って道になろうとした人、自転車のサドルを集め続けた人、夜な夜なタンポンを咥えて歩いていた人、現代でも、その行為が人間のそれとは思えないようなことは、いくらでもあるのだ。これを妖怪として文章とイラストで描いて書籍化しようとしていたのだ。
これは大きな仕事だが、やはり、鹿鳴館としてはやっておくべき仕事の一つかもしれない。近いうちにサロンがなくなったとしても、鹿鳴館はこの企画だけは、完成させておくべきなのではないだろうか。いや、完成させておくべきだろう。
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